「叛旗兵」 山田風太郎 著

これはすごい! 
こんな奇想天外な物語は、山田風太郎にしか書けないだろうとさえ思いました。

叛旗兵―山田風太郎傑作大全〈7〉 (広済堂文庫)叛旗兵
山田風太郎傑作大全〈7〉 (広済堂文庫)

(1996/10)
山田 風太郎

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あらすじ(裏表紙より)
直江山城守兼続の養女伽羅に本多佐渡守正信の次男正重との縁談が持ち込まれた。
これを嫌った兼続は、大谷刑部の忘れ形見左兵衛を婿として迎えた。
が、腑抜けで覇気のない左兵衛に怒った伽羅は、直江四天王に彼を鍛えよと命ずる。
ユニークな個性の持ち主で一筋縄ではいかない強者4人、伽羅の婿になりそこねた正重、
その左右を守る宮本武蔵、佐々木小次郎までもが加わり、奇想天外な騒動が繰り広げられる。


ということで、とりあえず上杉関係に分類はしましたが、
肝心の(?)景勝さまは、友情出演程度にしかご登場なさいません……仮病で。(爆

以下、ネタバレありです。






とにかくどこを開いても笑えます。(笑
歴史を扱っていながら、これぞまさにエンターテイメント!といったところ。
一応史実ベースではあるものの、読んでいくうちにどこまでが史実で、
どこまでがお遊びなのか、それすらどうでもよくなってくる面白さ。
宮本武蔵と佐々木小次郎が一緒に用心棒みたいなことをしていたり、
この2人が賭け麻雀をやって何十両という借金を作ったり、
直江四天王が今で言うソープランドに行っておかしなことになったり、
二条城の松の廊下で刃傷沙汰があったり、
史実を踏まえたうえでのありえないバカバカしさこそ、この小説の醍醐味です。
例えば、北政所に「燃えよ大坂城! ホ、ホ、ホ」とか言わせるあたりに、
この作品の傾向が読み取れるのではないでしょうか。
「大坂城など燃えてしまえばよいのじゃ」ではないのです。
「燃えよ大坂城!」で、さらに笑い声がつく。
これはもう、作中名台詞ナンバー1を進呈したいくらいです。

しかし、最後の20ページになると、そんな笑いは嘘のように消え果ます。
そしてタイトル「叛旗兵」がなんなのかを知ったとき、
関ヶ原の合戦の重みを、痛みと共に胸に感じることになります。
戦国末期のオールスター登場に、数々のエピソード満載と豪華絢爛な展開でありながら、
実はその裏に悲痛な思いが隠されているのです。
ただ、ただその一点のためだけに費やされた660ページ。
本を閉じたときの私は、文字通り「冷水を浴びせられた」が如く……となりました。
文句無しに、オススメできる1冊だったと思います。

2 Comments

びびんば  

それは・・・・

読まねば!!(例え友情出演でも@笑)
結末はともかくとして、笑える展開に興味津々です^^
ご紹介ありがとうございますm(_ _)m

ところで、昨夜、私のブログにコメントを入れられる時、苦労されませんでしたか?
アメブロは、昨日大混乱でしたので・・・^^;;;;

2008/03/12 (Wed) 20:23 | REPLY |   

カタリーナ  

■びびんばさん

いやほんと、笑えます。
文句無しに面白いです!
感想をお待ちしております♪

昨夜のコメント、確かに苦労しました。(苦笑
入力画面に入れたと思ってもコメント送信がストップ……。
でも経験上、何度も送信ボタンを押すと、
コメントが何件もダブって入ることになると思ったので、
変わらぬ画面を放置しておいたらいつのまにか送信されてました。
メンテナンスやら改善やらは、『凶』に出ることもありますからイヤですよねえ。

2008/03/12 (Wed) 20:31 | EDIT | REPLY |   

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