羽州街道・佐渡のみち (街道をゆく 10) 司馬遼太郎 著

今年は上杉を訪ねて米沢に行こうと思っているのですが、その前に予習をと思い、
司馬遼太郎さんの「街道をゆく」を読んでみることにしました。
前半は「羽州街道」ということで、東根、天童、山形、上ノ山、米沢と南下していく旅でした。
仏教の歴史から万葉集、松尾芭蕉、あるいは紅花の伝来についてや、
さらには日本史と中国史の根本的な差、庄内出身の幕末の志士・清川八郎のことなど、
とにかく薀蓄のどれもこれもが私にとっては「へ~」の連続で、道中の描写とあわせると、
まるで司馬遼太郎と一緒にタクシーに乗って旅をしながら、
貴重な話を聞いているかのような錯覚に陥ります。(苦笑
そんな中でもかなりの紙面が割かれているのが上杉家の話なのですが、
謙信が卒倒してから上杉家が米沢に封じられるまでを実に簡潔に、面白く書いているので、
「なんで司馬遼太郎は上杉の話を書いてくれなかったんだろう……」
などと、考えてもしょうがないことを思ってしまいました。(苦笑
何しろ司馬遼太郎さんは、
私は、謙信のあとを継いだ上杉景勝という人物を、
謙信や直江兼続の華やかさよりも好きであるかもしれない。
(P50)
と、記しているくらいで、私もそれには心の底から激しく同意を示すところなのですけど(爆)、
それならやっぱり、「ぜひとも景勝さまの小説を書いて欲しかったなあ」と思ってしまいます。

街道をゆく (10) (朝日文芸文庫 (し1-11))街道をゆく (10) (朝日文芸文庫 (し1-11))
(1983/01)
司馬 遼太郎

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後半は佐渡のみちで、主に真野湾に面した街を旅していきます。
一応同県民ではあるものの、一度も行ったことのない佐渡なのですが、
ジェットフォイルなら北航路の新潟~両津間が1時間ですし、
南航路の直江津~小木間も2時間半くらいで行けたと思います。
つまり、今ではかなり近い島であることはわかっているのですが、
太宰治が佐渡を満州と思い込んだり、司馬遼太郎さん自身も戦時中満州から移動する際、
佐渡島を見てアリューシャン列島の一部だと思ってしまうなど、
佐渡というのは日本からかなり離れた場所に位置する島であるという観念があるだけでなく、
人が島に対して持つイメージよりも、かなり大きな島なのかもしれません。
日本は稲作を中心とした内陸的生活のため、人は海に対してかなりの恐怖があり、
そのあたりも太宰治や司馬遼太郎自身が陥った錯覚に結びついているのではという件は、
なるほどなあと非常に新鮮に読みました。
金山を有し、しかし江戸からは遠いゆえに役人の腐敗も酷かった佐渡。
大久保長安、江戸末期の名吏・川路聖謨(としあきら)のことなどを読むにつれ、
流刑地から黄金の島に変化した佐渡の存在に、ちょっと興味を持ちました。
ある意味地元なのに、全く何も知らなかったので……。(苦笑
こちらにもチョコチョコ景勝さまは登場します。
ということで、景勝さまスキーにとっても、かなーり興味深い1冊だと言えるでしょう。

4 Comments

びびんば  

羽州街道

うちの近くにも羽州街道があるんですが、山形からの出発なんですねえ~--;
そりゃ~うちには有力な戦国大名がいなかったし~しょうがないけどぉ~(爆)
ここで、僻んでもしょうがないですね!(笑)

景勝君の誠実な性格は、どの時代の人をも虜にするのでしょうねえ~^^
羽州街道で景勝君とつながっていると思うと、私鼻血が出そうでございます(爆)

2008/03/04 (Tue) 22:51 | REPLY |   

Aki_1031  

私も鼻血出しそうです~(え)。
川路聖謨さまが出ていらっしゃるのですか?ぎゃーー!!!(興奮)
景勝さまに食いつかず、すみませんっ。

清川八郎…も興味がないことはないのですが(←どっちだ)、
何と申しましても。。。あの~ぅ、幕末庄内藩のネタはあったりしますか、ね?
同じ庄内関係でも、清川じゃなくて酒井玄蕃さまとか、
現在の鶴岡市近辺の小ネタとか豪商・本間家ネタ(←酒田市は枠外?)とか…。
山側を南下という、微妙に位置がズレている気もするので
な、ないかしらん。やっぱり。。。(滝汗)

2008/03/05 (Wed) 20:07 | EDIT | REPLY |   

カタリーナ  

■びびんばさん

山形のみなんですが、それでも天童とかほぼスルーですからねえ。
やはり薀蓄の多い土地じゃないと文にはならないからでしょうかね。
でも、佐渡の地侍を取り上げてるくらいですから、
佐竹さんや最上さんだっていいと思うんですけどねー。
司馬遼太郎好みの逸話がなかったのかしらん。

2008/03/05 (Wed) 20:15 | EDIT | REPLY |   

カタリーナ  

■Akiさん

ご期待に沿えず申し訳ないのですが……、
幕末ネタは清川八郎のみにございました。(涙
上ノ山藩つながりということだったんでしょうね。
羽州街道が山ルートというのもあって、Akiさんの注目地域から逸れてしまっているようです。
その代わり(?)川路聖謨さまはべた褒めに近いです。
あれほどの観察力と文章力を持った官吏はいないと。
お母様に送ったお手紙集ともいえる「日記」は読んでみたいなあと思いました。
Akiさんは読まれました?

2008/03/05 (Wed) 20:46 | EDIT | REPLY |   

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