「上杉三郎景虎」 近衛龍春 著

すっかりハマってしまって、またもや上杉本。

上杉三郎景虎 (光文社文庫)上杉三郎景虎 (光文社文庫)
(2005/03/10)
近衛龍春

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上杉謙信が自分の後継者を定めないまま急死。
その結果、越後を二分しての後継者争いが勃発します。
一方は北条家から同盟の質としてやってきた三郎。
彼は人質でありながら、謙信の養子となり、「景虎」の名をもらっています。
もう一方は、謙信の甥で同じく養子でもある景勝。
後の米沢藩初代の藩主です。
話のメインはやはりこの後継者争い「御館の乱」で、
歴史の通り、最後は景勝が勝つわけですけれども、
ここでの主人公はあくまで三郎景虎なので、景虎の視点からすべてが描かれていきます。

作者は数多の史料を精査して、三郎景虎の一生を史実に忠実に描いているようです。
三郎景虎をここまで描いた小説はないようですから、意欲作だとは思うのですが、
正直「長いなー……」と感じてしまいました。
いかんせん三郎景虎の人生が受け身なので、運命に翻弄されるばかりで、
物語に勢いが感じられないのが残念。
それはそのまま、三郎景虎の苦悩なのかもしれませんが、
もう少し「したたか」に生きてくれたら、もっと読み応えもあったように思うんですよねえ。
でもそれが史料から浮かび上がる三郎景虎像なのか、書き手ゆえなのか……。
確かに側室の子として不運な幼少時代を送り、ようやく落ち着いた越後でも安寧を奪われ、
三国一の美男子と謳われた三郎景虎の、そんな哀しい一生を見ると、
生まれるてくることの意味、戦国の世のあり方に、疑問を呈したくなります。
特に終盤の悲惨さは、言葉にはなりません。
けれど……。
美しくて、聡くて情もあって、清廉で……それだけの人物じゃ面白みに欠けます。
どうあっても、この人物造詣の薄さは否めません。
それが三郎景虎だけじゃなく、登場人物みんな、どこか薄いんだよな……。

でもね、白状すると、

私はやっぱり景勝派なんだな。うん。(爆

悲運の武将・三郎景虎が主人公なので、ここでの景勝様は悪役です。
それは致し方ないことなので、許容範囲なのですが、
景勝様が思ったほど活躍しない。
めっちゃ悪役でもいいけど活躍しない。
多分、これも不満で、いまひとつ乗り切れなかったのかな自分。(苦笑

最近景勝様中毒に陥ってしまったようで、チラシの「△△の景勝へ!」という見出しに、
「え、何々、かげかつさま?」とガン見したら、観光地の宣伝だったよ!
私、「景勝」という漢字は、もう二度と「けいしょう」とは読めないと思います。(笑

2 Comments

Aki_1031  

連投失礼します~。
ハマってますね!上杉三昧vv(笑)
>チラシの「△△の景勝へ!」という見出し
わははは!
それって、少し前だと「新番組!」の文字を
新選組!と間違えたのとめちゃくちゃ似てるかもーっ。

余談ですが、表紙の景虎さまの絵がまた
文庫本とは思えないくらいの劇画タッチですね~。

2007/11/20 (Tue) 21:49 | EDIT | REPLY |   

カタリーナ  

■Akiさん
「新番組」は今でも時々「新選組」と読んでしまいます。
全く抜けてないですわ……。(苦笑
「三郎景虎」の表紙、なかなか素敵ですよ。
ただ、内容からいくとここまで凛々しくないかもですが。
でもまっさらな状態で読むと、萌え要素はあるかも?(笑
機会がありましたら、図書館などで是非。

2007/11/20 (Tue) 23:18 | EDIT | REPLY |   

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