「直江兼続 -北の王国-」  童門冬二 著

再来年の大河ドラマの主人公である、直江兼続の物語。
来年の「篤姫」はすっとばしての、私にしては珍しく、先に予習をしてみようというものです。

全一冊 小説直江兼続―北の王国 (集英社文庫)全一冊 小説直江兼続―北の王国 (集英社文庫)
(1999/08)
童門 冬二

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直江兼続という人物は、戦国ファンには人気でも、
一般的にはまだまだマイナーな武将かと思います。
しかし調べてみると、結構小説になってるんですね。
で、童門版を選んだ理由は…平積みになってたから。(苦笑 
それと、童門さんの作品を一度も読んだことがなく、
作品に触れる機会をずっと待っていたというのもあります。


内容(「BOOK」データベースより)
  上杉景勝の家臣でありながらも、
  太閤秀吉より三十万石を賜った男・直江山城守兼続。
  主君・景勝との深い魂の絆を胸に秘め、
  合戦の砂塵を駆け抜けた彼は、戦国乱世に勇名を馳せる。
  だが、己の歩むべき真の道を見いだした時、
  天下取りの争いに背を向け、北の大地に夢を託すのだった。
  米沢の名藩主・上杉鷹山が師と仰いだ戦国武将の、
  凛々たる生涯を描いたロマン大作。
  全一冊・決定版。


一言で言って、面白かった!
久しぶりに寝食忘れて読みふけりました。
絵本を読んでも、銅像を見ても「ふーん」くらいにしか思ってこなかった直江兼続ですが、
こんなに魅力ある人物だったとは思いもよりませんでした。
もちろんそれは著者童門さんの力量によるところも大きいのでしょうが、
それにしても、信長→秀吉→家康という時代の流れの中で、
時の権力者とうまく渡り合いつつ、独自の理論を貫いたというのはすごいことで、
もしかすると一発大逆転があったかもしれない展開に、読んでいて文字通り興奮しました。
とにかくこの作品の魅力は、上杉景勝/直江兼続の羨ましい限りの主従関係にあります。
二人の信頼関係は、女でも嫉妬したくなるほどの強固さ。
二人の絆の固さは、関が原の戦いで最上義光に負けたところで一番の感動を呼びました。
上杉景勝は、謙信の影に隠れてしまいがちですが、優れた当主だったのだと思います。
実際には愛想がなくて無口な人だったようですが、当主の器を持っていた。
その懐の大きさが、直江兼続を活躍させ、めまぐるしく移り変わる時代の中にあって、
「上杉家」を存続させることができたのではないでしょうか。
加えてここに登場する直江兼続の妻お船の女傑ぶりが心地いいんです。
どんなときでも冷静に対処する兼続も、さすがのお船には敵わないといった感じ。
物語は、上杉家が米沢へ移封されたところで終わってしまいます。
そこからどうやって上杉家が治める新しい米沢を作っていくのか、
ある意味ここからが兼続の本領発揮なのだろうと思わせるのですが……。
作品を通して感じた「痛快さ」は、読後に爽やかな後味を残してくれました。
これをきっかけに、直江兼続関連にハマりそうです。(いやもう、ハマってる気がする……)

2 Comments

Aki_1031  

遅れ馳せながら喰いつかせて頂きます♪
この本、めちゃくちゃ面白かったですー!
私にとっては初・戦国時代本。
カタリーナさんのご推薦がなければ、出会うことができませんでした。
ありがとうございます。

>優れた当主だったのだと思います。
本当に仰るとおりです!
また上手い書き方をしているんですよねー。
秀吉さえ側近に欲しがった兼続に
「この主人でよかった!」と言わせる力量を持った上杉家当主。
来年の天地人、北村景勝公という素晴らしい人材を得たのだから
この本のような“さすがは当主たる器量と貫禄をもった御仁”と
思わせる設定にして欲しいと切に願います。

2008/11/13 (Thu) 23:49 | EDIT | REPLY |   

カタリーナ  

■Akiさん

面白かったと言っていただけて、紹介した甲斐がありました♪
ちょっと現代風すぎるという向きもありますが、
まあそこは童門さんテイストですからね。(苦笑
こちらの上杉主従は本当に爽やかで、まさに青春グラフィティのような感じ。
理想の景勝公は「われ謙信なりせば」の景勝公ですが(小説もめちゃくちゃ面白いです)、
私もこの本が面白かったから興味がぐんと深まったというのもあるので、
エンタメ本としてはオススメではないかと思っております。
来年の北村景勝だけは、期待を裏切らないで欲しい~~~。(懇願
因みにこの本のお船さんは強烈なので、他の本のお船さんはどれも物足りないです。(爆

2008/11/14 (Fri) 01:23 | EDIT | REPLY |   

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