「輪違屋糸里」  浅田次郎 著

輪違屋糸里 下輪違屋糸里 下
(2004/05/27)
浅田 次郎

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読み終わったー!
すいません、これが最初の感想です。(苦笑
この本、もう一体いつから読んでたんだろう。
どうしても読み終われないあの本の正体は、実はこれのことでした……。
そもそもこの本は発刊当時に一度読んでいるのですが、ドラマ化を前に文庫にもなったし、
もう一度読んでみようかなあと手に取りました。
一度読んだ本を再び読み直すなんてこと、私はめったにしません。
もちろん大好きな作品は読み返しますよ。
でも今回は違うんです。読み返すというより、読み直すという感覚。
それは初読時に、読破するのにものすごく時間がかかったからというのと、 
物語に入り込めずに欲求不満が残ったから。
当時はNHK大河の「新選組!」放映中で、その影響かなあと思ってたんですが……。

違った。

「新選組!」の呪縛からある程度解き放たれた今回も、全然進まなかったです。
……一体なぜ?
いろいろ考えてみたんですが、結局誰にも感情移入できないことが、問題なのかな?
端的にいうと、この作品は行動ではなく、口(くち)で動いている」ってことが、
物語をつまらなくしてるんだと思うんですよ。
大和屋焼き討ちの件とか、鴨暗殺とか、解釈は面白いんです。
だけど、それが具体的な行動として描かれるというよりは、
おばちゃんたちの噂話で語られていくので、
読み手としても事件の真ん中に飛び込んでいけない。
そのおばちゃんたちにつかまって、あれこれ話をさせられる永倉新八が、
正義漢なのはいいけれど、やたら饒舌なのも気になります。
しかもおばちゃんたちに事情を説明する役なので、彼のセリフは解説ばかり。
おまけにそれがまた異様に長いので飽きてくる。
また場面ごとに違う人間が出てきて、
事のあらましに絡めて自分の心情を吐露したりするので、
こっちはそのたびに振り回されて、どこかに集中して読むということもできません。
それが結果的に焦点をぼやけさせ、感情移入しにくくさせていたように思います。
タイトルは「輪違屋糸里」ですが、その肝心の糸里も主役になりきれていません。
女性の登場人物でいえば、お梅姐さんの方がはるかに魅力的だし、
全体を通しても、芹沢鴨が柱です。
ただ、この作品における糸里の存在はとても大きいので、
ある意味この作品を象徴している女性ととらえることはできるかもしれません。

鴨暗殺からエンディングへ至る部分は「浅田節炸裂!」といった感じで、
心に染み入る風景がいくつもあります。
これ、もしかすると、ドラマのほうが面白いかもしれないですね。
糸里をきちんと主役に描き、くどい部分を端折ってテンポアップすれば、
女性好みの幕末物に仕上がりそうな気がします。
さてどうなることか。ドラマの放映を楽しみにしてます。

2 Comments

Aki_1031  

カタリーナさん、祝☆読破!!
もう、いちいち頷きながら拝見いたしました~。
読み直そうと思った心意気が素晴らしいです。
でも、インスピレーションって
やっぱりそんなに変化はしないんですよねぇ…。

>物語をつまらなくしてるんだと思うんですよ。
には、ついつい笑ってしまいましたよ!
思い切った爆弾をストレート投下しましたね(笑)。
や、私も激しく同意です。
ここまで感情移入ができない新選組小説も珍しいですよね。
テレビドラマに期待します☆

…で、次は何を読まれる予定ですか?

2007/07/24 (Tue) 11:20 | EDIT | REPLY |   

カタリーナ  

■Akiさん
>思い切った爆弾をストレート投下
あははは……。(汗
だってねえ。せっかく面白い解釈なのに、
何でこんなにつまらないんだろうかと、すっごく残念だったんですよ。
だからこれに限っては、小説よりドラマのほうが面白くなるんじゃ、
と、ひそかに期待しているんですけれども。
次は、お友達から勧められた別ジャンルのものを読むつもりです。

2007/07/25 (Wed) 21:17 | EDIT | REPLY |   

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