フェルゼンのばかっ!

今年のゴールデンウィークも終わりましたね~。
まずまずのお天気でしたが、皆さんいかがお過ごしでしたか?
私はこの連休中、1人「ベルサイユのばら」祭りを開催しておりました。(苦笑
いや一応仕事があったり、お友達と出かけたりはしてたんですけど。

ベルサイユのばら 全5巻セット (集英社文庫(コミック版))ベルサイユのばら 全5巻セット (集英社文庫(コミック版))
(2009/07/21)
池田 理代子

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先日「ベルサイユのばら」がオペラになると知って、無性に原作が読みたくなった私。
手元にあるのは2冊組の愛蔵版ですが、外伝も合わせて、なんと2日で読んじまいました。
30年以上前の作品なのに、ちっとも古くない。
むしろ、読むたびに新しい発見があります。
登場人物が織り成す愛も、彼らが語る理想も、ほとばしる情熱も、抱えた苦しみや悩みも、
すべてが「生きる」ことに繋がっているんですね。
そのことに気づいたとき、時代も環境も違えど、自分の姿を省みずにはいられませんでした。
これを池田理代子さんが20代前半で描かれたことにただただ脱帽するばかり。

さあ、ここまで来たら次は「宝塚」でしょう。
「ベルばら」といえば「宝塚」、「宝塚」といえば「ベルばら」。
しかし、私は宝塚の「ベルばら」が正直苦手でした。
平成版「ベルサイユのばら」といわれる1989~91年の4作品すべてを観ましたが、
どれも私にはしっくりとこなかった。
その華やかさと夢々しさとパステルカラーの嵐に圧倒されつつも、
つい観てしまうのがベルばらの魔力だとは思いますが、
それでも何というか、作品に入り込めない壁がそこにはあったのです。
その原因の1つは……オスカルの造詣。
私の中にこれというオスカルのイメージや理想はありませんでしたが、
宝塚で描かれるオスカルはどうにも違う気がしてならなかった。
オスカルは持っている性は女性ですが、その生き様は男。
男として生きているけれども、ふとした瞬間に女の本能が見える。
そういう人物だと、私は思うんですよ。
というか、オスカル自身が「性別」ってものを意識してないですよね。
でも宝塚のオスカルは、「男のふりをしている女」なんです。
オスカル役は男役さんの役どころですが、軍人のときは凛々しいのに、
アンドレと対したとたん、ものすごく女っぽくなる。
脚本もそうだし、演出家も「オスカルは女だ!」って指導するくらいですから、
そうなってしまうのも当然なんでしょうけど、これは違うと思うんですよね。
オスカルはフェルゼンが女だと見抜けなかったくらいなのだし、
少なくとも甘えた声を出したり、なよっとしなだれかかったり、そんなことはしないはず。
だからアンドレとオスカルのラブシーンなんて見てられないほど恥ずかしいし、
なんであれが名場面なのか不思議で仕方ありませんでした。
演出が歌舞伎だし、その型としての美しさはあるかもしれませんが、
芝居的には「もういい、それでやめてくれっ!」って叫びたいくらいだった。(苦笑
演じてこられた方々は皆さん熱演で、それぞれにこだわりと良いところがありましたが、
私にはどれもオスカルではないというか、魂が感じられなかったんですよね……。

それを覆してくれたのが「ベルサイユのばら2001 オスカルとアンドレ編」でした。
祭り開催中につき、思いっきり衝動買いしたDVDで観たのですが(苦笑)、
ほんと、「観てよかった」と初めて満足したベルばらでした。
いや、これまでに見た宝塚作品の中で、初めて「芝居を観た!」と思ったものかもしれない。
舞台だし、時間的制約もあるし、原作とは別物になっちゃうことは理解できるものの、
脚本は相変わらず「???」な仕上がりで、「そりゃねえよ!」って思うところもあるし、
「わからないところは原作で補ってね♪」っていう不親切極まりない無謀な展開もするし、
全くもって、「何でこうなっちゃうのかなあ」と思わずにいられないのですが、
それでも今回はオスカルの心情が浮き彫りになってたので、まずまずでしょう。
そして「ああ、オスカルってこういう人だった!」と納得させてくれたのが稔幸
ノルさん(稔幸)は確かベルばら恐怖症でいらしたと記憶していますが、
それがまさかオスカルで高評価されることになるとは思いもしなかったでしょうね。
稔オスカルは凛々しくて、理知的で、颯爽として、そしてユーモアがありました。
アンドレに対する「アンドレ」という呼びかけも、幼馴染っぽくてよかったし、
衛兵隊に対する態度にも、上官の強さではなく、暖かさと熱意と説得力が感じられ、
そして何よりふとした瞬間に見せる女の顔が可愛らしい。
そこには過去のオスカル'sのように作られた女っぽさではなく、
「笑うとこの人ってこんなに可愛いんだ」と気づくときの感覚に似た、
本当に自然に湧き出た女の表情やしぐさがありました。
例の赤面もののラブシーンも、思わず見入ってしまうほど。
事実、我に返ったとき、見入っていた自分に驚いたくらいです。(苦笑
ノルさんは小柄ではないし、トップさんでしかもサヨナラ公演という貫禄があるので、
下手すると誰よりも強く、男っぽく見えてしまいそうですが、
それを上手く男装の麗人に見せてくれたのがアンドレの香寿たつき
身分は下だけれども、オスカルを大きく包み込み、静かにだが熱く見守る男が、
しっかりとそこに息づいていました。
結果、稔オスカルと香寿アンドレ2人のバランスが非常に良く、
尚且つ互いに「人間」を感じさせる芝居だったことが、
これまでの「ベルばら」にない、緊迫感ある舞台を作り出していたんだと思います。
だからこそ「芝居を観た」という気持ちになれたんでしょうね。
ツボをあげればキリがない。
イチオシは、やっぱりオスカルのセリフ「フェルゼンのばかっ!」でしょう。
過去の「ベルばら」にもあったセリフだと思いますが、稔オスカルはこれを、
本当に重くも軽くもなく、「むっかつく~」って感じで言っていて、めっちゃ可愛い!!!
あとアンドレの手を思わず握ってしまって、戸惑って手のやり場に困る稔オスカル。
うひゃー、可愛すぎてこっちがモンゼット夫人になりそうだわ。
(↑見た人には意味が分かるでしょう)
だけどこれらが全部自然。
ああ、このオスカルならやるだろうなって、共感を覚えてしまう。
うーん、語り出したら止まらないです、ハイ。
ただ残念だったのは、アントワネットとフェルゼンが割を食ってしまったこと。
しかもアントワネットなんて、オスカルの身を案じるどころか裏切っちゃうし……。
しかし、総じて良い芝居を見せてもらえて本当に満足です。
ヅカから離れて10年以上経ちますが、久しぶりの夢の世界の舞台に、
ちょっと若返った気がしました。(笑
おばさま方の若さの秘訣が「ヅカ観劇」って本当かも。

今しばらく、私の「ベルばら祭り」は続きそうです。

4 Comments

Aki_1031  

きゃーーー!!
カタリーナさんの熱い記事キター!(笑)
お待ち申し上げておりましたよ、その情熱。

私も原作を長い間読んでいないので、既にウロ覚え状態ですが、
せっかくヅカ版ベルばらを拝見する機会に恵まれたので
心して見ようと思ってます!(笑)
何より配役がいいですよね。
>アントワネットとフェルゼンが割を食ってしまった
のは仕方がないとしても(苦笑)。
よくは分かりませんが、確かヅカ版では
オスカルアンドレVer.とアントワネットフェルゼンVer.が
別々に上演されたのではなかったでしたっけ。
アントワネットフェルゼンVer.ではもしかしたら
オスカルアンドレがないがしろなのかもしれませんよね~(笑)。

まずは、稔さんと香寿さんのを堪能したいと思います。
感想待ってて下さいね~。

2007/05/09 (Wed) 13:06 | EDIT | REPLY |   

カタリーナ  

■Akiさん
ふふふっ。でも語り足りませんーーー!(苦笑
仰るように、ヅカばらはその時のトップさんによって、
アンドレが主役でやたらロザリーが出てくる「アンドレ&オスカル編」とか、
フェルゼンが踊りまくってオスカル&アンドレがないがしろな「フェルゼン編」とか、
アントワネットとフェルゼンがいない「オスカル編」とか、
毎回違うVer.で上演されてます。
全く同じ脚本だったことは多分ないと思います。
ただし、回を重ねるごとに改悪されてると言われてますが。(汗
2001年版は、星組さんが「オスカル&アンドレ」で、
宙組さんが「フェルゼン&アントワネット」をやってました。
東西同時上演が目的だったんでしょうけど、星組さんはトップさんの同時退団だったし、
話としてはこっちが「フェルゼン&アントワネット」にふさわしかったはずなんですよねー。
ま、宙さんにはアントワネット役者がいたので仕方なかったんでしょう。
……というのは裏の話。(苦笑
Akiさんにはヅカばら、どう映るでしょうか。
感想待ってま~す♪

2007/05/10 (Thu) 00:24 | EDIT | REPLY |   

jules  

初めまして!

カタリーナさん、Akiさんのところで
呼びかけていただいたので、参上いたしました(笑)。
朝海ひかる(コムちゃん)さんのオスカルは、
宝塚ファンの中では「最もオスカルらしいオスカル」と
絶賛されています。

私のご贔屓は水夏希ですが、悔しいけれど、
コムちゃんのオスカルは、最高でした。
(私は昔、オスカルのイラストを描いて、
池田理代子賞をもらったこともあるので、
ヴィジュアル的には、水のオスカルがぴったりだったんですが、お芝居としてはやはり、
コムちゃんに軍配があがります)

宝塚は何をやっても「愛とロマンス」がテーマなので、
オスカルは「男のふりをしている女」なんですよね。。
でも、ハマってしまったら、私はそんなことは
関係なくなったので(笑)、普通に楽しんでおります。

去年の私的な、ベストアクター(?!)は、やはり
フェルゼンは湖月わたるさん、ジェローデルは
壮一帆さん、アンドレは貴城けいさん、
そして、水のアラン・ド・ソワソンは
最高でした!
すみません、初めて来て、長々と・・・・。
今後とも宝塚ネタではどうぞよろしくお願い致します。

2007/05/26 (Sat) 09:41 | EDIT | REPLY |   

カタリーナ  

■julesさん
ご訪問ありがとうございます!

>朝海ひかる(コムちゃん)さんのオスカルは、
>宝塚ファンの中では「最もオスカルらしいオスカル」と
>絶賛されています。
ええ、ええ! そういった評価は本当にたくさん読みましたよ~。
なので今回どれを選ぶか迷ったんですけれど、
舞台に知ってる人がほとんどいないというのはあまりに寂しかったので、
(知ってるというと、組長さん級になっちゃうんですよねー・笑)
下級生までそれなりに知ってる人がまだ残っていた星組さんを購入しました。
意外やノルオスカルの好評価も目にしてたのと、ダンスが見たかったので……。
ミズさんは顔立ちが劇画そのままですよね。
コムさんは可愛らしさと凛々しさが絶妙な雰囲気で、見てみたいと思いました!

>私は昔、オスカルのイラストを描いて、
>池田理代子賞をもらったこともあるので、
すごい! 是非拝見したいです!!!
イラストをブログやHPで公開されたりはしていらっしゃらないのでしょうか?

>宝塚は何をやっても「愛とロマンス」がテーマなので、
そうですね、確かにそう捉えればなるほどなあという気もいたします。
ハマっちゃえば本当に何も気にならないものなんですよね。
ただ私はこの「ベルばら」だけは、過去の作品、残念ながらだめだったので、
どうしてもあれこれ考えてしまうというか。(苦笑

また生舞台にも出かけたいなあと思いつつあります。
こちらこそ、いろいろご教示いただけたら嬉しいです。
よろしくお願いしますね☆

2007/05/27 (Sun) 00:20 | EDIT | REPLY |   

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