「ロマンス小説の七日間」  三浦しをん 著

三浦しをん。
面白い名前だなあと思った。
下の「を」と「ん」は、50音の最後とその1つ前の音。
その2つを持ち合わせた名前なんて、物凄くインパクトがある。
 しかもどうやら本名のようだ。
ご両親は、どんな思いを込めてこの名をつけたのだろう。
そんなことを考えて、どんな作品を書く人なのかなと、
今回は初めて、「作家の名前に興味を覚えて」の読書だった。
もちろん、三浦しをんさんの名前を見たのは、
これが初めてではなかったのだけれど。

ロマンス小説の七日間 (角川文庫)ロマンス小説の七日間 (角川文庫)
(2003/11)
三浦 しをん

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話は、ロマンス小説の翻訳を仕事としている主人公が、半同棲中の恋人の態度に苛立ち、
その思いから、翻訳中のロマンス小説を改変し、勝手に捏造してしまう……というもの。

原作を離れ、どんどん創作されるストーリー。
現実は小説に、小説は現実に、二つの物語は互いに影響を及ぼし、
やがてとんでもない展開に!


裏表紙のあらすじにはこう書いてある。
なんとも面白そうな設定だし、実際それに興味を引かれて手に取ったのだけれど、
あらすじに謳われているほど、小説と現実がうまい具合にリンクしていない。
深く読めば、細かい関連性が見えてくるのかもしれないが、
一読した限りでは、主人公が、ロマンス小説の主人公である姫に自身を投影し、
勝手に動かしてしまった……程度にしか感じられない。
しかもその捏造がどの程度大変なことなのかも伝わってこない。
どちらかというと、それによって起こるであろうパニックを期待していた私には、
ちょっと肩透かしを食らった感じだった。
もっと掘り下げるには、枚数が足りなかったのかもしれない。
文章はとても読みやすく、心地よいリズム感がある。
主人公が自分の訳したロマンス小説に自らツッコミを入れるあたり、
前の晩に見たドラマの感想を、翌日会社の同僚とあれこれ話す感覚に似ていて、
思わず頷いたり笑ったりしてしまった。
これがもし、ドラマ「タイガー&ドラゴン」並みに、
リアルとロマンス小説をもっとうまくリンクさせていたとしたら、
物凄くワクワクドキドキする1冊になっていたと思う。
例えそれぞれの話がありきたりであるとしても、アイディア勝ちということだ。
残念ながら、この作品はそのアイディアを生かしきれなかった、ということになりそうだ。

2 Comments

藍色  

トラックバックさせていただきました。
ネット環境、早く復帰できるといいですね。
幻色江戸ごよみと合わせて
トラックバックお待ちしています。

2009/07/21 (Tue) 04:44 | REPLY |   

カタリーナ  

■藍色さん

たびたびご訪問ありがとうございます。
来週にはネット復帰できるかと思います。
トラバ&コメント、今しばらくお待ちくださいね。

2009/07/23 (Thu) 12:49 | EDIT | REPLY |   

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