20世紀最高のディーヴァ、去る。

昨夜、先月3日にエリザベート・シュヴァルツコップが亡くなっていたことを知りました。
シュヴァルツコップは、「20世紀最高の歌手」の1人でした。
といっても、シュヴァルツコップが歌手として現役を引退したのが1979年。
残念ながら、その知性溢れる美声を実際に聴くことはできませんでした。
E.シュヴァルツコップ「モーツァルト:オペラアリア集」 
 知的で上品なシュヴァルツコップの当たり役は、
 R.シュトラウスのオペラ「ばらの騎士」の元帥夫人。
 若い恋人を思って身を引く元帥夫人の役は、
 心の機微を巧みに表現するシュヴァルツコップゆえの、
 美しさと哀しさが滲み出て、
 さぞかし素晴らしかっただろうと想像するばかりです。
 (未見ですが、カラヤン指揮のDVDが出ているはず)


シュヴァルツコップはオペラだけでなく、モーツァルトやR.シュトラウス、
H.ヴォルフといった作曲家たちの歌曲も得意としていました。
作品の分析はとても深く、常に完璧さを追求した理知的でかつ情感ある演奏は、
今も数多くのCDで聴くことができます。
そんなシュヴァルツコップは、いろいろな逸話の持ち主でもあります。
誰だったか忘れましたが、あるソプラノ歌手の録音で、
その人には無理だった最高音を、シュヴァルツコップが代わりに入れたとか、
現在活躍し、人気もあるオペラ歌手の中には、
「シュヴァルツコップのレッスンは思い出したくない」と言っている人がいたり、
ドイツ語が話せないままレッスンに行った人が、
「ドイツ語もわからないのにドイツ語の歌が歌えるわけないでしょう。
出直してらっしゃい!」
と、夏期講習初日でクラスから追い出されたとか…。
私には、自他共にとても厳しい、完璧主義の人という印象が強いです。

1915年12月9日ヤロチン(プロイセン/現ポーランド)生まれ。
2006年8月3日オーストリア西部のフォアアルルベルク州シュルンスの自宅で死去。
カラヤンに代表されるクラシック黄金時代が、また1つセピア色になりました。
合掌。


0 Comments

Leave a comment