ベッカムさん。

今日のベッカムのスーパーFKを見た母が、

「ベッカムさんも年取ったね」

と言ってきました。

いかにスポーツに興味のない母でも、ベッカムだけは知っているようです。
それはともかく、ここで問題にしたいのはベッカムが年を取ったことではなく、
「ベッカムさん」という呼び方についてです。
「ベッカムさん」。
何だか違和感を感じるのは私だけでしょうか。

初めは、外国人に「さん」をつけるからおかしいのかとも思いましたが、
「長年葡萄の栽培に携わっているカルノーさんは…」などという遣い方には、
特に違和感も感じませんし、ごく普通に見受けられる文章です。
じゃあなぜ、ベッカムは「ベッカムさん」だとヘンなのか。
ちなみに、サッカーのデヴィット・ベッカムではなく、
市役所に勤めるベッカム氏という人だと思ってみると、
「市役所のベッカムさん」という呼び方が、たちまち馴染んでしまいます。
どうも私たちの中には、有名人に限って呼び捨てにするという習慣が、
出来上がってしまっているため、それに「さん」をつけると妙な感覚になるのかもしれません。

しかし私個人としては、そうした有名人の方々でも、呼び捨てにするのは気が引けます。
親しくもないのに呼び捨てにすることは、常識で考えても失礼ですよね。
広く流布した愛称がある場合や、個人的に呼び方がある場合はよしとして、
そうではないときには困ってしまいます。
文に残すときはなるべく敬称をつけるようにしてみたりしますが、
これがやっぱりどうにもしっくりこない。
口に出して言うとなると、なおさらです。
先日来年のNHK大河ドラマ「風林火山」についての記事を書きましたが、
そこで『井上靖の「風林火山」を探し出さねば』と書きました。
このときも迷ったんです。井上靖さんと書くかどうか。
結局「井上靖」のままにしてしまったんですが、
こちらは「さん」をつけることにものすごく抵抗がありました。
例えば司馬遼太郎なども、「司馬遼太郎さん」というのは落ち着きません。
なぜかわからないけれど、馴れ馴れしくて、逆に失礼なような気がしてしまいます。
そこで「何でだろ~、何でだろ~」とあれこれ考えた挙句、ようやく思い至りました。
有名人の名前は、それ自体が商品名ということなのだと。
「司馬遼太郎」はブランド名であり、
「ベッカム」はサッカー市場における商品ということです。
だから芸名、ペンネームというものをつけて、
本名を名乗る「個」としての自分と、芸名およびペンネームを名乗る「商品」としての自分を、
区別し、生活に境界線を引いているということなんですよね。
こうやって書いてみると「当たり前じゃないかよ」って話なんですが、
私にはちょっと新鮮な感覚だったもので。(苦笑

だからといって、「ベッカムはさ」なんて気安く言うのも失礼な気がしてしまうし、
かといって「ベッカムさん」と言うのもムズガユイ感じがして、
このジレンマからは当分逃れられそうにありません。

6 Comments

びすまる  

なるほど!

確かに「ベッカムさん。」だと面白ーい!!
まるでムーミンあたりに出てくるキャラクター的な(笑)

さん付けの定義もそうですけど、くん付けの定義も難しいんですよね。
たとえば私の場合、俳優の堺雅人さんのことは「堺さん」と呼んでしまうのに、
俳優の筒井道隆さんのことは「筒井くん」と呼んでしまいます(笑)
筒井くんのほうが堺さんより年上なのに!(笑)
とてもじゃないけど、堺くんなんて呼べないし(笑)
俳優さんの持ってるイメージとかがそうさせるのか。。。
ジャ○ーズ系の方となると、年齢に関係なく、くん付けしてしまうのは何故でしょう?!(笑)

2006/06/27 (Tue) 16:53 | EDIT | REPLY |   

miyukichi  

言われてみれば・・・。

 そういえば、そうですね。
 ベッカムにさん付けする人って、初めて聞いたかもしれません(笑)
 (「ベッカム選手」はいるかもしれないけど)

 井上靖や、司馬遼太郎なんかも、たしかに呼び捨てです。
 「井上さん」なんて言ったら、なんか別人みたい^^;;

 でも、偉大といわれる人でも、王さんや長島さんなんかはさん付けだし、若手でも、たとえばフィギュアの荒川さんなんかは、さん付けしちゃってます。
 (文章上だけじゃなく、友達なんかと話すときでもそう)
 かと思ったら、サッカー選手は中田も稲本も中村もみんな呼び捨てだし。

 ほんと、この使い分けって何なんでしょうね!?(笑)

2006/06/27 (Tue) 21:24 | EDIT | REPLY |   

ユナ  

井上さん

 私は井上靖は「氏」を付けてました。「ベッカム」さんねえ。親しみが増す呼び方かもしれませんね。年は取るだろうと思いますが、4年たったし。
 ああいうシュートを決めるとさすが!って思いますね。日本にも居て欲しいベッカムさんみたいな人!やっぱり自分で打って自分で違和感感じます。ベッカム氏だと、すごくいかめしい人みたいだし・・・。難しいですね。

2006/06/27 (Tue) 23:05 | REPLY |   

レッド  

ティーンズの頃は

「近藤さん」「土方さん」
と「さん」付けしておりました。
そしたら父母に
「いまどきの子は、新選組に“さん”を付けて呼ぶんだねえ」
と非常に珍しがられてしまい。自分の中では自然なリスペクトの発露だったんですけど、歴史上の人物があたかも「おともだち」のように響いて、奇妙なんだそうです。
沖田総司は「総ちゃん」、斎藤一は「はじめちゃん」て呼んでました。引き換え、今も昔も山南敬助は「山南さん」、原田左之助は「左之」、藤堂平助は「へーすけ」、伊東甲子太郎は「伊東先生」です。

「土方さん」はいつの間にか「歳三」になっちゃったというのに……。

2006/06/27 (Tue) 23:20 | EDIT | REPLY |   

カタリーナ  

■びすまるさん
ベッカムさん、ムーミンパパのお知り合いとか。(笑
「さん」だけじゃなくて「くん」というのもありますね。
これってやっぱりその方その方の持つ雰囲気もあるでしょうし、
番組内での呼び方がそのまま一般化してることもあるでしょうね。
ジャニーズのみんなが「くん」なのは、やっぱりデビュー時の年齢が低いせいかも?

■miyukichiさん
そうか、言われてみるとそうですね。
今は王さん、長島さんていいますね。
じゃあ、王さんも長島さんて昔から「さん」だったのかしら?
それとも現役時代は「王」「長島」だったんでしょうか?
荒川選手はうちではなぜか「しずちゃん」と勝手に呼んでます。(笑
「さん」付け、「くん」付け、ますますこんがらがってきました。

2006/06/28 (Wed) 00:14 | EDIT | REPLY |   

カタリーナ  

■ユナさん
うちの母は、ベッカムがおじさんになったことがよほどショックだったようです。
4年経てばそりゃあねって思いますけどね。(苦笑
私も文にするときは「氏」を使うこともよくあります。
でも、故人に対してはあんまり遣っていないですね。
なんかやっぱりしっくりこないんでしょうね。
考えれば考えるほどわからなくなってきました。

■レッドさん
私も普通に「近藤さん」「ヘーすけ」と思って呼んできましたけど、
「お友達」のように響くというのもよくわかりますね。
織田信長を「織田さん」とか秀吉を「ひでちゃん」とか言わないですもんね。(笑
でもこれってきっと、自分の中における「親しみの度合い」や、
「その人物に対する感情」によっても変化するんでしょうね。
「土方さん」が「歳三」になってしまったように。
そういえば私も昔は「佐藤浩市」とフルネーム&呼び捨てにしていましたが、
今では浩市さんって言ってますね。
「さん」とか「くん」とか、呼び方って、
こういういい加減な自分の気持ちに因ってるんでしょうか。
だけどベッカムはベッカム以外の呼び方が見つからないような…。

2006/06/28 (Wed) 00:32 | EDIT | REPLY |   

Leave a comment