カルチャーショック

最近、日本人とアメリカ人とか、エジプト人とドイツ人とか、
所謂ハーフの人たちを、今まで通り「ハーフ」と称するのか、
それとも近年浸透しつつある「ダブル」を使うのか、
はたまた「ミックス」という言葉を用いるべきなのかという問題について、
ちょっと考える機会がありました。

ハーフは半分、半人前、ダブルは二重、裏があるなどのネガティヴな意味合いから、
どちらの言葉もそれぞれに敬遠されているらしく、ハーフの方たちの間でも、
名称をめぐって未だ論争が展開中のようです。(ここでは便宜上、ハーフとさせていただきます)
ハーフではない私たち日本人は、「ハーフっていいよねー」なんてよく言いますね。
理由はたいてい、美人だとか、スタイルがいいだとか、英語が話せるだとか、
まあ本当に単純な「羨望」にすぎません。
だけど当人たちは、外見が日本人ぽくないために、
日本人として生きていくことにものすごく苦労されてるんですね。
日本で生まれ育ち、日本語を母国語とし、「日本人」として生きているはずなのに、
そう見てもらえないもどかしさや辛さを、多かれ少なかれ味わっておられるようです。
「それでは一体自分はナニ人なのか?」
彼らは常に己のアイデンティティーを求めて、悩み続けているというのです。

そんなハーフの方々のお話を読んでいて、
ふと成田美名子さんの「Natural」が読みたくなりました。

Natural (8) (花とゆめCOMICS)Natural (8) (花とゆめCOMICS)
(1999/11)
成田 美名子

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成田美名子さんは、私が今でも唯一欠かさず読んでいる漫画家さん。
主人公はペルーから日本人の家庭に養子に入った男の子ですが、
彼は日本で暮らすうちに、子供は働かなくてよくて、学校へ行って勉強ができて、
普通にスポーツができてご飯が食べられるという平和を、
ものすごく客観的にとらえていくんですね。
今読み返してみて、初めて読んだときはいかに何も感じ取れていなかったかわかりました。
頭ではわかったつもりでいたけれど、実際深く感じてはいなかったんです。
そう気づいたのは、今日の帰宅時に2人の女子高校生を見かけたとき。
彼女たちはきれいにお化粧していて、屈託なく笑っていて、
お互いにきれいにマニキュアをした手を見せ合っていました。
その光景に、物凄いカルチャーショックを受けちゃったんですよ。
いいとか悪いとかではなくて、単純に驚いたんですよね。
「日本という国はこんなにも平和なんだ」って。
ハーフの関係で、日本で暮らす外国人のことなんかを読みすぎたせいもあって、
漫画の主人公の中にすっかり入り込んでしまっていたみたい。
地球の裏側では、5歳や6歳の子供が生きるために働いていて、
その反対側では学校帰りにアイスを食べたりできる環境がある。
これ以上ないほどのカルチャーショックを、私は漫画を通して受けてしまいました。

人には物事に感応する時期、タイミングというのがあるものですね。
そのときはわからなくても、後になって見えてくることがある。
歳を取ることも悪くないなって思いました。

10 Comments

miyukichi  

わかるかも。

 こんにちは。

>そのときはわからなくても、後になって見えてくることがある。

 これ、めっちゃ共感します。
 というか、人生そういったことの連続って気がする。
 後から気づいて、悔やんでも悔やみきれないくらい悔やむことも・・・。

 個人的には、最近(ここ半年くらい)、歌を聞いて泣くようになりました。
 これまでは、メロディ主体で聴いてて、歌詞とかあんまし気にしてなかったんですけど。
 昔から知ってるような歌でも、あらためて「ああー、こういうこと歌ってる歌だったのか」って気づことも多々・・・^^;;

 「Natural」読んでみたくなりました。
 今度ひさびさに漫喫行ってこようかな♪
 

2006/06/18 (Sun) 07:52 | EDIT | REPLY |   

ユナ  

成田美名子さんて

 「サイファ」(←つづりが分からないのでカタカナ表記)とか書いてた方でしたっけ・・・?人から借りてだけど読みました。「Natural]は読んだことありませんが。
「サイファ」は双子の話だったので、私自身似てないけど双子だったので興味深く呼んだ記憶があります。懐かしい!きっと今読んだらまた新しい発見があるのでしょうね。機会があったら「Natural」も読んでみたいです。

2006/06/18 (Sun) 12:34 | REPLY |   

びすまる  

共感します

歳月を経て気付くことは本当に多すぎる気がします。
漫画や小説って、同じものでも時間を置いて読み返すと、
全然違う感想を持ってしまいますよね。
いかに当時の自分自身が、今とはまったく違う想いを抱いて生きていたのか気付かされるというか。
私も大好きな本や映画は何度でも見返すんですが、
その時々で、必ず発見があるんですよね。
自分自身にも、作品自身に対しても。
何かを見つけるたびに、必ず、くすぐったくなります。
そして、この作品のことを好きで良かったなあって思うんです(^^)

2006/06/18 (Sun) 15:14 | EDIT | REPLY |   

ちゃな  

たしかに

成田美名子は、私がもっとも影響を受けた漫画家の一人。『エイリアン通り』にはまり、彼女の色使いや絵のセンスにものすごくショックを受けました。彼女は、一時期病気をしてから、大きく絵に変化があったのがちょっと残念。『ナチュラル』は、1巻だけかな?読んだことあるけど、ハーフ、海外から養子などが普通のドイツに住んでいて、ここでも、やはり見た目からドイツ人として見られないひとたちは多くいるので、国境と人種というものが存在する限り偏見はなくならないのではないでしょうか。アメリカやカナダのような移民で構成されている国を除いてね。
日本は本当に平和な国だというのは痛感させられます。

2006/06/18 (Sun) 18:54 | REPLY |   

カタリーナ  

お返事1

■miyukichiさん
ああ、歌もそうですね。
昔はなんとも思わなかった歌に心が動かされることってあります!
後になって、その歌の持つ本当の意味に気づいたり。
人生でも、そのときは精一杯だったはずなのに、
今思い出すと「何であんなだったんだろう」と反省したり、後悔したりしますね。
そう思えるだけ、成長した証なのかもしれませんけど。
「Natural」、ぜひ読んでみてください!

■ユナさん
そうそう、「サイファ」の作者さんです!
私はあれが成田美名子作品との出会いなんですよ!
今でも時々読み返します。
成田さんの作品て、そのときには意味がよくわからないときがあるんですが、
後になって読み返すと「そうだったのか…」ってことがよくあります。
「サイファ」も今読んでも全然古くないので、読み返しもお勧めします!

2006/06/19 (Mon) 20:24 | EDIT | REPLY |   

カタリーナ  

お返事2

■びすまるさん

>この作品のことを好きで良かったなあって思うんです
わかります!
私も読み返して、「何でこれが面白かったんだろう?」と思うことはないですね。
そのとき自分が置かれている状況によって、感じ方も左右されるんでしょうけど、
そのときそのときで、自分にとって大切なことに気づいている気がします。
そこに自分自身の成長が認められたときは、ちょっと嬉しくなりますね。

■ちゃなさん
私は「サイファ」から入ったので、実は「エイリアン通り」を読んだことがないの。
漫画家さんて皆さんそうだと思うんだけど、
一度は絵がガラッと変わるよね。
それが同一作品中の出来事だとかなりショック。
ハーフや養子の人たちも大変だけど、日本人の両親の元で日本人として生まれ、
でもドイツ生まれのドイツ育ちで、日本にも2~3回しか行った事のない人は、
ドイツにいても外国人、日本にいても外国人という感覚で、
もしかすると悩みはハーフの人たちよりも複雑かもしれないと、
ちょっと考えていたところ。
こう考えると「○○人」っていう括りは、ただ「国籍」として残るだけで、
いずれ意味がなくなるのかもしれないよね。

2006/06/19 (Mon) 20:41 | EDIT | REPLY |   

miyukichi  

買いましたよ~♪

 とりあえず文庫版で1巻だけまず購入して、読んでみました。
 イイですね、これ!
 なんかじんわりくるところもあって、知らないうちに涙ジュワ~ンなとこもあったりして。。。

 さっそく残り4巻(文庫は全5巻みたいです)、追加注文しました^^
 明日届くので、読み終えたらブログでレビュー書こうと思ってます♪

2006/06/22 (Thu) 02:55 | EDIT | REPLY |   

カタリーナ  

■miyukichiさん
早速読まれたんですね!
いいですよね、この作品。いっぱい学ぶところがあります。
そうか、もう文庫になってるんですね~。
ということは、それだけ前の作品でもあるということか…。
成田さんは連載のペースがゆっくりなのですが、
その分作品に深みがあるのかなあと思っています。
miyukichiさんのレビューを楽しみにしてます!

2006/06/22 (Thu) 23:54 | EDIT | REPLY |   

Nikolaus  

テーマに関連したウェブサイト

はじめまして!少し前の記事ですが、コメント書かせて頂きます。

自分はDie Kreuzungsstelle(http://www.kreuzungsstelle.com/ )というウェブサイトを運営している者です。

当サイトは、カタリーナさんの記事にある「ハーフ(ミックスetc.)」と呼ばれる立場にある人々の声を発信しているウェブサイトです。

関心を持って頂ければと思いご紹介にあがりました。記事にあるような内容が多く盛り込まれていますので、よかったらご覧下さい。

2006/07/26 (Wed) 05:29 | EDIT | REPLY |   

カタリーナ  

■Nikolausさん
初めまして。ご紹介、ありがとうございます。
貴サイトは以前より拝見させていただいておりました。
まさかこんな辺境のブログを発見していただくとは、思いもよりませんでした。
今回はハーフやダブルに関して書こうと思っての記事ではありませんでしたが、
今後も機会あるごとに、意識していきたいテーマです。

2006/07/26 (Wed) 23:19 | EDIT | REPLY |   

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  •  NATURAL
  •  成田美名子 ・作 『NATURAL』。  主人公は、地球の反対側、ペルーからやって来た少年、ミゲール。 訳あって、9歳でリコ(当時中学生)の家庭に引き取られ、養子となる。 物語は、高1になったミゲールを中心に進行する。 ミゲールとは、 聖書に出てくる天使(ミカ
  • 2006.06.24 (Sat) 18:40 | miyukichin' mu*me*mo*