岡崎朋美選手の悔しさ

スポーツは、その競技そのものの面白さもありますが、
競技に臨む選手が見せる姿勢に感動することが多々あります。

スピードスケート(500m)のメダル候補といわれた岡崎朋美選手は、
悔しさの残る「4位」という結果に終わりました。
トリノ入りしてすぐに風邪をひき、開会式の参加は無理と見るむきもある中、
当日はオリンピック日本選手団の主将として、彼女は会場で笑顔を振りまいていました。
その様子にホッとした人も多かったはず。
「風邪をひいていなければ出席した。それを風邪だからと行かないのは自分勝手」と、
微熱の続く体を案じつつの参加だったといいます。
彼女がわずか100分の5秒差でメダルを逃したとき、
「もしも開会式に出ずに体調を重視していたら…」と、誰もが想像したでしょう。
だけど岡崎選手はそれを「言い訳」と言い切り、風邪だろうとなんだろうと、
「今日という日は戻ってこない」という覚悟で試合に臨んだと、ある新聞は伝えました。

アテネオリンピックのときにも感じましたが、このところのオリンピックの報道は、
メダルに対して異常なほどの期待をかけていないでしょうか。
何人ものメダル候補が特集され、まるで確実にメダルが取れるかのような、
過剰な宣伝文句を次々に流してきます。
それによって、国民だけでなく、選手までもが惑わされていやしないかと思うのです。
新聞に日本選手の「慢心」と書かれてしまうのも、当たらずとも遠からずではないかと。
だからこそ、岡崎選手の「悔しいです」という言葉が身に沁みます。
本当に、本当に悔しかっただろうなと、一緒にため息が出ました。
でも、精一杯力を出し切っての「悔しさ」に、「後悔」は微塵も感じませんでした。
オリンピックは結果がすべてと言う人もいます。私はそれを否定はしません。
けれど、その裏に隠された「見えない姿」の方が、私には大切だったりします。
そこから引き出されるメッセージは、競技の結果以上のものを伝えてくれるからです。

「今日という日は戻ってこない」
私も何かに臨むとき、これを忘れちゃいけないと、心に書き留めておきます。

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