新選組血風録 司馬遼太郎著

15の短編が収められており、隊士個人のエピソードが中心です。

新選組血風録 (角川文庫)新選組血風録 (角川文庫)
(2003/11)
司馬 遼太郎

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時系列がバラバラなので、大河を見る前に読んでいたら、きっと混乱してしまったことでしょう。
さて、読み進めていて一番感じたのが「創作の面白さ」です。
昨年楽しんでいた大河は随分と批判されていましたから、
それじゃあ他の作品はどうなんだろうかと思って読み始めたわけですが、
「新選組」という1つの題材を描くにあたって、これだけ違う空気が生まれることに、
ちょっと感動を覚えてしまいました。
これこそ創作の面白さではないでしょうか!?
10人の作家がいたら10の違う作品ができるのは当然なのですが、
今回ほどその違いの面白さを強烈に感じたことはありません。

新選組といっても、内は雑多な浪士の集まり。
様々な素性と目的を持った者が寄っているに過ぎません。
そんな彼らをまとめていくということは、
おそらく一国一城の主よりも大変だったんじゃないかと思います。
「血風録」には、そんな団体の持つ情熱と厳しさと胡散臭さと危うさとが、
大きなエネルギーとなって混乱の世に爆発したかのような印象がありました。
このギラギラとした殺気が、巷における恐怖を生み出していたんでしょうね。
混乱の世でなければ名が出ることもなかったであろう隊士たちの逸話一つ一つに、
命の重さが感じられた1冊でした。

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