ある日どこかで

久しぶりに古い映画を見ました。
1980年公開のハリウッド映画「ある日どこかで」
「スーパーマン」直後のクリストファー・リーヴと、
私にとっては「ドクター・クイン」のイメージが強いジェーン・シーモアの共演作品です。

ある日どこかで

見ようと思ったきっかけは、かつて天海祐希さんが宝塚に在団中、
この作品が大好きでどうしても演じたくて、退団直前に版権が取れて実現したという話を思い出し、
ふと元の映画(原作は小説)を見てみたくなったからでした。
カテゴリーとしては、タイムトラベルものと大恋愛ものが組み合わさったファンタジーです。

あらすじは簡単で、ある男が写真で一目惚れした昔の女優に逢いたくて過去へ飛び、
そこで実際に彼女と恋に落ちて、でも彼の不注意で現代へ引き戻される……というもの。
映像とストーリーは美しいのですが、1本の映画としては深みに欠けるように思いました。
クリストファー・リーヴ演じるリチャードが、
過去の大女優エリーズ(シーモア)に一目惚れするのはいいとして、
過去で出会ったエリーズもリチャードに恋するという流れが弱い。
彼女が「運命の人を待っていた」というセリフ上の伏線はあるのですが、
それがリチャードだと納得させるだけのものが伝わってこないんですよね。
そもそもリチャードが強引すぎて、私がかなり引いてしまったというのもあるかな(苦笑)。
まあ本人はエリーズ一筋だし未来を知っている強みもあるんですけど、
とにかくストーカー以上の執拗さと強引さを持って、リチャードはエリーズに迫ります。
マネージャーじゃなくてもつまみ出したくなるくらい、本当に非常識極まりない。
なので、エリーズ自身までもが、
見ず知らずの男にストーカーのように追いかけられ迫られて、
どうしてこれが運命の人だと信じることができるのか、
なぜここまで恋することができるのか、
「恋とはそういうものだ」としても、私的には「ええええ……」という展開でした。
こう言ってしまうと身もふたもないというか、映画として終わってしまうんですけどね(苦笑)。
しかしそこをカバーしているのが映像美です。
現代パートはザラつきのあるコダックのフィルムで、
過去パートは淡い美しさを出す富士フィルムで撮影したそうですが、
それが本当に効果的で、過去パートの時代感と儚さ、夢々しさが際立っていました。
「これぞフィルム撮影!」という醍醐味が感じられるのは特筆すべき点だと思います。
あとジェーン・シーモアの女優っぷりが本当に美しい。
華やかさ、若々しさ、生命力、凛とした佇まい、女性特有の儚さ。
リチャードが強引に迫るのも、マネージャーが執着するのもわかる。
こんな美しい人、手放したくないだろうなと思います。

タイムトラベルものとしての設定はかなりゆるいです。
時代を遡る方法は暗示と気合と根性ですし(笑)、
戻されたのは「過去の時代に未来のものを持ち込んでいた」から。
でもそれなら、未来のものを持っている時点で過去に飛べないんじゃないですかね?
映画はヒットしなかったものの、後年コアなファンが増えて、
カルト映画になったそうですが、それはわかる気がします。
狂おしく切ない恋が描かれた、
ロマンチックで美しい映画
であることは間違いないですから。

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