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『マリー・アントワネットの嘘』 惣領冬実/塚田有那 著 

つい先日までやっていた「マリー・アントワネット展」に合わせるように発刊された、
惣領冬実さんの「マリー・アントワネットの嘘」。
タイトルからてっきり、
マリー・アントワネットにまつわる「噂」「逸話」の真実を明らかにするもの、と思ったのですが、
よく考えたら惣領冬実さんは漫画家であって歴史家ではないということに思い至りました。



本作中では、もちろんマリー・アントワネットに関する誤ったイメージを正そうとする章もあるのですが、
それよりは惣領冬実さんが漫画「マリー・アントワネット」を描くにあたり、
ヴェルサイユ宮殿の監修を受け、いかに真実に近いマリー・アントワネットをあぶり出すか……
という、歴史マンガを製作するに当たっての心がまえとか、製作過程を記録したドキュメンタリーでした。
昨年の大河「真田丸」で時代考証の丸島和洋先生が懇切丁寧に解説をしてくださったこともあり、
マンガのための資料を集めていくうちに見つけた「噂と史料の狭間」を覗き込めるんじゃないかなんて、
何となくあんな感じの展開を期待してしまったのですが、それは私の完全なる思い違いでしたね……。

マリー・アントワネットの「嘘」に関する章は、約40ページほど。
全体の4分の1の量にしか過ぎません。
ヴェルサイユの庭園にある離宮プチ・トリアノンは、
マリー・アントワネットがお気に入りだけを招いて享楽にふけった場所という印象が強いですが、
すべてが「劇場の舞台」であり、一種の役割を演じ駆け引きせねばならない宮殿内と違い、
実は国王と子どもたち、家族のみで過ごすことのできる、
完全に家族のためのプライベート空間であったという事実が書かれていました。
それは私には新しい発見だったのですが、いかんせんどの書籍から引いているのかがわからないんです。
またスウェーデン貴族フェルセン伯爵との恋も、それが「どこまでか?」という疑問を呈しつつも、
それに対する事実というよりは惣領冬実さんの推測が述べられているのみ。
ひとつの根拠として、頑丈なコルセットと荘厳なドレスを身に着けていたマリー・アントワネットが、
たやすくフェルセンと密会し、情事に到れるかという点を挙げていらっしゃいますが、
確かマリー・アントワネットは普段、
もっと簡素なゆるいドレスを着ていたこともあると読んだことがあります。
そんな姿で恋人に会うかどうかさておき、推測の拠り所としては弱い気がします。
中にはきちんと書籍の引用が書かれているものもあるのですが、事実を明るみに出すというよりも、
どちらかというと、漫画を描くために底本とした書籍を読み、どう理解して作劇したかという、
作家の思考回路をたどったものととらえたほうが良さそうです。
少なくとも歴史の真実を史料に拠って暴くというような内容ではありませんでした。

残りの4分の3は、漫画「マリー・アントワネット」がいかに出来上がったかというお話。
ヴェルサイユ宮殿からの依頼で漫画を描くことになったことや、
歴史を扱うとき姿勢などが語られています。
「歴史は勝者によって語られる」
「善か悪かは後世の人間が決めるもので、その場に生きている人間には関係ない」
「残虐で愚かな行為も、正当化も批判もせず、そこに至った動機と事実だけを描きたい」
といったあたりは、とても誠実に歴史と向き合っておられる姿が見えて好感度UPです。
結局、この本はタイトルがちょっと煽りすぎと思わざるをえません。
マリー・アントワネットのことが知りたい人ではなく、
惣領冬実さんのファンの方や、「チェーザレ」の連載を心待ちにしている方にとって、
一読の価値ある一冊ではないかと思いました。
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