夢の輪

赤い1冊のスケッチブック。
アーティストからアーティストへ手渡しで回されて、それぞれが思い思いに絵を描いていきました。
最後のページにたどり着くまで4年半。
15の都市の71名の作家たちによる絵が、この赤いスケッチブックに収められています。
リレーのように世界を旅し、人を結び、絵を結びつけたスケッチブックは、
「一冊のスケッチブックで好きなアーティストとつながりたい」
という、堤大介さんと仲間のアソビゴコロでスタートしました。
完成したスケッチブックはブリュッセルでオークションにかけられ、76,000ユーロで落札されたとか。
これでラオスに図書館を建て、現地の作家の絵本を出版するそうです。
「アソビ」だから、経費は全部本人持ち。
堤さんの「仕事だけじゃダメ。お金目当てじゃない何か、アソビが必要」という言葉に、
私もとても共感します。
ピクサーのイラストレーターで、「トイストーリー3」の美術監督を務めた堤さんが、
そんなスケッチトラベルをアニメで表現しているのがこちら。
なかなか味わい深いアニメです。



絵って、そもそもいろんな夢を与えてくれると思うんですけど、
こんなふうに71人もの著名なアーティストたちが「アソビゴコロ」で絵を描き、
「じゃあ次よろしく」って感じで次の人に回していったんだと思うと、
ただ著名な作品を集めただけの本とはまるで違う、温かさを感じます。
初めはただのスケッチブックだったのに、途中で心配になった誰かが専用の木箱を作り、
ページが進むにつれスケッチブックの扱いも慎重になり、
歴代のアーティストの作品にプレッシャーを受け……。
仕事じゃないから、お金が絡まないから、
純粋な気持ちだけがそこに残って夢の輪が広がっていく。
ワクワクするし、とても素敵なプロジェクトだなって思います。

SketchtravelのHPはこちら
堤さんと糸井重里さんの対談がこちら
最終ページを飾った宮崎駿監督を訪ねたドキュメントがこちら

ドキュメント映像は、フランスの映画制作会社のものでしょうか?
私は宮崎駿監督を訪ねるというドキュメント本来のテーマよりも、
外国人が描く日本の風景が面白いと思いました。
どの映像を使うかってこともですが、カメラアングルとか視点も、日本とは随分違うように感じます。
実物を手にとって見れたら、どんなに楽しいだろうなあと思わされた1冊でした。

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