新選組! 第47回

「再会」

今日を含めてのラスト3回は、第1回からずっと見てきた人にしか味わえない、
「痛み」がたくさん出てくるのかもしれないと思いました。

伝通院で並んで話しているおみつさんと近藤さん。
「(総司も)連れてってやろうぜ」と言う左之助。
宴席で、相変わらず言葉を述べさせてもらえない小島さん。
クセが直っていないと土方さんに稽古をつける総司。

どれもこれも、どこかで見たことのあるシーン。
台詞も、舞台も変わっていない。それどころか同じなのに。
…同じなのに、状況がまるで違う。
近藤さんの台詞の通り、もうあの頃には戻れないんだ、
あの頃から見ると、ずっとずっと遠いところへ来てしまったんだと、
過去にリンクするシーンを見ているだけで、泣けてきました。
多摩時代は、私にとってはたった10ヶ月くらい前の話なのに、
新選組と同じく5年も6年も前の、ずっと昔のことに思えてしまいます。

今日のポイントは2つ。
まず、沖田姉弟の会話です。
死を覚悟している人に対しては、どんな言葉も通用しないのですね。
どんなに心をこめた言葉でも、すべて空回りしてしまう。
「偉そうに血なんか吐いちゃって」
昔と変わらず口悪くなってしまうおみつ姉さんも、
心の中では「死んだらダメ! 死んだら嫌!」と叫んでいるのが聞こえます。
弟を励ましているつもりで、実は自分を奮い立たせているようにも見えます。
そして土方さんとお琴さん。
新選組の悪評を、まさかお琴さんから聞かされるとは!
その悪評を、もしも他の誰かから聞いていたなら、
土方さんもあそこまで落ち込まなかっただろうし、
それなりに反論もできたんだろうなと思うのです。
それがよりによってお琴さん。
歳三さま、歳三さまと、慕い続けていたお琴さんがあんなことを言うとは、
土方さんにとっては不意打ちにも等しかったでしょうね。
お琴さんは愛しさ余って憎さ…な部分もあったと思いますが、
土方さんのショックは半端じゃなかった模様で。
反論できずにお琴さんの言葉をストレートに受け止めざるを得なかったことが、
「かっちゃん、俺たちにとって、京の5年は一体何だったんだ」と、
考え込む原因になったのだと、やはりあのシーンは印象的でした。

そのほか、近藤さんと容保さまの会見など、良いシーンはいろいろあるものの、
やっぱり今回はどうしても腑に落ちないことがありました。
なぜ勝先生は、新選組を甲府へやったのか。
なぜ永倉さんと左之助が抜けたのか。
それらは史実を読めばわかります。でも、ドラマとしては納得がいかなかった。
これだけ人間の心の襞を、気持ちのもつれを熱く(厚く)描いてきたドラマなのに、
こういう点で何かが抜け落ちてしまうのは、とても残念なのです。
戦闘シーンはこの際どうでもいいです。(勝沼、鳥羽伏見と同じセットか?)
もうちょっとなんとかしてと思わなくもないけれど、
これは人間のドラマなんだと思っているから、それならそれで、
そこのところをきちんと押えて欲しかった。
永倉さんに関しては、前の建白書の回も今ひとつ曖昧な扱いだったことを思うと、
せっかく確立した味のある人物だっただけに、唐突感だけが残って残念です。

いよいよ残すところあと2回。心静かに臨みたいと思います。

3 Comments

ちいろば  

タイトルなし

お初にお目に(?)かかります。ちいろばと申します。

永倉さんの離脱は、ちょっと曖昧だったかなという点は同感です。せっかく「近藤さん、あなたは変わった」という通り油小路以降、近藤の変化は顕著だったんですから、永倉やほかの隊士目線でこの変化がどう映っていたのか描いてほしかったです。永倉さん、ここ最近の回では、隊や近藤に対して心情を出さず、「承知」しか言ってなかったような覚えが・・・

佐之助の離脱ははっきりと理由は述べられていませんでしたけれど、それで私は納得です。このドラマの彼の性格ならば、あえて明確な理由をつけず「この辺でもういいんじゃねえか?」で離脱でふさわしいと思っています。山本太郎さんの演技もよかったです。

勝海舟が新選組を甲府に行かせたのは、管理人さんと逆に私は納得です。甲府に行かせるかどうかではなくて、江戸以外ならどこでもよいと勝は思っていたのではないかと。前回、「あの者たちに時代の流れをとめることなど出来はしない」といっていましたから、この時点では勝はあえて時代の流れに逆らってまで薩長を迎え撃とうとは考えておらず、徳川の世が終わるならば名誉ある幕引きを考えていたのではないでしょうか。江戸で迎え撃つなど論外。徹底抗戦を主張する新選組は、勝の構想にとっては邪魔なだけ。おまけに、反薩長の代名詞的存在。どうせ体よく江戸から厄介払いをするのならば、歴然とした戦力差のあるなかで敗戦必定の甲府にやれば隊ごと消滅し、表立って薩長勢力に反抗しようとする勢力は徳川方から消える。そうなれば恭順の姿勢に偽りがないことを示せるし、有利にその後の交渉を進められる・・・と踏んでの甲府行きと思います。

せりふ等うろ覚えの箇所もあり、的外れな点もあるかと思いますが、大変長くなり失礼しました。

2004/11/29 (Mon) 20:47 | EDIT | REPLY |   

Yuseum  

タイトルなし

初めまして。TBもさせていただきました。
確かに、このラスト3回は最初から見てきたものじゃないと、わからない部分があるかもしれませんね。
思えば、久しぶりに大河ドラマを最初から見てきました。「北条時宗」以来かな(^^ゞ

2004/11/29 (Mon) 21:07 | EDIT | REPLY |   

Katharina  

タイトルなし

■Yuseumさま
はじめまして。トラバとコメントありがとうございます。
私にとっては、49話全てを見る大河は「新選組!」が初めてです。
これまでは、長くても夏ごろには挫折してました~。

■ちいろばさま
はじめまして。コメントをありがとうございました。
新選組を甲府に行かせた点に関しては、ちいろばさまのおっしゃるとおりだと思います。
それは勝先生の台詞からも見えてくることではあるのですが、
それでもやっぱり腑に落ちない、すっきりしないというのが私の個人的な感想でした。
それはたぶん、なぜ江戸で戦をされると困るのか、という切迫感(?)が伝わってこなかったからかなと思うのです。
というよりも、そもそも戦をしていて負けが込んでいるという印象が非常に薄い。
だからこそ、新選組を追い払いたかったという考えに、説得力が欠けてしまったように感じました。
確実に時代は大きく動いていて、鉄砲の時代になっていることも見えているし、
幕府が倒れて薩長の時代になりつつあることも見えています。
じっくり考えればわかってくる面もあるのですが、
ドラマを初見した際には、記事のような感想を持ちました。
ちいろばさまのコメントを見て、またいろいろ考えを整理させてもいただきました。
ありがとうございました。また是非お寄りくださいね。

1970/01/01 (Thu) 09:00 | EDIT | REPLY |   

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  • 1970.01.01 (Thu) 09:00 | ミステリ通信「みすみす」blog