「幕末銃姫伝」 藤本ひとみ 著

藤本ひとみさんといえば欧州モノというか、フランス史関連の小説の人ですが、
本屋に行ったら「天狗の剣―幕末京都守護職始末」という新作が積まれていて、
「藤本さんまでもが幕末モノを……それも会津……!」と思うと同時に、
「なんでー?」という疑問もフツフツと。

図書館にあった昨年発刊の別作品を読んでみて謎が解けました!
ナポレオンを調べておられて幕末に入られたんですね、きっと。


幕末銃姫伝―京の風 会津の花幕末銃姫伝―京の風 会津の花
(2010/05)
藤本 ひとみ

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ということで、山本覚馬、・八重子兄妹の物語なのですが、覚馬が江戸から会津に戻り、
松平容保公が京都守護職に任命されて鶴ヶ城落城までの約12年ほどを語っています。
私は幕末モノはもともとあまり読んでいないんですが、
思い返したら会津藩を描いた作品はこれが初めてだったことに気づきました。
その点、会津から幕末を見るというのは私にとっては結構新鮮ではありました。
……でもなあ。
うーん。
「でもなあ」って感じなんですよね。
何というか、全体に浅い。
いろんな幕末の人物が登場しますが、かなりの確率で尻切れトンボになってますし、
「幕末銃姫伝」というタイトルのわりには山本八重子が銃姫じゃない。
もちろん女の身で銃砲の術を身につけ、籠城して戦う傑女には描かれてますが、
例えば「のぼうの城」の甲斐姫ほど爽快な活躍をするわけでもないです。
どちらかといえば兄の覚馬の方に重点が置かれている感じもあり、
私としてはむしろそちらの方が興味惹かれる内容でしたが、
こちらは薩摩に捕らわれてしまって途中から登場しなくなってしまいます。
流れ的には、兄の遺志を継いで妹が戦う図なんですけど、
結局のところ、全体的にアンバランスな構成になってしまったように思いました。
八重子と山川大蔵の淡い恋も、八重子の傑女ぶりとのギャップを見せてはいるものの、
今回ばかりはイライラの要素だったりして、入り込めないままに終わってしまいました。
あと、結局ナポレオンが全く生かされていなかったことに私はガッカリ!
いかに史実が前提とはいえ、ナポレオンを研究した藤本さんならではの展開が読みたかったよ。
あー、私の不満はこれが原因かもしれません。

最終的に印象に残ったのは、勝海舟が将軍徳川慶喜を評して言った、
「あいつは狸の家系だから」という一言でした。
家系という風にとらえたことがなかったので、座布団一枚!
えっと……これでいいのかしらん。(汗

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