生き車海老のおどり焼き

近所の居酒屋で、友人と飲みました。
その彼女が、「生き車海老のおどり焼き」を注文。
私たちは、熱々の鉄板の上に、生き車海老が乗せられてくるものと思っていました。
しかし、しかーし!
なんと運ばれてきたのは鉄板と、生き車海老の入ったお皿!
「海老が跳ねますので、箸で抑えて焼いてくださいね」
簡単に言って、店員さんはにっこりスマイルを残して去っていきました。
ええええーーーーー! 焼いてくれないんですか(泣

車海老、動いてる…。ピクピク痙攣してる…。
「自分でするの?」
友人は確認の言葉を発し、おもむろに玉ねぎを取りました。
私も彼女に習って玉ねぎを焼きはじめました。
二人、逃げにかかってます。
つかの間、海老を避けるように話し込んでいたのですが、
ふと目の前の動く海老に目を留めた友人が一言。
「ねえ、このままって苦しいよね」
「確かに半殺し状態ではある…」
「早く焼いちゃったほうが楽になるよね…」
私たちは無言で頷きあい、生焼けの玉ねぎを取り出し、勇気を振り絞って海老を鉄板へ!
あうあう、海老が動いてるよ。熱くてもがいてるよ(号泣
私たちは必死に海老を押さえつけ、早く焼けろと念を送ります。
しかし火力が弱いのか、焼け方が遅い。
「どうしてこう、もっと一気にジュッと焼けないの?
これじゃあもっと苦しいじゃない」
そう言って友人は、ひっくり返したり押さえつけたり、
海老であることを忘れようと、物を焼く作業に専念。
そうすること数分。
「死んだ? 死んだみたいだよね」
あまりにストレートに確認してくる友人に、思わずこの料理を注文したことを後悔。
人間はなんて残酷な生き物なんでしょう…。

何とか焼きあがり、ようやく口へ入れる段階になりました。
「こんなの食べたって言ったら、おばあちゃんに怒られそう」
友人も、ちょっぴり後悔するような口調です。
ああ、本当にこんな野蛮な食べ方してごめんなさい。夢で襲わないでね(涙
お肉も魚も食べていることには変わりないけれど、
おどり焼きやら、おどり食いは二度と頼みません。
そう、私は心の中でつぶやきました。
と、友人が一言。
「ん! おいしー!」
人間て、まったく……。

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