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いろいろなことを、気の向くままに。   
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月組「スカーレット・ピンパーネル」 

2年ぶりの宝塚です。
月組さんの「スカーレット・ピンパーネル」を観てきました。
2年前に上演した星組さんの舞台が素晴らしかったので、再演するならもう1度と思っていました。
私、実は1つの作品をリピートしたことがありません。
1作品1回限り。
役者が変わって別なカンパニーになっても、再演を観に行ったことが今までに1度もないんです。
そういう意味で、今回は初演に続いて再演を観るという初体験。
そしてそれはとても新鮮でした。
役者が変わるとこんなにも違う作品になるのか、と。

物語は簡単です。
フランス革命期、王太子ルイ・シャルルを初め、
罪なくギロチンにかけられていくフランスの貴族たちを救うべく、
イギリスからフランスへ乗り込んでいくイギリス貴族のパーシー。
そのパーシーの行動を阻止すべく行動するフランス公安委員のショーヴラン。
パーシーの妻であり、ショーヴランのかつての恋人だったマルグリット。
この3人がメインとなって、王太子救出劇を描いていきます。
いわゆる「冒険活劇」の部類に入るでしょう。

月組さんの舞台は、まさしくその「冒険活劇」だったと思います。
貴族の子息でお坊ちゃま育ちのパーシー。
彼にとってフランス貴族を救うことは彼の信じる「正義」であり、
それに正面から挑んでいきます。
彼の妻となったマルグリットは、負けん気の強いところはあるものの、
パーシーに比べてやはり幼い。
その強さと幼さが、お坊ちゃまのパーシーには惚れる部分だった気がします。
マルグリットはパーシーへの憧れが「恋」になった感じ。
対して、ショーヴランとマルグリットは本気で愛しあった仲だと思います。
別れた今も、お互いにまだその頃の事を思い出して、
胸を熱くすることがあるんじゃないでしょうか。
ショーヴランの「愛したことはないというのか?」という問いに、
マルグリットは「ないわ」と答えますが、あれは過去を断ち切るための決意だったと思います。
「あの日々を忘れなくては!」というマルグリットの思いが、彼女の態度を冷たくする。
そのことにショーヴランは多分気づくんじゃないかな。
だから直後の自嘲が切なく響きます。
しかしパワーバランスを見ると、月組の舞台はパーシーの比重が圧倒的に大きいので、
それゆえに一貫して「冒険活劇」として話が進んでおり、最後の殺陣が自然でした。

思い返して星組さんの舞台は、「愛憎劇」だったと思います。
貴族の子息ではあるけれど、酸いも甘いも噛み分けたパーシー。
彼にとってフランス貴族の救出は、「正義」でありながら「ゲーム」でもあったように思います。
「スカーレット・ピンパーネル」として動くことで、フランスもイギリスも翻弄する。
それは男として味わえる、一種の醍醐味だったのではないでしょうか。
マルグリットに惹かれたのは、やはり彼女の気の強さと華やかさでしょうが、
彼女の大きさに安らぎを求めていたんじゃないかと思います。
星組のパーシーは人をおちょくった感じがあるのですが、
あれは彼の弱さを隠してるんだと思うんですよね。
マルグリットのほうは、大人の男への憧れが「愛」になったのでしょうね。
このマルグリットには深い母性が感じられました。
そうとらえると、こちらのマルグリットとショーヴランの愛は、
革命ゆえの熱に浮かされた結果だったんじゃないかと思います。
多分、ショーヴランの片思い。
当然、恋敵パーシーに対するショーヴランの態度も棘のあるものになる。
同様に「愛したことはないというのか?」という問いと「ないわ」の会話がありますが、
星組ではまるで意味が違います。
マルグリットは、「ショーヴランとの仲は、あれは愛ではなかった」と気づいているんです。
それは彼女がパーシーと出会って大人へと変わったから。
でもショーヴランは当時とまったく変わっていないので、2人の間の溝が胸に痛い。
星組の舞台はこの3人が同格で相対していたので、「愛憎劇」の色合いが濃くなりました。
その結果、最後の殺陣が納得いかないものになってしまったんですね。

この作品はとにかく楽曲が素晴らしい!
どのナンバーも覚えやすいし、メロディーラインも甘く切ない。
それだけでも充分に観に行く価値がある作品だと思います。
あと、宝塚だからこそのヴィジュアルの美しさ。(笑
ストーリーに突っ込もうと思えばいくらでも突っ込めるんですが、
それが野暮だと思えちゃうんですよね。
今回の月組さんの舞台も大いに楽しませていただきました。
カンパニーが違うと同じ作品でもここまで違うって本当に面白い。
安易に再演されると価値が薄れるので嫌なのですが、次の上演が待ち遠しくなっちゃいました。
そしてどんどんチケットが取れなくなっていく予感……。

*星組を観たときの感想はこちら
[ 2010/07/01 01:42 ] 宝塚歌劇団 | TB(0) | CM(8)
こんばんは。

お待ちしてました!

単なる好みの領域を超えての
星組との違い・・深いですね~~。

>この作品はとにかく楽曲が素晴らしい!
CDで音だけを聞いてても、よくも良くも揃って良い曲で


>安易に再演されると価値が薄れるので嫌なのですが、次の
>上演が待ち遠しくなっちゃいました。

ワタシも・・

そんなに遠くないような気も?

しないでもないですが(笑








[ 2010/07/01 19:50 ] [ 編集 ]
星組のDVDをリピしすぎたので入り込めるか若干心配でしたが、
そんなのは全くの杞憂でした。
違和感を感じることもほとんどなく、それどころか展開をしっかり理解していたので、
逆に余裕を持ってあれこれ観察することができました。(笑
ここまで違う色になるんだなあと、とっても面白かった!
私はどっちのパターンもありだと思いました。
ただあの殺陣の展開にだけ、もうちょっと深みが欲しい。(汗

再々演、また2年後くらいにありそうでしょうか?
どうやったらチケットが確保できるのか……。
一度でいいので1階前方で見てみたいです。
[ 2010/07/02 21:41 ] [ 編集 ]
さすがカタリーナさんっ!
深い洞察力で感服しました…。
だからカタリーナさんの文章大好きなんです~(><)。

感想を拝見して改めて感じたのが、
やはりワタシ好みのスカピンは2年前のバージョンだったなぁということ。
や、どちらも素晴らしいお芝居には変わりないですが、
やはり感じ方受け止め方は、演ずるメンバーおよびチームワークにより
変化するものなのだな…と思いました。
言うまでもないことですが、舞台は生物なんですよね。

次回…第3回があれば、また是非見てみたいですvv
[ 2010/07/02 22:55 ] [ 編集 ]
お言葉、お恥ずかしい限りでございます……。

> やはりワタシ好みのスカピンは2年前のバージョンだったなぁということ。
多分本家のイメージは今回のバージョンだったんじゃないかと推察します。
そのほうがアメリカ的?だし。(笑
だからなのか、Akiさんがしきりに気にしていたチャンバラシーン、
実は今回全く違和感なかったんですよー。
前回は役者さんたちの持ち味のためだと思うんですが、大人の愛憎劇になったのが、
最後のチャンバラを「ええ~~、そんなオチ?」と思わせちゃったんじゃないかと。
もったいないですよねえ。
でも仰るとおり、舞台はこんなにも変化するもんなんですね。
3回目、ええ、ワタシも行く気満々です!
[ 2010/07/02 23:15 ] [ 編集 ]
ご無沙汰しております。春頃「一人旅」の記事にコメントさせていただいた、こんこんです。カタリーナさんが宝塚ファンであったとは存じ上げず、記事に反応してしまいました。「元ファン」の私、またお邪魔させてください。

1990~2000年まで、毎公演数回ずつ観ていました(現在は思うところあって、お休み中)宝塚は、組伝統の持ち味とトップさんをいかに魅力的に見せるか?に心血が注がれるので、同じ作品のあまり時間を置かない再演でも、解釈の全く違う作品になって、ほんとうに面白かったです。再演を味わうのが三度の飯より好きでした。
因みに、一般の歴史ものも同じ人物が様々な描かれ方をするので「こう来たか~」とわくわくしながら違いを楽しんでいます。

宝塚、また観たくなりました!(実はハマり過ぎちゃうのが怖いんですよ~)
ファン当時一番好きだったのは、娘役で現在は中山秀征さんの奥さん、白城あやかさんでした。彼女のマルグリット、想像しちゃいます∧∧;

失礼いたしました~

[ 2010/07/03 05:55 ] [ 編集 ]
再訪&コメントありがとうございます!

実は私もファンだったのは90年代で、
こんこんさんと同じくあやかちゃんのファンだったんですよ!
鮎ゆうきさん→あやかちゃんと、ずっと娘役ファンでした。
そのあやかちゃんの卒業とともにヅカを卒業しまして、
2年前の観劇は実に10数年ぶりだったんです。
しかし結局それでファン復帰とはならず、
面白そうな作品だったら見ようかなという程度にとどまってます。

再演ものの場合、作品が同じで演出家も同じであれば、
テイストは同じになるものだと思っていたんですが、
今回のスカピンはまるで違う仕上がりだったので、
こういうこともあるんだなというか、再演の面白さを初めて理解しました。
あやかちゃんのマルグリットはバッチリはまりますねー!
そうするとパーシーにシメさん、マリコさんがショーヴランか。
色気たーっぷりなスカピンになるんでしょうね~。
[ 2010/07/04 23:06 ] [ 編集 ]
返信ありがとうございます。

>実は私もファンだったのは90年代で、
>こんこんさんと同じくあやかちゃんのファンだったんですよ!

おお~お仲間!思いもかけず、嬉しいです(><)
当時の星組トリオはゴージャスでしたね~シメさんもマリコさんも大好きで「スカピン」の情報を目にする度に、あのトリオを思い出していました。

「エリザベート」初演で、あの難しいミュージカルを一路さんの雪組が見事に見せてくれたので、マリコさんのトートは正直心配だったんです(なにしろあの弱点が∧∧;)しかしロックテイストのビジュアルと色気で、一路トートとは全く違う、弱点を補って余有る素晴らしさだったのが、「再演の妙」という点でとても印象に残っています。(あやかさんは「あまり不幸そうでないエリザベート」(苦笑)だからマリコトートがもろにストーカーっぽくて。。)

星組の舞台で「蝉しぐれ」が原作の「若き日の唄は忘れじ」ってありましたよね。それまで日本の時代もの&歴史にまーったく興味がなかった私が、こんなにも日本史好きになったのは、あの作品が原点だった気がします。その後、テレビドラマ、映画化もされましたが、宝塚版が一番心に滲みました。

宝塚卒業後、心奪われたのは「新選組!」でした。それからは若くてビジュの良い男優さん(堺さんとか山本さんとか)に俄然興味が湧いて、同時に歴史も幕末、戦国と好きになり、今に至ってます。
宝塚は…冷静に考えるとやっぱり昔のようなファン復帰はないだろうな…

長々私語り、すみませんでした。読んでいただいて感謝です。
これからも楽しみに拝見させてくださいねv
[ 2010/07/05 06:04 ] [ 編集 ]
「エリザ」は、マリコトートのことよりも、
あやかちゃんのエリザ&卒業で頭がいっぱいでした。(苦笑
観たかったけど観に行くことはできず、これで生まれて初めて宝塚のビデオを買ったんです。
さすがにマリコさんのあの弱点が強調(笑)されてしまいましたが、
仰るとおり、それを補って余りある魅力的なトートでしたよね。
ただ、お友達にはなかなか勧めにくい。^^;

> 星組の舞台で「蝉しぐれ」が原作の「若き日の唄は忘れじ」ってありましたよね。
覚えてますよー!
マリコさんのガキ大将的な逸平とノルさんの弱っちい与之助がツボでした。
(↑バトラーとおかまアシュレってこの頃でしたっけ?)
私はこれがきっかけで藤沢周平作品を読むようになりました。
この頃は、文学作品の舞台化が多かったですよね。
日本物といえば、剣幸さんとこだま愛さんの「川霧の橋」(柳橋物語@山本周五郎)も秀逸でした。

> 宝塚卒業後、心奪われたのは「新選組!」でした。
「組!」は面白かったですよね!
あんなに熱かった1年は、あとにも先にもないです。
あの時お友達になった方とは今も続いてますし、「組!」はいろんな縁を運んできてくれました。
大河の面白さを再認識し、ドラマの面白さを知り、脚本や演出にも興味を持ちました。
あとドラマスタッフさんの素晴らしさ!
役者さんの裏話も楽しかったですし、ドラマもその舞台裏もひっくるめて、
本当に心から楽しみ、喜び、ともに悲しんだ作品だったと思います。

こんこんさんとはたくさん共通点があるみたいで嬉しいです。
また何か心に触れることがありましたら、書き込んでくださいね。
楽しみにしています♪
[ 2010/07/06 00:03 ] [ 編集 ]
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