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エリザベート(宙組2016) 

「来年のことを言うと鬼が笑う」と申しますが、昨年のことを言うとどうなるんでしょうか。
そんなことを考えつつ、去年のことを振り返ってまた少しずつブログを更新していきたいと思います。

で、先日放送していた「帝冠の恋」のラジオドラマの話をする前に、
去年見た宝塚宙組さんの「エリザベート」について、メモ的に感想を書いておきたいなと思います。
ナマ舞台としては、これまでに東宝初演版(山口祐一郎&一路真輝)しか観たことがありませんでしたが、
2016年、なんとエリザ初演から20周年目にしてようやく、宝塚の舞台を観ることができました。
実はその前の花組上演のときも行こうとしたんですが、どんなことをしてもチケットが取れなかった!

宙組『エリザベート ー愛と死の輪舞ー』
宝塚歌劇 DVD・ビデオ・CD専門ショップ|TCAショップ
http://www.tca-pictures.net/shop/press/160816_elisabeth.html

宝塚で上演するにあたり、当然ながらウィーンオリジナル版から大きく改変されています。
主役はエリザベートからトートへと移行し、描かれるテーマもだいぶ変わりました。
そもそもオリジナル版ではトートの比重もそこまで大きくないし、
トートの存在はまさに西洋的な「死神」そのものなので、愛とかなんとかという話ではないです。
身の自由、魂の自由を求めて彷徨い続けたエリザベートが、
最後に死を迎えてすべてから解放される話なんですよね。
だからなのか、ウィーン版のエリザ役者さんは皆さんパワフルで、
「超ワガママで身勝手なエリザベート」に見えてしまいかねない力強さがあります。
ラストにトートとエリザベートがキスをしますが、オリジナル版でのその意味は、
エリザベートが死を受け入れて、
「トートのキスによってとどめを刺されて死ぬ」
ということだと思っています。
一方の宝塚版は、トートは一部の人にしか見えない死神ではなく、
黄泉の帝王としていろんなところに出張ってきて、こともあろうにエリザベートを愛してしまう。
ウィーンオリジナル版とは根本的に話が違うんですよね。
だから最後のキスも、「とどめを刺す」ではなく、まさに「愛のキス」
ここが主役と設定を変えざるを得ない宝塚的弊害なんでしょうけれど、
随分と無理をして改変しているせいか、全体で見るとすごくわかりづらいというか、モヤッとする話です。
ま、そこを完璧なラブストーリーに仕立てたのが星組版だったというわけなんですが。
それでも「オープニングにつながらないと思うんですけど……」という思いは拭えません。

なんでこんなにオリジナル版に文字数を割いたかというと、
2016年宙組版は、オリジナルと宝塚版の折衷案のような雰囲気があったからです。
朝夏まなとさん演じるトートはすごくスタイリッシュでダイナミックで、しかもパッションもあるという、
若くして君臨する帝王というオーラがありました。
おそらく彼はこれまでに何人もの人間をたぶらかして(笑)黄泉の国へ連れ去っていて、
実はエリザベートもその中のひとりにすぎないんじゃないでしょうか。
けれど朝夏トートのいけないところ(苦笑)は、
その瞬間瞬間は対象の人間を本気で愛しているってことなんですよ。
エリザベートだけじゃなく、自分が「仕事として」連れ去るべき人間はたまに本気で愛しちゃうという。
エリザベート一筋じゃないというのはファンには受け入れがたい解釈かもしれないけど、
私にはそう見えたし、朝夏さんのような若い「オレ様」トートならありかな~と思います。
私は結構好きだな、この解釈!
対するエリザベートの実咲凜音さんは、とても真面目で誠実で、
夫や子どもを放って逃避行をするようなタイプには見えないんですけれども、
でも実はそれが、己をを縛るすべてのものから解放されたいと願いつつも、
それでも「皇后としての威厳を保つ」という表現に見事につながっていたように感じます。
「死」に憧れつつも心の奥底では「生きたい生きたい!」と叫んでいて、
夫や子どもへの思いと、それを否定する気持ちとの間でいつも心は傷ついていて、
自由と義務の間で罪悪感も持っていて、実咲エリザベートは常に相反する心と葛藤していました。
これぞまさに女の一生というものを、見せてくれたと感じます。
そういう彼女の立ち位置もあって、トートとの関係がいわゆるラブストーリーとは違い、
ちょっと面白い関係に見えたのかもしれません。

エリザベートは芝居より歌が重視されている作品だと思いますが、
朝夏さんはお腹に響くような声が心地よく、実咲さんは落ち着いて伸びやかな声が美しく、
聴き応えのある舞台でもありました。
そうそう、皇帝フランツの真風涼帆さんは、超イケメンマザコン王子だったのが
怖いお母さんが亡くなった後の本当に独り立ちしてからの姿がとてもよかったです。
ああ、この人ならちゃんとオーストリア帝国を守ってくれるって思いましたもん。

特筆すべきはフィナーレでのデュエットダンス!
まさか星組版の麻路&白城バージョンを踊ってくれるとは思ってもいませんでした!
目の前で見ることができて、もう単純に感動です。
とても満たされた3時間でした。
ふう、メモなのにメモじゃない長さになっちゃった。(苦笑)
[ 2017/02/26 20:23 ] 舞台 | TB(0) | CM(0)

誰も知らない奇跡の瞬間 AD-LIVE '15 

声優の鈴村健一さんがプロデュースする完全アドリブ劇、
AD-LIVE’15の大千秋楽を観劇してきました!
といっても大阪までは出かけられないのでライブビューイングです。

AD-LIVEは、おおまかな世界観が決められていることと、
舞台上でいくつかのミッションをクリアすることが決まっていること以外、
ノンストップ90分間、すべてアドリブで演じられるお芝居です。
今回の演者は3人で、進行兼まとめ役の鈴村さん以外の2役に関しては、
どういう設定の役なのかは演じられるご本人にしかわかりません。
お互いに相手の役を探りつつ、自分の設定を活かして話を進めていきます。
いわゆる鶴瓶師匠がやっているスジナシと似たような方式なのですが、
AD-LIVEは「途中でワードを引き」
それを無理にでも「会話に盛り込まないといけない」というハードルがあり、
演劇的要素が強いスジナシに比べ、大喜利のような「機転」と「瞬発力」が求められる舞台でした。

今年のテーマは『友達』。
人と人をつなぐ会社、『トモダチファクトリー』へ2人の人間がやってきます。
担当の最上さん(鈴村さん)の指導で、2人は友だちになるべくミッションをこなしていきます。
大千秋楽、友だち志望役の役者さんは、下野紘さんと福山潤さん。
いじられキャラの下野さんが、ダジャレ王の福山さんに振り回されるのかと思いきや、
下野さんが意表をつく「幽霊」設定で現れたため、
「これは果たして本当に幽霊なのか否か?」に悩んだ福山さんは、受け芝居に徹した感がありました。
初参加の下野さんに対し、経験者の福山さんが引っ張っていた面もあったかもしれません。
そして福山さんは引いたワードが当たりまくりで、しかも使い方が上手い!
下野さんが幽霊の印である額烏帽子(頭の白い三角の布)をつけていたために、
福山さんが引いたまさかの
「トイレットペーパーを三角に折ったようなもの」
というワードが大爆笑を呼びました。(爆)
下野さんは出から顔色の悪い幽霊だったので、
観客も「生きてるの? 死んでるの?」と思ってたわけですが、
「もうお互いプライバシーなんていいんじゃないですか。友だちになるんだから裸になって」
と、誘導された途端、
「もういいんですね!?  ヒャッハーー!」と元気な高校生(でも幽霊)に豹変したために、
そのギャップの激しさに会場中(もちろん役者も)が驚きと戸惑いと爆笑に包まれたという。(笑)
これはもう設定勝ちですね!
鈴村さんは他の2人にいじられているときに引いたワードが「私をいじめるな」
こういう奇跡が起こるところがまた、仕込みのない舞台の面白さ。
その一方で、全く噛み合わないワードも当然出てくるわけですね。
むしろその確率のほうが高いわけで。
でもそれも投げれば誰かが拾って捨ててくれる。(苦笑)
これはものすごく難しい技だと思います。
本当に機転ととっさの判断力がモロに出てしまうオソロシイ舞台です。
またね、下野さんと福山さんは、おふたりともマチネで演じた役の息子と友人を演じるという、
まさかの昼夜コラボレーションを相談なしでやってのけてたんですよ!
「俺たちやっぱり似てるんだね」と福山さんがおっしゃってましたけど、
これもまた奇跡、両公演をご覧になった方にはさぞかしツボだったでしょうね~。
あとね、長くなったけどこれだけは残しておきたい!
芝居のスタート時、つまりふたりがまだ他人の状態のときに写真を撮るんです。
そして芝居の終了時、ふたりがそれなりに親しくなった段階で、再度写真を撮るんです。
これね、役者さんたちはまったく意識してないと思うんですけど、
初めと終わりで本当に見事なまでに表情が変わってるんですよ。
人の気持ちってこうやって動いていくんだなって、ちょっと感動しました。

今回3都市開催、各都市2組×2回公演の、計12公演だったわけですが、
これはちょっと他の回も見たかったなと思いました。
同じ世界でありながら、そこへ別な役者が入ってきたらまるで違うテイストの芝居が生まれますよね。
誰が共演するかでもどんな化学反応が起こるかわかりません。
次もきっとライブビューイングがあると期待したいと思います。

芝居終了後の記念写真、下野さんが怖いです。(苦笑)



[ 2015/10/19 02:45 ] 舞台 | TB(0) | CM(0)

宝塚月組公演「1789~バスティーユの恋人たち~」 

東京宝塚劇場へ行ってきましたよー。
宙組の「銀英伝」以来なので約3年ぶり。

今回はフレンチロックミュージカル「1789~バスティーユの恋人たち~」です。
DVDで見た「ロミオとジュリエット」がとても好みの作品だったので、期待を込めての観劇でした。

タイトル通り、フランス革命ものです。
「ベルサイユのばら」は王族側から描いたフランス革命、
「スカーレット・ピンパーネル」は貴族側から描いたフランス革命、
そしてこの「1789」は初めて民衆側から描いたフランス革命でした。
フランス人以外でこれだけフランス革命に詳しい人間がうようよいる国は、
他にないんじゃないでしょうか。(苦笑)

東宝「1789」


音楽はフランス映画に通じる雰囲気があって、ちょっと独特。
それがまた新しくて心地良いんですよね。
すぐに歌って帰れるようなキャッチーなメロディーはありませんが、
場面場面に印象に残る歌がたくさん用意されています。
「ロミオとジュリエット」を観たときにも感じたのですが、
やはりフランス語のリズム感を日本語で出すのはほぼ不可能なんだと思います。
メロディーと歌詞がしっくりこないことが少なくありませんでした。
これは翻訳ものの宿命で仕方ないのですが、音楽がいいだけに残念な点でもあります。

ストーリーは主人公の青年が、重税に物申して殺された父の仇を討つべくパリへ出て、
そこで革命家たちと知りあうことにより、革命に身を投じていくというものです。
賭博や恋人フェルゼンにうつつを抜かす王妃マリー・アントワネットや、
鍛冶仕事が好きで政治から逃げている国王ルイ16世、
国王の座を狙う現国王の弟アルトワ伯といった王族側のあれこれも同時進行で描かれていくので、
ベルばらやスカピンに慣れ親しんだ層には良かったと思いますが、
そうではないお客様は若干戸惑うのではないかと思いました。
というか、結構脳内補完を要求されます。
特に前半と後半のアントワネット様の変貌ぶりには、
演じたトップ娘役さんの愛希れいかさんに惜しみない拍手を送りつつも、
シナリオ的にもうちょっと丁寧に描いて欲しかったなと思いました。
まあ全体に脚本はあんまり練られている感じではなく、
どちらかというとストーリー性のあるショーといったところでしょうか。

印象的だったのはコーラスが素晴らしかったことですね。
そのまとまりとクォリティには群衆の迫力をさらに増す効果があり、聞き惚れましたよ!
そしてラインダンスも斬新でした。
衣装がトリコロールの赤、青、白の3組に分かれていて、これが色ごとに踊るんですよね。
色でフォーメーションを組むという振付は初めてで、とても素敵でした。
あと研1さんたちは太ももがとってもムチムチしているのがなんだか嬉しいです。←

あとは個々にちょっとだけ。
トップ男役の龍真咲さんは、農民出身の青年ロナン役。
父の仇への恨みを革命への情熱に託して、真面目で一直線なところが、
ミュージカルの王道的ヒーロー像でした。
ただ私は彼女の持ち味はもっと色気のある役で発揮されるような気がしました。
セリフ回しや歌を聞いていると、多くの女性を弄びつつも、
実は心の奥にどうにもできない恋を抱いているみたいな、
もっと男の危ない色香がただよう役が似合うんじゃないかなと。
というか、そういうのを見てみたい。(笑)

トップ娘役の愛希れいかさんは王妃マリー・アントワネット。
1幕の奔放で自分の楽しみ以外考えることをしない幼いアントワネットから、
2幕ですべてを悟った覚悟の王妃へと変わっていく様が見事でした。
ずっと失われない「誇りの高さ」ゆえに、最後の最後に涙を誘います。
シナリオの不十分さは前述のとおりですが、
そこを埋めてくれるだけのものを感じさせる芝居でした。
構成的、配役的にこうならざるを得なかったのでしょうが、
非常にもったいないなと……。

実質ヒロイン(オランプ)を演じたのはWキャストの海乃美月さん
キャストが発表になったときから物議を醸していましたが、
実際に拝見してみてやはりこちらがヒロインだと思いました。
オランプは皇太子の養育係でありながら、
平民のロナンと知り合って恋に落ちる女性。
主人公の恋人役であるだけでなく、
対立する王侯貴族と民衆を結ぶ役であることからいっても、
こちらがヒロイン格でしょう。
海乃さんは歌も芝居も安定していましたが、
ロナンに一目惚れして彼のために危険をおかすほどかというと、
それには冷静で賢すぎるように思いました。
もっと恋に身を焦がす感じが欲しかったかな~。
でもそんなシーンもなかったので、これもシナリオの問題か?(苦笑)

革命家3人組(デムーラン:凪七瑠海さん
ロベスピエール:珠城りょうさん、ダントン:沙央くらまさん)は、
それぞれに特徴を出していて目を引きました。
理想に燃えるデムーラン、己の情熱に酔い気味なロベスピエール、
仲間のムードメーカー的存在のダントン。
みんな「自由、平等、博愛」を掲げ民衆のために活動しているのですが、
この後全員断頭台に消えるんだよな……と思うと複雑な気持ちになりました。
その原因になるであろう性格の片鱗が、透けて見えたんですよね。

トップ娘役さんを主役と対抗するアントワネットにしたことで、
おそらくアントワネットの出番が増やされたものと思われます。
そのために貴族と平民の差がくっきりと出たのは良かったのですが、
その分物語の深みが足りなくなった感は否めません。
トップ娘役さんがオランプではダメだったのかな?
昔はトップ娘役をも食う「個性の強い2番手娘役さん」がどこの組にもいたものですが、
最近はそういうタイプの方はいらっしゃらないようなので、
アントワネットを振れる人がいなかったのかな……。
トップさんのデュエットダンスは、ラブラブなものじゃなくて、
フラメンコで対立を表すものが良かった気がしました。
フラメンコは恋の歌がほとんどですが、その中身は「恨み」が多いですし、
男性同士の対立する踊りもありますから、
せっかくこういう配役にしたのなら、そういう激しいのが見たかったかな。

こちらの作品、来年帝劇で上演されます。
主役の小池徹平くんはきっとハマり役だと思います!
あとヒロインの神田沙也加ちゃんもきっと似合うと思うし、アントワネット様はあの花總まりさんですよ!
私、今からとっても楽しみにしていますヽ(=´▽`=)ノ
[ 2015/07/16 00:28 ] 舞台 | TB(0) | CM(2)

嵐が丘 

日生劇場で、堀北真希ちゃんと山本耕史くんの「嵐が丘」を見てきました。
といっても、もう1ヶ月位前の話なんですけどね。(泣笑)
いやあこの舞台、本当に感想が書きづらくって、うだうだしているうちに具合が悪くなったりして、
結局観劇から1ヶ月近くが経ってしまいました。
正直なところ、余計に感想が書きづらくなっています。
だって、記憶が消えてきているから~~~~~~~~。

日生劇場「嵐が丘」

まず「嵐が丘」といったら、私にとってはローレンス・オリヴィエの映画なんですね。
留学して、初めてドイツ語で見て理解できた映画なので、ものすごく思い入れがあります。




そうこれこれ。
ローレンス・オリヴィエのヒースクリフよりも、
マール・オベロンの勝ち気でありながら儚いヒロインというのがとても印象的でした。
原作を読んだのは確かこれを見てからだったと思いますが、
映画のほうは悲恋ぽい感じで、原作はもっと暗くてずっとドロドロしてました。

日生劇場の「嵐が丘」は、悲恋というよりも人間のエゴを前面に出した、
非常にドス黒い仕上がりだったかと思います。
登場人物のほぼ全員が、基本的に己のことしか考えていません。

キャストは、

堀北真希(キャサリン)
山本耕史(ヒースクリフ)

高橋和也(ヒンドリー)
伊礼彼方(エドガー)
小林勝也(ジョウゼフ)
ソニン(イザベラ)

戸田恵子(ネリー)


となっておりまして(敬称略)、私的にはものすごくワクワクする組み合わせでした。
演出はG2さんでしたが、私にとっては初めての演出家です。
舞台上の場面は屋敷の外か内かしかないのですが、
うまくセリやホリゾントを使って、飽きさせない場面転換を行っていました。
私は結構好きです、この演出。
子役のシーンでは、本役さんも一緒に出てきて芝居をするというのが新鮮でしたが、
「おとなになっても魂は変わらない」という表現に受け取れて、とても良かったと思います。

キャサリンの堀北真希ちゃんは、線は細いながらも存在感バッチリのヒロインっぷり。
声もよく通って、彼女はもしかしたら舞台女優としてのほうが魅力が増すタイプかもしれません。
ただ今回は狂気の役どころで感情の振れ幅の大きい「動」の役でしたから、
今後「静」の役が回ってきたときにどんな芝居を見せてくれるかで、真価が問われる気がします。

ヒースクリフの山本耕史くんは、前半の硬さと後半の傍若無人ぷりが見事で、
何を考えているのかわからない恐ろしさを感じさせられました。
拾われてきたゆえに己のよりどころを持たない彼は、「どうにでもできる」と思っているのですよね。
キャサリンに裏切られたあとは、他の何も失う恐ろしさを考える必要がないから。
途中フロックコートを羽織った正装姿で登場したのですが、
思わず「あ、土方さん!」と思ってしまったのは許してもらいたいです。(苦笑)

ヒンドリーの高橋和也さんは、ヒースクリフとは別な意味で狂気をはらんでいました。
ヒースクリフに狂わされた人生を、さらに自分自身で破壊してしまうという心の脆さは、
おそらく誰にもどうすることもできないのだと思います。
高橋和也さんはこういう我慢したり、翻弄される役が似合いますね。

特筆すべきはネリー役の戸田恵子さん。
ネリーはキャサリンとヒンドリー兄妹の家の家政婦なのですが、
この物語の語り手であり、舞台でも出ずっぱりの語りっぱなしです。
登場人物が複雑に絡み合うこの作品をわかりやすく解説しつつ、
観客の目を常に舞台に向けさせておかなければならないという、
そうそう簡単にできる役割ではなかったと思いますが、
彼女がいると場が明るくなるというか、安心感を与えられるんですね。
この舞台はほぼ全員が常時叫んでいるので、観客としては非常に疲れます。
その中にあって、戸田さんは癒やしでした。
本来ネリーはそんないい人じゃないし彼女も自分のことしか考えていないんですけどね。(苦笑)

観客もかなりエネルギーを削られる舞台だったのですが、
私としては一点だけ、どうしてもモヤっとしたことがありました。
キャサリンとヒースクリフの悲劇は、彼女たちが互いに好意を持っていながらも、
それを認めず、あるいは相手の出方に任せてしまったゆえに起こったものだと思ってたんですよね。
キャサリンがお隣さんのエドガーと結婚したのも、
ヒースクリフがはっきりしないから意地になった結果だと思うんです。
そういうイライラ感が原作では満載だった気がするのですが、
この舞台ではそれがなかったので、
キャサリンがエドガーとなぜ結婚したのかとか、狂乱したわけとか、
そのあたりの気持ちがちょっと伝わってこなかったところにモヤっとしました。
そこが伝わると、登場人物のどこかに共感できるものがあったかもしれません。
原作を読んだのはもう遥か彼方昔なので、記憶違いかなあ?

久しぶりにガッツリとストレートプレイを見て、心地よい疲れを味わいました。
小規模ながらも生演奏付きだったのは嬉しかったですね。
[ 2015/06/21 21:57 ] 舞台 | TB(0) | CM(2)

朗読能シアター 『咸陽宮』 其弐 

ということで、『咸陽宮』ですけれども。
全然公演の余韻から抜け出せなくて、購入した台本を読み返してはため息をついています。
DVDに残らないとわかっていたので全神経を使って出来る限り記憶しましたが、
それを忘れたくなくて、何度も何度も反芻してしまいます。
こんなの初めてですよ……。
台本を販売してくださって、本当にありがとうございます。

兎にも角にも、なんとか冷静に感想を残しておきたいと思います。(多分ものすごく長文)
今回は公演に臨む前に「あらすじ」だけ読んでおこうとネットで調べたのですが、
拾った「あらすじ」が文字通り「あらすじ」でしかなかったので、
その典拠となっている平家物語の第5巻を読みました。

……なんか、ぬるい?

すみません、まずそう思ってしまいました。(汗)
平家物語なので物語にあれこれ飾りが付いている感じがするのは仕方ないとして、
殺されそうになった始皇帝が后の機転で難を逃れるという展開、
それも刺客が、后の奏する琴に聴き惚れてしまったために仕留め損なうというのは、
初めてこの話を読んだ私でも「えっ……そうくる?」と一瞬考えこんでしまいました。
物語の 「お や く そ く」 として突っ込んではならないのかな……(´・ω・`)みたいな。

実は事前に演者5人の配役は発表されていなかったので、
誰が何をやるか以前に、どの人物が登場するかもわかっていなかったのですね。
ただこれを読んで、
「えー、この展開ならちょっとあれだけど、遊佐さんは刺客の荊軻がいいなあ」とか思っていました。
しかしそこへ「史記を読んでおくといいですよ」というアドヴァイスが流れてきたので、
上京目前ではありましたが、速攻図書館でコピーゲット。

うわああ、こっちのほうが断然面白いじゃないか!

平家物語を読んでモヤッとした部分が、納得行くものとして描かれていました。
もしこれが底本だったら「遊佐さんには始皇帝をやって欲しい」と思いました。
冷酷で慈悲もなく、それなのに襲われたら逃げ惑うしかなく、
家臣の協力で命は助かったものの、怒りまくって刺客を放った燕を攻める。
わああああ、そんな遊佐さんおいしそう(・∀・) ←

前置きが長くなってしまいましたが、要するに脚本に一抹の不安があったんです。
でもそんなのは杞憂、余計なお世話にでした。
史記をベースにしつつ、上手く平家物語につなげて、最後は見事に落としてくれました。
后の琴に聴き入って仕留めそこねる展開はそのままでしたが、
でもそれがかえって物語を悲哀に満ちたものにしていたと思います。

個々の感想と総括はたたむこととして、河合龍之介さんのツイッターから千秋楽後のお写真を拝借。
そのほか、脚本家の高橋郁子さん、甲斐田裕子さん、平田広明さん、渡辺大輔さん、
そして雅楽で舞台を盛り上げてくださった中田太三さんの千秋楽後のブログもリンクしておきます。

みなさん、この素晴らしい舞台を作り上げてくださって本当にありがとうございました。



[ 2015/05/29 10:28 ] 舞台 | TB(0) | CM(4)

朗読能シアター 『咸陽宮』 其壱 

私にとって今年最大のイベント、もっとも楽しみにしていた舞台。
朗読能シアター 『咸陽宮』を見ることができたのは、本当に幸せなことでした。

この舞台のコンセプトは、初めて能楽に触れる人がその演目を楽しめるようにと、
能楽の台本を元に脚本を起こして【現代語】で朗読をするというものです。
もちろん後日、ちゃんとお能の舞台で上演されます。
この試みももう4年になるそうで、今回は「咸陽宮」。
秦の始皇帝の暗殺を扱ったお話で、平家物語の第5巻が底本となっています。

fgyhujikolp.jpg

【出演者】
甲斐田裕子さん、河合龍之介さん、平田広明さん、遊佐浩二さん、渡辺大輔さん


私は基本的に、「芝居を見る前に予習はいらない」ものと思っています。
舞台というものは、そもそも予習をしなくても理解できるものでなくてはならないと考えているからです。
でも今回は中国史ということもあり、馴染みのない名前が出てきて戸惑うのもあれだなと思い、
能のあらすじと平家物語に加え、史記の刺客列伝も読んでいきました。
ある意味完全にネタバレした状態で臨んだわけですが……。

これは声を大にして言いたい。
本当に素晴らしい作品でした。
このスタイルの脚本は、これまでに触れたことがありません。
朗読でも演劇でも、セリフが重なるということはほぼありません。
ドラマなどでは、必ずひとりのセリフが終わってから、他方のセリフが入ります。
ところがこの朗読劇では、セリフがかぶさってくるのです。
かぶさるセリフは感情だったり、表情だったり、動作だったりするのですが、
ふたりの人物の思いが交差するときに使われている技法でした。
人が同じものを見ていながら、まるで別な感情を抱くということが手に取るようにわかる。
うなりました。
題材が皇帝暗殺なだけに、そこにはいくつもの対立の構図があります。
だからこそ、このセリフの重なりがいっそう生きてくる。
こんな風に文章にしても、多分見た人にしかわからないと思います。
あえて例を求めるとすれば、ミュージカルの重唱のようなものでしょうか。
そしてその朗読を支える雅楽。
控えめな音でありながら、その独特の響きで雰囲気を作り上げていく様は、
実に心地よいものでした。

最近は朗読といっても、舞台機構を派手に使ったり、
音楽や照明に工夫をこらした演劇並みの演出で見せるものもあります。
この朗読能シアターは、その真逆を行くもので、演者さんたちは葛桶に座ったまま微動だにせず、
動きといえば入退場と台本の紙をめくることだけ。
照明も、相対している人にスポットを当てることで場面転換を示すだけで、
とにかくひたすら「朗読に集中」することになります。
観客の集中力を引っ張るだけの脚本のチカラと、演者さんたちのチカラ、そして観客の集中力が、
題材にふさわしい緊張感を生み出し、見事な「咸陽宮」の世界を作り出していました。
ああ、この雰囲気、本当に多くの人に味わってもらいたい!!!!

お話や演者さんのことに触れないうちにこんなに長くなってしまった……。
なので、次回に続きます。
[ 2015/05/28 02:39 ] 舞台 | TB(0) | CM(2)

宝塚月組公演『ル・ポァゾン 愛の媚薬』 

スカイ・ステージで放映されていた『ル・ポァゾン 愛の媚薬』(1990年 月組)を見ました。
嬉しい! 
この作品をまた見ることができて本当に嬉しい!
今でも主題歌を歌えるくらい、大好きなんです。
宝塚に本格的にハマったのはこの作品からと言っても過言ではありません。
私がベルばら以外で見た初めての宝塚作品、そしてオリジナル。
同時上演だったお芝居の『川霧の橋』もとてもよい作品で、
この公演を劇場で見ることができたのはとても幸せなことでした。
当時の半券を見たら、1階ウ列1番というお席。
あの頃は列がイロハ順でしたよね。
劇場が新しくなって番号順になったとき、とても残念に思ったものです。
もう記憶がないですが、ウ列って最後列か後ろから2番目くらいだった気がします。
旧東京宝塚劇場は1階席の後ろは太い柱があって、せり出した2階席の床も邪魔で、
1階後方はかなり見にくかったですよね。
この公演では1番という端の席だったこともあり、
切り取られた視界の中から必死に舞台へ目を向けたのを覚えています。

『ル・ポァゾン 愛の媚薬』は、多分ファンの間でも評価も人気も高い作品のひとつと思います。
古今東西の様々な愛の形を見せていくロマンチックレビュー。
宝塚らしいラブストーリーを、ときに美しく、ときに怪しく、ときに退廃的に演出し、
とにかくクールでゴージャスでビューティフル。
宝塚といえば古き良き昭和のムード音楽が特徴ですが、
それよりずっと覚えやすくておしゃれな音楽の数々もまた人気の要因だったかもしれません。
特にクラシック曲の使い方にはうなります。
宝塚はクラシック曲のアレンジがとてもうまいですよね。
かれこれ25年前の作品ですので、
今見るとジェンヌさんのお化粧やヘアスタイルなどに時代を感じますが、
それでもこの作品そのものの魅力は全く変わらずに輝いていました。
全然古くないし、思わず見入ってしまうパワーにあふれています。
宝塚の素敵なところが全部詰まっていて、ため息モノです。

この頃は4組しかなかったので、各組にスターさんがひしめいていました。
男役では、まずトップのウタコさん
退団公演だったということもあり学年的にも当然かもしれませんが、
すべてを暖かく包み込んでしまう余裕と懐の広さに、
それまでに見た雪組や星組とは違った大人像を見せてもらったように思います。
視線がとにかく優しくてあったかいんですよね(ノД`)
二番手カナメさんは冒頭の歌の破壊力がすごかった!
もうその怪しいオーラと歌声で場内を圧倒してしまうという……。
ユリちゃんは長身なこともあってどこにいても目立ちますし、ノンちゃんの個性も見逃せません。
娘役では、トップ娘役のミミさんは「ここに娘役あり!」って感じで、
とにかくすべてが力強くてかっこよかった。
私は特に彼女の地声の歌が好きでした。
地声と裏声の行き来がなんかね、聞き惚れてしまうんです。
そして、次期トップだと思っていたし、そういう扱いのリンリンさん
彼女はなぜトップにならなかったんでしょうか。
お歌は弱かったけど、華やかさと可憐さと、その存在はやはり目を引きます。
とんちゃんはね、「川霧の橋」の小りん姐さんが好きでした。
あんな粋でちょっと切ない芸者、男だったら放っておかないよ!
そして次期トップとなったヨシコちゃん
色んな場面でちょこちょこしていてやはりとても可愛いんですが、
これを見る限り、この人が「次期トップ娘役さん!」とは思えないですね。
将来的にユリちゃんとトップになるとは誰しも思っていたと思いますが、
まさかこのタイミングでっていうのは、当時も意外に思ったことを覚えています。
こういうところが宝塚人事の不可思議というか、面白いところなのかもしれません。

ふ~、久しぶりに宝塚のレビューに酔いしれました♪
今回は高画質で録画したので、これからも繰り返し見ることができると思うと、
本当にシアワセ~~~~~(*^^*)
[ 2015/02/02 01:27 ] 舞台 | TB(0) | CM(2)

宝塚月組公演「ロミオとジュリエット」 

先日スカパーのお試しをしていたわけですが、目的のチャンネルは1番組しか見ず、
気がついたらタカラヅカ・スカイ・ステージとイマジカばっかり録画してました。(苦笑)
そこでガッツリ見たのが月組さんの「ロミオとジュリエット」
この作品は現トップの龍真咲さんと愛希れいかさんのお披露目演目だったわけですが、
主役のロミオが2番手さん(名目上は準トップ)とのWキャストという謎配役。
スターシステムを採る宝塚ならではの大人の事情があったんでしょうが、
宝塚で、しかも「ロミオとジュリエット」という作品で、「それはないよな」と思っていました。
で、拝見したのは準トップポジションの明日海りおさんがロミオを演じられたヴァージョン。
裏事情をいち観客が忖度しても仕方ないのですが、本編はともかくも、
予想通り、フィナーレでの違和感はどうしようもなかったですね……。
作品については初演星組のDVDを見たときにウザ語りをしているので割愛して、
サクッと舞台の感想を書いておこうかと思います。

月組 宝塚大劇場公演 『ロミオとジュリエット』2012 Special Blu-ray Disc月組 宝塚大劇場公演 『ロミオとジュリエット』2012 Special Blu-ray Disc
(2014/03/21)
宝塚歌劇団、月組 他

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今知りましたけど、いつから宝塚のDVDがAmazonで買えるようになったのですか!?
……そして相変わらず高い。(苦笑)

それはさておき、見始めてすぐに感じたのは、「舞台空間を持て余してる?」ということでした。
星組は梅芸での上演で、出演者の人数も通常の半分だったはずですが、
非常に迫力ある力強い舞台だったという印象を持っています。
舞台の広さに関して言えば、宝塚大劇場のほうが梅芸より若干間口が広いようですが、
果たして持て余すほどの差があるのかどうか?
実際どちらの箱でも見ていませんから何とも言えませんが、
このスカスカ感というか、持て余してる感というのはどこから来ているんだろうなあと、
始終考えてしまいました。
ただ最後に私なりに思ったのは、「アンサンブルとしてのまとまりが薄かった」のかなということ。
役者ひとりひとりは上手いんです。
少なくとも歌に関しては星組よりずっと聴きやすいですし、個々の芝居も際立っています。
久しぶりに「芝居の月組」なんていう昔のキャッチフレーズを思い出したくらい。
「天使の笑顔で俺たちを裏切るのか」と仲間に言われてしまうのがよくわかる明日海ロミオ。
ジュリエットを教会で迎えるとき、それまでと打って変わって男の顔になるのが胸キュンでした。
ふくれっ面が意気がった子どもっぽさをよく表していた龍ティボルト。
ものすごく背伸びをしてキャピュレット家を背負おうとしてたんだろうなと、
切なくなるほどの危なっかしさが母性本能をくすぐります。
猪突猛進型のお嬢様が初々しくて愛おしかった愛希ジュリエット。
「この娘ならロミオが追放された時に一緒に駆け落ちしそうだ」と思ってしまいましたが(笑)、
強くて、でも決してわがままではないあたりが好感度抜群でした。
こういう3人を真ん中に芝居巧者が脇を固めて進む舞台は、芝居を見る面白さを実感させてくれます。
それでいてなお、どこか持て余してるように感じたのは、
作品がどちらかというとダンスや歌のアンサンブルで魅せるタイプなため、
個々の光で舞台を魅せる月組さんの系統ではなかったのかもしれません。
その点星組さんは団結力とはったりで押してくるところが魅力なので(褒めてます)、
歌はかなり厳しかったものの、アンサンブルとしてのパワーが上手く発揮されていたんだと思います。
今は組カラーがないと言われている宝塚ですが、やはり同じ演目を別な組で見ると、
贔屓だとか好き嫌いだとかとは別に、あたりまえだけどかなり色が違うとわかり面白かったです。

あとこれだけは書いておきたいのが、トップオーラ。
今回はトップの龍さんが2番手格のティボルトを演じられたわけですが、
やっぱりトップオーラって別格なのだと思いました。
彼女が出てくるたびに、ティボルトなのに「主役みたい」と思ったんですよ。
トップとしての自覚や自負が、あの不思議なオーラを作りだすんでしょうね。
主役じゃないからこそ余計に際立ってしまうオーラに、素直にすごいなあと圧倒されました。
あ、サクッとのはずがまた長く書いちゃった。
この作品も、いつかナマで拝見してみたいです。
[ 2014/10/20 02:04 ] 舞台 | TB(0) | CM(0)

オーシャンズ11  

楽しみにしていたミュージカル版「オーシャンズ11」を観てきました。
って……いつの話だよってね。(苦笑)

それはさておき、とっても楽しかったーーーー!
映画版を見てストーリー展開は期待できそうにないとわかっていたので、
ストーリー性のあるショーのつもりで行ったのですが、そのせいか本当に心底楽しみましたよ!
とにかくね、一言で言って「ガラ・コンサート」なんです。
いろんなジャンルの人が集まって、それぞれが得意なものを見せてくれる。
一見バラバラに見えるんだけれども、ストーリーがあることでまとまってくる。
レミゼやエリザのようなミュージカルとは全く違った、
完全にエンタメに徹したお祭りのような舞台でした。

主役の香取慎吾くんは、SMAPとして歌っているときとは違う発声で、
まだまだ不安定ながらもちゃんとお腹に響く張りのある声で歌っていました。
そして真ん中に立ったときの圧倒的なオーラ。
ただそこにいるだけで目が吸い寄せられてしまい、伊達にアイドルやってないなと思わせます。
けれど、隅の方にいるときには、ちゃんとモブの中に溶け込んでいる。
彼が本気になってミュージカルの世界を目指したら、きっといい役者になるんじゃないかなと思いました。

主役の相棒を演じた山本耕史くんは、いつもよりずっと肩の力を抜いた芝居でした。
ただただ「香取くんが出るから」という一点で出演を決めたようですが、
どのシーンにもその嬉しさがにじみ出ていて、つい見ている方も破顔しそうになるほど。
山本くんの歌は独特の響きを持っているので、これまた普段の東宝ミュージカルとは別な味。
この作品のスパイスでしたね。

ヒロインは観月ありささん
舞台版ではヒロインに対して「歌手を夢見る女の子」という設定が加わり、
男2人が彼女に固執する理由が、映画版より明確になりました。
そして舞台初心者のありさちゃんにとって、この役はピッタリ。
声の美しさに加え、初々しさと不安がビンビン伝わってきて、
この作品だからこその魅力になっていました。
スタイルの良さ、香取くんと並んだときのバランスはまさに黄金比でしたね。
もちろんこれも、舞台には大切な要素の一つ。

敵役の橋本さとしさんは孤高の悪役にピッタリ。
新感線の舞台などの他にも、東宝ミュージカルにも多数出演されていて、
さすがの安定感と安心感があります。
歌も癖がなく王道ミュージカルの系統ですね。
作品の中では一番感情が伝わってきた役でしたが、橋本さんにはちょっと役不足だったかも。

舞台版で増やされたキャスト、ヒロインのライバルには霧矢大夢さん
霧矢さんは宝塚のトップスターとして活躍され、私もスカーレット・ピンパーネルで拝見しています。
この役はヒロインの歌手設定に説得力を持たせるために追加された役だと思いますが、
さすが「男役」をやっていただけに、その思い切った役作りはさすが。
歌声の伸びやダンスの切れ味はいわずもがなですが、
ラスヴェガスの女王としての君臨っぷりはこの作品の見所の一つです。
ちょっとドスの効いた声と「いかにも」なKYすぎる行動が、ラスヴェガスは別世界なのだと、
ヒロインは美女だけどごく普通の女の子なのだと端的にわからせてくれました。

その他四季出身の坂元健児さんや、ジャニーズJr.の子たち、踊る芸人の芋洗坂係長さんなど、
アイドルに舞台俳優に宝塚にジャニーズに芸人に……と、
本当に統一性のない多種多様な表現者が集まっているにもかかわらず、
不思議な化学反応を起こして二度と再現できないお祭りを作り出していました。
こんな舞台が10年に1回くらいあったらいいなあ。

そして演出は宝塚の小池修一郎先生。
なぜこの企画が持ち上がり、なぜこのキャスティングだったのかが一番知りたいところですが、
宝塚のスターシステムにジャニーズというのはピタリとハマるのだなと発見しました。
トップスターを中心に、周りを舞台巧者が固め、さらに新人の活躍枠もある。
今後も宝塚作品の外部舞台化って、あるかもしれませんね。
大阪公演の日程はまだ発表になっていませんが、
行く予定の皆さん、ぜひ楽しんできてくださいね!

オーシャンズ11
[ 2014/07/28 06:23 ] 舞台 | TB(0) | CM(2)

カナタpresents「あぶな絵、あぶり声~葵~」 東京公演  

とりあえず次に飲みに行くときは、

アサヒスーパードライのエクストラコールド

これを置いているお店に連れていってください!!!!!!
(↑誰にお願いしているの?)

……っと、前置きをしておいて、本題に入りたいと思います。(笑)
先月末に開催されたカナタpresents「あぶな絵、あぶり声~葵~」の東京公演に行ってきました。
昨年3月に「~Tribute~」 公演がありましたが、今年も遊佐さんが参加されるということで、
もう一も二もなくチケ申し込み。
ナマで遊佐さんにお会いできる機会なんて、私にはこれくらいなんですものー。
できればそろそろサウンドシアターさんの舞台か、
Kiramuneさんのリーディングライヴに出ていただきたいのですが、いつかな~まだかな~。
今回のカナタのゲストは、前回に引き続き遊佐浩二さんと平川大輔さん。
前回の公演終了後に、主催のカナタのお2人(岩田光央さんといしいのりえさん)が、
「トリビュートではなく、ちゃんとゲストのためにオリジナルの作品を作って聞きたい」と思い、
それぞれにアテ書きで再登板となった次第。
遊佐さんも「アテ書きなのでハードルが上がった」とおっしゃってましたが、
ファンとしてもね、ハードルというか心臓がね、ドクドクバーンッと飛び上がるんじゃないかと、
もうそっちのほうが心配でね……。
だってアテ書きですよ? 本人に取材して書くわけですよ?
ただでさえオトナの女性限定のイベントなのに、「どんな恋愛話になるのー><」と、
そりゃあもう心配で心配でたまらないわけですよ。
歩く25禁と言われる遊佐浩二が読むというだけでみんな吐血するというのに、
アテ書き、アテ書きと来たもんだ!
……はあ、はあ、はあ。
ええっと、ちょっと落ち着きます。←

今回は新しい試みが2つありました。
1つはプロジェクションマッピングを使用したこと、
もう1つは話をつなぐ舞台設定をしたこと、でした。
プロジェクションマッピングに関しては、それほど必要性を感じませんでした。
舞台上にはいしいのりえさんのイラストも浮かび上がるようになっているのですが、
申し訳ないことに、それさえ見ている余裕がほとんどないんですよね。
朗読劇ではなく「朗読」ですから、どうしても役者さん一点に集中してしまうんですよ。
対して話をつなぐ舞台設定ができたことは、とても良かったと思いました。
岩田さん演じる男のやってるバーに、遊佐さんと平川さん演じる男が客としてやってきます。
そこでお互いに恋バナをするというごく簡単なつなぎではあるのですが、
3つのバラバラな話を1つのまとまったものとしてとらえることができるので、
「舞台を見たなあ」という気持ちにさせてくれるのです。
さて、朗読の方はというと、トップバッター岩田さんは「めぐる女」
学生時代の恋がめぐりめぐって叶うというお話。
次が遊佐さんの「瞬く女」で、トリは平川さんの「止める女」
こちらは平川さんの希望で、昨年の「進む女」の続編で、
一度は別れた上司とよりを戻すというお話。
だから「進む→止める」なんですね。
お話の完成度としては全体的に前回のほうが良かったと思いました。
話は丸く収まってまとまっているけれど、どれも中途半端にハッピーエンドなんですよ。
本当にちょっとした心の動きをとらえていきたいという作家の意図はわからなくもないのですが、
それにしてもどれに対しても「え? それで?」という状態で終わってしまうのは残念。
その分、声優さんたちの朗読技術を堪能できたというのはあるかもしれません。
岩田さんはその自然体な朗読が、不器用な男をリアルに感じさせてくれましたし、
平川さんは1人で何キャラクターも表現されて、さらに感情の振り幅も大きく、
朗読の面白さと声優さんの技術の凄さを改めて感じさせてくれました。

そして遊佐さん。
歩く25禁の遊佐浩二が読んだ「瞬く女」
前回は第一声から紫色のオーラ出しまくりでもうひれ伏したくなる感じだったんですが、
今回は随分と柔らかくて、オーラも水色な感じ。
「あれ? なんか想像してたのと違うなー」と思ったらみなさん!
「家庭教師と教え子」の激甘な恋だったよーーーーーーーーーーーーーー!!!!
あっは、意表を突かれましたよ。
まさかこんな反則ネタだとは思わなかったですよ。
もう爽やかな歩く25禁て感じでね、先生優しいし、始終ラブラブイチャイチャで。(苦笑)
しかもまた、遊佐さんの演じてる彼女がね、超可愛いの。
「ちょっと、遊佐子ってこんなに可愛かったっけ???」と思うくらい。
なんかもうさ、見ていて「あ、おじゃましました。ゴメンナサイ」って気持ちになりましたよ。
遊佐さんはインタビューとかでもご自身の恋愛の話とかされないので、
「何で家庭教師と教え子の設定なんだろう?(現在進行形ではリーマンと大学生)」
「いったいいしいさんとどういう話をしたんだろう?」と思っていたのですが、
そのままじゃ終わらなかった。
彼女を抱いているときに、いきなり歩く25禁が通常運転に戻りました!(爆)
「嫌じゃないんだろう? もっともっと……そう聞こえるよ?」
……………………ボンッ、プシュー。
私だけでなく、多分会場中全員が静かに爆発してたと思います。
そういうセリフは得意中の得意だって知ってますよ? 
でもさ、目の前でそれ言ってるの見るの初めてだし、遊佐さん視線こっち向けてくるし、
恥ずかしさと萌え(?)のあまりに、これで吐血して即死するなっていうほうがおかしい。
もう出血多量でミイラですよ。ミイラ。
っていうか、カナタの作品て描写とかそれほどR18って感じじゃないんですけど、
ここだけは完全にR18だったよね、言い方が!!!
しかもこっちめっちゃ見つめてくるーーーーーーーーーーーーー!
それなのに最後は「遠く離れていても、心の中にはいつも君がいる」とか爽やかに決めちゃって。
なんだか色気についてばっかり書いちゃいましたけど、本当はそれは個性の1つであって、
私が好きなのはそこじゃないんですよね。
私は遊佐さんの朗読が純粋に大好きです。
まずあの間が心地よくてたまらない。
そして句読点の置き方、語尾の処理の仕方、声のトーンのバランス、息の使い方。
あの朗読に至るまでに、どう考えてどう稽古するのかって、本気で知りたいくらいです。

そしてアフタートークのテーマは「お酒」。
ここで岩田さんが「プレミアモルツって史上最高だよね!」と言おうとして、
なぜか「史上最あk……」となってしまい、全員から総ツッコミを受けたあと、
会場にいるサントリー社員に平謝りするシーンがありました。(笑)
ここで、最近気に入っているお酒ということで遊佐さんが「エクストラコールド」を挙げておられて。
そういえば遊佐さんて日本酒だめでビール派なんですよね。
あと焼酎とワイン。
私はビールだめだけど、でも遊佐さんが気に入ってるなら飲んでみたいよ!
アサヒスーパードライのエクストラコールド!
そんなこんなで、また遊佐さんの朗読がどこかで聴けることを願って。

ちなみにカナタ来年のゲストは、福山潤さんと津田健次郎さんとのことです。
[ 2014/07/24 00:36 ] 舞台 | TB(0) | CM(0)