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星組『スカーレット・ピンパーネル』 

東京公演の千秋楽も終わりましたが、星組さんの「スカーレット・ピンパーネル」を観てきました!
ヅカファンというよりも、宝塚版スカピンファンなんじゃないか?というくらい、この作品は好きです。
ステキなミュージカルナンバーに豪華なお衣裳、そして登場人物にもそれぞれ個性があって、
お話の中身はそんなにないけれど、耳も目も忙しくて、単純に楽しませてもらえるからです。

2008年初演星組さん、2010年月組さんに続いて、3回目の上演、3回目の観劇。
今回はトップコンビ紅ゆずるさん、綺咲愛里さんのお披露目公演ということもあってか、
特に紅さんへの拍手がすごく多かった印象です。

星組『スカーレット・ピンパーネル』

先の2回は同じ作品でありながら、結構違う解釈のお芝居のように見えましたが、
今回もほぼ同じセット、同じミュージカルナンバー、前作を踏襲した衣裳であるにも関わらず、
また全く別な作品といった趣がありました。
初演星組は「愛憎劇」で、月組は「冒険活劇」だと前に書きましたが、
今回の星組版は「成長物語」だったように思います。
そう、芝居が若いんですよね。

紅パーシーは、子どもの頃に読んだ「アーサー王物語」や「ガリバー旅行記」にずっと憧れていて、
その憧れと子どもっぽい正義心がフランス革命に反応して、
自らがヒーローになる「スカーレット・ピンパーネル」という仕事を始めたように感じました。
もちろん彼は至って真面目ですし、決して「ヒーローごっこ」をしてるわけではないのですが、
イギリス貴族のお坊ちゃんで、革命の恐怖には直接関係ないこともあってか、
ちょっと軽く考えちゃってるフシがあるんですね。
彼のサービス精神旺盛なところは紅さんの持ち味なんだろうなとは思いますが(笑)、
そんなあたりも、パーシーのボンボンっぷりと子どもっぽさを強調しているように感じました。
だからこそ、スカーレット・ピンパーネルとしての仕事や、妻マルグリットとの衝突を経て、
最後にやっと「大人の男」へと成長するというラストが爽やかでもあります。

そんなパーシーの妻となる綺咲マルグリットですが、こちらは革命運動にうんざりしてしまい、
そこから逃げたくて女優になり、そして出会ったパーシーと婚約したように見えました。
彼女にとって革命は幼い頃に必死になったことではあったけれど、
その現状に絶望したというか、虚しくなったというか、諦めたというか、
多分疲れてしまったのではないでしょうか。
革命から離れた日常は舞台の上にしかなく、そこから救ってくれたのがパーシーだったんです。
マルグリットにとってパーシーは自分を助けてくれる王子様のような存在だったかもしれません。
そして物語のヒーローに憧れるパーシーにとっても、マルグリットは姫のようだったのでは。
だからふたりの愛は、ちょっとした嵐ですぐに壊れてしまったんじゃないでしょうか。
その嵐を乗り越えて初めて、ふたりは「夫婦」という関係で向き合うことができるようになる。
そんな船出もまた、お披露目に悪くないですね。

一方、悪役のショーヴラン。
今回彼の上官となるロベスピエールのシーンが増えたこともあり、一層小物感が増しました。
ショーヴランて格好良いのにどうにも間抜けでかわいそう……。(苦笑)
さて礼真琴ショーヴランは、マルグリットにベタ惚れだったんだろうな~と思いました。
革命活動にも熱心だったんでしょうけど、
「もしかしたらそののめりこみ具合にマルグリットは引いてしまったのかも?」
なんて思っちゃうくらい、彼はいろいろと熱かったですね。
ただ、彼がより冷酷な革命家になったのは、
むしろそのマルグリットと別れてからなんじゃないでしょうか。
マルグリットに捨てられた「憎しみ」が、彼をさらに革命活動へと駆り立てたというか。
過去のショーヴランたちに比べて、マルグリットに対する負の感情がすごく強かったように思います。
彼だけは最後に成長しようにもできないキャラクターで、救われないんですけどね……。

海外ミュージカルということで歌に触れれば、残念ながら過去2作品には及びませんでした。
コーラスは悪くなかったと思うんですが、うーん。
でも紅さんは新人公演で演じた役でのお披露目だったためか、
特に「ひとかけらの勇気」はすごく丁寧に、万感の思いを込めて歌ってらして、好感を持ちました。
綺咲さんは歌はともかくも、台詞が早くて流れちゃうのが残念ですね。
可愛いお顔に対して案外低めの声で落ち着いたお芝居をされるのに、もったいない。
礼真琴さんは圧巻の歌唱力。
その声量も、上にも下にも自在に伸びる歌声も、とにかく聴き応えあり。
ただ今回のカンパニーにおいては、その彼女の上手さが支えになることもあれば、
浮いていることもあった気がしました。
舞台は巧い人がそろったからといって成功するわけではないですし、
やっぱり全体のバランスなんだなと、改めて感じたところです。
とはいえ、小池先生の演出も各所で光ってましたし、観れてよかったと素直に思いました。
今回一番気に入ったのは、娘役ちゃんたちの「今朝の新聞お読みになった?」のシーン。
落ち着いたパステルカラーのストライプ柄ドレスがとってもかわいくて、
娘役ちゃんたちも歌もかわいくて、このシーンは自然に顔がほころんじゃいます(*^^*)
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[ 2017/06/18 01:08 ] 宝塚歌劇団 | TB(0) | CM(0)

あれから20年 

今でも大好きな白城あやかさんのブログをいつもチェックしているのですが、
3月14日付の記事で、ご子息が高校を卒業されたことを報告されていました。
中山秀征さんと親子3人のスリーショットが微笑ましい。
それにしてもご長男、本当にご両親を足して2で割ったくらい、どちらにもよく似ていらっしゃる。

そうか、あやちゃんの一番上の男の子ももう18歳なんだ

なんだかものすごく感慨深い思いに襲われてしまいました。
宝塚の場合、ファンはジェンヌさんが20歳前後のお嬢さんの頃から、
10年も15年もその姿を見守っていくわけですよね。
座談会やインタビューなんかの話しぶりや受け答えを見たり読んだりする中で、
そのジェンヌさんの舞台人としてだけでなく、人としての成長もつぶさに見ることになる。
また退団されてからもずっと応援していくこともよくあることで、
そうすると自分の人生と並行してその方の人生も追っていくことになる。
だからなのか、知り合いでもないのに、遠い遠い遠い遠い親戚くらいな気持ちがどこかにあったりします。
あの綺麗で美人だけどまだ垢抜けなかった花組時代のあやちゃんが、
星組に移って少しずつ大人の魅力を発揮するようになって、気づいたら名を残す名娘役になっていて、
私の傷心をよそに(笑)寿退団して、まさかの男の子4人を育て、あっという間にご長男は大学生。
やはり言葉にならない、なんとも言えない思いが去来します。
こんなふうに思うのは、あやちゃんが現役で活躍していた時代と、
私が一番大変で苦しかったときが一致しているからかもしれません。
あやちゃんの存在に、すごく支えられてたんですよね。

あやちゃんが宝塚を退団したのが1997年。
あれから20年。
私の20年はさほどドラスティックな変化をしていないし、
むしろその変化の無さにもがいている部分もあったりして、
なおさらその年月を思うと、ため息が出たりもします。
実は去年宙組さんの「エリザベート」を見て以来、ちょっと宝塚熱が再発してました。
昔の映像が無性に見たくなってしまったという。
ビデオを探して「なんであれ捨てちゃんたんだろう~」って頭を抱えてる作品もチラホラ。
当時は毎回購入していたプログラムをめくったり、
最初の5作品くらいだけ(←)つづっていた観劇記録を読み返してみたりして、
私自身も相当青くて幼かった頃の思い出にひたる日々……。
年を取ったんだなあと思う一方、そんなふうに蘇らせることのできる思い出があるということは、
それはそれでとても幸せなことだなとも思います。
[ 2017/03/25 00:02 ] 宝塚歌劇団 | TB(0) | CM(0)

エリザベート(宙組2016) 

「来年のことを言うと鬼が笑う」と申しますが、昨年のことを言うとどうなるんでしょうか。
そんなことを考えつつ、去年のことを振り返ってまた少しずつブログを更新していきたいと思います。

で、先日放送していた「帝冠の恋」のラジオドラマの話をする前に、
去年見た宝塚宙組さんの「エリザベート」について、メモ的に感想を書いておきたいなと思います。
ナマ舞台としては、これまでに東宝初演版(山口祐一郎&一路真輝)しか観たことがありませんでしたが、
2016年、なんとエリザ初演から20周年目にしてようやく、宝塚の舞台を観ることができました。
実はその前の花組上演のときも行こうとしたんですが、どんなことをしてもチケットが取れなかった!

宙組『エリザベート ー愛と死の輪舞ー』
宝塚歌劇 DVD・ビデオ・CD専門ショップ|TCAショップ
http://www.tca-pictures.net/shop/press/160816_elisabeth.html

宝塚で上演するにあたり、当然ながらウィーンオリジナル版から大きく改変されています。
主役はエリザベートからトートへと移行し、描かれるテーマもだいぶ変わりました。
そもそもオリジナル版ではトートの比重もそこまで大きくないし、
トートの存在はまさに西洋的な「死神」そのものなので、愛とかなんとかという話ではないです。
身の自由、魂の自由を求めて彷徨い続けたエリザベートが、
最後に死を迎えてすべてから解放される話なんですよね。
だからなのか、ウィーン版のエリザ役者さんは皆さんパワフルで、
「超ワガママで身勝手なエリザベート」に見えてしまいかねない力強さがあります。
ラストにトートとエリザベートがキスをしますが、オリジナル版でのその意味は、
エリザベートが死を受け入れて、
「トートのキスによってとどめを刺されて死ぬ」
ということだと思っています。
一方の宝塚版は、トートは一部の人にしか見えない死神ではなく、
黄泉の帝王としていろんなところに出張ってきて、こともあろうにエリザベートを愛してしまう。
ウィーンオリジナル版とは根本的に話が違うんですよね。
だから最後のキスも、「とどめを刺す」ではなく、まさに「愛のキス」
ここが主役と設定を変えざるを得ない宝塚的弊害なんでしょうけれど、
随分と無理をして改変しているせいか、全体で見るとすごくわかりづらいというか、モヤッとする話です。
ま、そこを完璧なラブストーリーに仕立てたのが星組版だったというわけなんですが。
それでも「オープニングにつながらないと思うんですけど……」という思いは拭えません。

なんでこんなにオリジナル版に文字数を割いたかというと、
2016年宙組版は、オリジナルと宝塚版の折衷案のような雰囲気があったからです。
朝夏まなとさん演じるトートはすごくスタイリッシュでダイナミックで、しかもパッションもあるという、
若くして君臨する帝王というオーラがありました。
おそらく彼はこれまでに何人もの人間をたぶらかして(笑)黄泉の国へ連れ去っていて、
実はエリザベートもその中のひとりにすぎないんじゃないでしょうか。
けれど朝夏トートのいけないところ(苦笑)は、
その瞬間瞬間は対象の人間を本気で愛しているってことなんですよ。
エリザベートだけじゃなく、自分が「仕事として」連れ去るべき人間はたまに本気で愛しちゃうという。
エリザベート一筋じゃないというのはファンには受け入れがたい解釈かもしれないけど、
私にはそう見えたし、朝夏さんのような若い「オレ様」トートならありかな~と思います。
私は結構好きだな、この解釈!
対するエリザベートの実咲凜音さんは、とても真面目で誠実で、
夫や子どもを放って逃避行をするようなタイプには見えないんですけれども、
でも実はそれが、己をを縛るすべてのものから解放されたいと願いつつも、
それでも「皇后としての威厳を保つ」という表現に見事につながっていたように感じます。
「死」に憧れつつも心の奥底では「生きたい生きたい!」と叫んでいて、
夫や子どもへの思いと、それを否定する気持ちとの間でいつも心は傷ついていて、
自由と義務の間で罪悪感も持っていて、実咲エリザベートは常に相反する心と葛藤していました。
これぞまさに女の一生というものを、見せてくれたと感じます。
そういう彼女の立ち位置もあって、トートとの関係がいわゆるラブストーリーとは違い、
ちょっと面白い関係に見えたのかもしれません。

エリザベートは芝居より歌が重視されている作品だと思いますが、
朝夏さんはお腹に響くような声が心地よく、実咲さんは落ち着いて伸びやかな声が美しく、
聴き応えのある舞台でもありました。
そうそう、皇帝フランツの真風涼帆さんは、超イケメンマザコン王子だったのが
怖いお母さんが亡くなった後の本当に独り立ちしてからの姿がとてもよかったです。
ああ、この人ならちゃんとオーストリア帝国を守ってくれるって思いましたもん。

特筆すべきはフィナーレでのデュエットダンス!
まさか星組版の麻路&白城バージョンを踊ってくれるとは思ってもいませんでした!
目の前で見ることができて、もう単純に感動です。
とても満たされた3時間でした。
ふう、メモなのにメモじゃない長さになっちゃった。(苦笑)
[ 2017/02/26 20:23 ] 宝塚歌劇団 | TB(0) | CM(0)

宝塚月組公演「1789~バスティーユの恋人たち~」 

東京宝塚劇場へ行ってきましたよー。
宙組の「銀英伝」以来なので約3年ぶり。

今回はフレンチロックミュージカル「1789~バスティーユの恋人たち~」です。
DVDで見た「ロミオとジュリエット」がとても好みの作品だったので、期待を込めての観劇でした。

タイトル通り、フランス革命ものです。
「ベルサイユのばら」は王族側から描いたフランス革命、
「スカーレット・ピンパーネル」は貴族側から描いたフランス革命、
そしてこの「1789」は初めて民衆側から描いたフランス革命でした。
フランス人以外でこれだけフランス革命に詳しい人間がうようよいる国は、
他にないんじゃないでしょうか。(苦笑)

東宝「1789」


音楽はフランス映画に通じる雰囲気があって、ちょっと独特。
それがまた新しくて心地良いんですよね。
すぐに歌って帰れるようなキャッチーなメロディーはありませんが、
場面場面に印象に残る歌がたくさん用意されています。
「ロミオとジュリエット」を観たときにも感じたのですが、
やはりフランス語のリズム感を日本語で出すのはほぼ不可能なんだと思います。
メロディーと歌詞がしっくりこないことが少なくありませんでした。
これは翻訳ものの宿命で仕方ないのですが、音楽がいいだけに残念な点でもあります。

ストーリーは主人公の青年が、重税に物申して殺された父の仇を討つべくパリへ出て、
そこで革命家たちと知りあうことにより、革命に身を投じていくというものです。
賭博や恋人フェルゼンにうつつを抜かす王妃マリー・アントワネットや、
鍛冶仕事が好きで政治から逃げている国王ルイ16世、
国王の座を狙う現国王の弟アルトワ伯といった王族側のあれこれも同時進行で描かれていくので、
ベルばらやスカピンに慣れ親しんだ層には良かったと思いますが、
そうではないお客様は若干戸惑うのではないかと思いました。
というか、結構脳内補完を要求されます。
特に前半と後半のアントワネット様の変貌ぶりには、
演じたトップ娘役さんの愛希れいかさんに惜しみない拍手を送りつつも、
シナリオ的にもうちょっと丁寧に描いて欲しかったなと思いました。
まあ全体に脚本はあんまり練られている感じではなく、
どちらかというとストーリー性のあるショーといったところでしょうか。

印象的だったのはコーラスが素晴らしかったことですね。
そのまとまりとクォリティには群衆の迫力をさらに増す効果があり、聞き惚れましたよ!
そしてラインダンスも斬新でした。
衣装がトリコロールの赤、青、白の3組に分かれていて、これが色ごとに踊るんですよね。
色でフォーメーションを組むという振付は初めてで、とても素敵でした。
あと研1さんたちは太ももがとってもムチムチしているのがなんだか嬉しいです。←

あとは個々にちょっとだけ。
トップ男役の龍真咲さんは、農民出身の青年ロナン役。
父の仇への恨みを革命への情熱に託して、真面目で一直線なところが、
ミュージカルの王道的ヒーロー像でした。
ただ私は彼女の持ち味はもっと色気のある役で発揮されるような気がしました。
セリフ回しや歌を聞いていると、多くの女性を弄びつつも、
実は心の奥にどうにもできない恋を抱いているみたいな、
もっと男の危ない色香がただよう役が似合うんじゃないかなと。
というか、そういうのを見てみたい。(笑)

トップ娘役の愛希れいかさんは王妃マリー・アントワネット。
1幕の奔放で自分の楽しみ以外考えることをしない幼いアントワネットから、
2幕ですべてを悟った覚悟の王妃へと変わっていく様が見事でした。
ずっと失われない「誇りの高さ」ゆえに、最後の最後に涙を誘います。
シナリオの不十分さは前述のとおりですが、
そこを埋めてくれるだけのものを感じさせる芝居でした。
構成的、配役的にこうならざるを得なかったのでしょうが、
非常にもったいないなと……。

実質ヒロイン(オランプ)を演じたのはWキャストの海乃美月さん
キャストが発表になったときから物議を醸していましたが、
実際に拝見してみてやはりこちらがヒロインだと思いました。
オランプは皇太子の養育係でありながら、
平民のロナンと知り合って恋に落ちる女性。
主人公の恋人役であるだけでなく、
対立する王侯貴族と民衆を結ぶ役であることからいっても、
こちらがヒロイン格でしょう。
海乃さんは歌も芝居も安定していましたが、
ロナンに一目惚れして彼のために危険をおかすほどかというと、
それには冷静で賢すぎるように思いました。
もっと恋に身を焦がす感じが欲しかったかな~。
でもそんなシーンもなかったので、これもシナリオの問題か?(苦笑)

革命家3人組(デムーラン:凪七瑠海さん
ロベスピエール:珠城りょうさん、ダントン:沙央くらまさん)は、
それぞれに特徴を出していて目を引きました。
理想に燃えるデムーラン、己の情熱に酔い気味なロベスピエール、
仲間のムードメーカー的存在のダントン。
みんな「自由、平等、博愛」を掲げ民衆のために活動しているのですが、
この後全員断頭台に消えるんだよな……と思うと複雑な気持ちになりました。
その原因になるであろう性格の片鱗が、透けて見えたんですよね。

トップ娘役さんを主役と対抗するアントワネットにしたことで、
おそらくアントワネットの出番が増やされたものと思われます。
そのために貴族と平民の差がくっきりと出たのは良かったのですが、
その分物語の深みが足りなくなった感は否めません。
トップ娘役さんがオランプではダメだったのかな?
昔はトップ娘役をも食う「個性の強い2番手娘役さん」がどこの組にもいたものですが、
最近はそういうタイプの方はいらっしゃらないようなので、
アントワネットを振れる人がいなかったのかな……。
トップさんのデュエットダンスは、ラブラブなものじゃなくて、
フラメンコで対立を表すものが良かった気がしました。
フラメンコは恋の歌がほとんどですが、その中身は「恨み」が多いですし、
男性同士の対立する踊りもありますから、
せっかくこういう配役にしたのなら、そういう激しいのが見たかったかな。

こちらの作品、来年帝劇で上演されます。
主役の小池徹平くんはきっとハマり役だと思います!
あとヒロインの神田沙也加ちゃんもきっと似合うと思うし、アントワネット様はあの花總まりさんですよ!
私、今からとっても楽しみにしていますヽ(=´▽`=)ノ
[ 2015/07/16 00:28 ] 宝塚歌劇団 | TB(0) | CM(2)

宝塚月組公演『ル・ポァゾン 愛の媚薬』 

スカイ・ステージで放映されていた『ル・ポァゾン 愛の媚薬』(1990年 月組)を見ました。
嬉しい! 
この作品をまた見ることができて本当に嬉しい!
今でも主題歌を歌えるくらい、大好きなんです。
宝塚に本格的にハマったのはこの作品からと言っても過言ではありません。
私がベルばら以外で見た初めての宝塚作品、そしてオリジナル。
同時上演だったお芝居の『川霧の橋』もとてもよい作品で、
この公演を劇場で見ることができたのはとても幸せなことでした。
当時の半券を見たら、1階ウ列1番というお席。
あの頃は列がイロハ順でしたよね。
劇場が新しくなって番号順になったとき、とても残念に思ったものです。
もう記憶がないですが、ウ列って最後列か後ろから2番目くらいだった気がします。
旧東京宝塚劇場は1階席の後ろは太い柱があって、せり出した2階席の床も邪魔で、
1階後方はかなり見にくかったですよね。
この公演では1番という端の席だったこともあり、
切り取られた視界の中から必死に舞台へ目を向けたのを覚えています。

『ル・ポァゾン 愛の媚薬』は、多分ファンの間でも評価も人気も高い作品のひとつと思います。
古今東西の様々な愛の形を見せていくロマンチックレビュー。
宝塚らしいラブストーリーを、ときに美しく、ときに怪しく、ときに退廃的に演出し、
とにかくクールでゴージャスでビューティフル。
宝塚といえば古き良き昭和のムード音楽が特徴ですが、
それよりずっと覚えやすくておしゃれな音楽の数々もまた人気の要因だったかもしれません。
特にクラシック曲の使い方にはうなります。
宝塚はクラシック曲のアレンジがとてもうまいですよね。
かれこれ25年前の作品ですので、
今見るとジェンヌさんのお化粧やヘアスタイルなどに時代を感じますが、
それでもこの作品そのものの魅力は全く変わらずに輝いていました。
全然古くないし、思わず見入ってしまうパワーにあふれています。
宝塚の素敵なところが全部詰まっていて、ため息モノです。

この頃は4組しかなかったので、各組にスターさんがひしめいていました。
男役では、まずトップのウタコさん
退団公演だったということもあり学年的にも当然かもしれませんが、
すべてを暖かく包み込んでしまう余裕と懐の広さに、
それまでに見た雪組や星組とは違った大人像を見せてもらったように思います。
視線がとにかく優しくてあったかいんですよね(ノД`)
二番手カナメさんは冒頭の歌の破壊力がすごかった!
もうその怪しいオーラと歌声で場内を圧倒してしまうという……。
ユリちゃんは長身なこともあってどこにいても目立ちますし、ノンちゃんの個性も見逃せません。
娘役では、トップ娘役のミミさんは「ここに娘役あり!」って感じで、
とにかくすべてが力強くてかっこよかった。
私は特に彼女の地声の歌が好きでした。
地声と裏声の行き来がなんかね、聞き惚れてしまうんです。
そして、次期トップだと思っていたし、そういう扱いのリンリンさん
彼女はなぜトップにならなかったんでしょうか。
お歌は弱かったけど、華やかさと可憐さと、その存在はやはり目を引きます。
とんちゃんはね、「川霧の橋」の小りん姐さんが好きでした。
あんな粋でちょっと切ない芸者、男だったら放っておかないよ!
そして次期トップとなったヨシコちゃん
色んな場面でちょこちょこしていてやはりとても可愛いんですが、
これを見る限り、この人が「次期トップ娘役さん!」とは思えないですね。
将来的にユリちゃんとトップになるとは誰しも思っていたと思いますが、
まさかこのタイミングでっていうのは、当時も意外に思ったことを覚えています。
こういうところが宝塚人事の不可思議というか、面白いところなのかもしれません。

ふ~、久しぶりに宝塚のレビューに酔いしれました♪
今回は高画質で録画したので、これからも繰り返し見ることができると思うと、
本当にシアワセ~~~~~(*^^*)
[ 2015/02/02 01:27 ] 宝塚歌劇団 | TB(0) | CM(2)

宝塚月組公演「ロミオとジュリエット」 

先日スカパーのお試しをしていたわけですが、目的のチャンネルは1番組しか見ず、
気がついたらタカラヅカ・スカイ・ステージとイマジカばっかり録画してました。(苦笑)
そこでガッツリ見たのが月組さんの「ロミオとジュリエット」
この作品は現トップの龍真咲さんと愛希れいかさんのお披露目演目だったわけですが、
主役のロミオが2番手さん(名目上は準トップ)とのWキャストという謎配役。
スターシステムを採る宝塚ならではの大人の事情があったんでしょうが、
宝塚で、しかも「ロミオとジュリエット」という作品で、「それはないよな」と思っていました。
で、拝見したのは準トップポジションの明日海りおさんがロミオを演じられたヴァージョン。
裏事情をいち観客が忖度しても仕方ないのですが、本編はともかくも、
予想通り、フィナーレでの違和感はどうしようもなかったですね……。
作品については初演星組のDVDを見たときにウザ語りをしているので割愛して、
サクッと舞台の感想を書いておこうかと思います。

月組 宝塚大劇場公演 『ロミオとジュリエット』2012 Special Blu-ray Disc月組 宝塚大劇場公演 『ロミオとジュリエット』2012 Special Blu-ray Disc
(2014/03/21)
宝塚歌劇団、月組 他

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今知りましたけど、いつから宝塚のDVDがAmazonで買えるようになったのですか!?
……そして相変わらず高い。(苦笑)

それはさておき、見始めてすぐに感じたのは、「舞台空間を持て余してる?」ということでした。
星組は梅芸での上演で、出演者の人数も通常の半分だったはずですが、
非常に迫力ある力強い舞台だったという印象を持っています。
舞台の広さに関して言えば、宝塚大劇場のほうが梅芸より若干間口が広いようですが、
果たして持て余すほどの差があるのかどうか?
実際どちらの箱でも見ていませんから何とも言えませんが、
このスカスカ感というか、持て余してる感というのはどこから来ているんだろうなあと、
始終考えてしまいました。
ただ最後に私なりに思ったのは、「アンサンブルとしてのまとまりが薄かった」のかなということ。
役者ひとりひとりは上手いんです。
少なくとも歌に関しては星組よりずっと聴きやすいですし、個々の芝居も際立っています。
久しぶりに「芝居の月組」なんていう昔のキャッチフレーズを思い出したくらい。
「天使の笑顔で俺たちを裏切るのか」と仲間に言われてしまうのがよくわかる明日海ロミオ。
ジュリエットを教会で迎えるとき、それまでと打って変わって男の顔になるのが胸キュンでした。
ふくれっ面が意気がった子どもっぽさをよく表していた龍ティボルト。
ものすごく背伸びをしてキャピュレット家を背負おうとしてたんだろうなと、
切なくなるほどの危なっかしさが母性本能をくすぐります。
猪突猛進型のお嬢様が初々しくて愛おしかった愛希ジュリエット。
「この娘ならロミオが追放された時に一緒に駆け落ちしそうだ」と思ってしまいましたが(笑)、
強くて、でも決してわがままではないあたりが好感度抜群でした。
こういう3人を真ん中に芝居巧者が脇を固めて進む舞台は、芝居を見る面白さを実感させてくれます。
それでいてなお、どこか持て余してるように感じたのは、
作品がどちらかというとダンスや歌のアンサンブルで魅せるタイプなため、
個々の光で舞台を魅せる月組さんの系統ではなかったのかもしれません。
その点星組さんは団結力とはったりで押してくるところが魅力なので(褒めてます)、
歌はかなり厳しかったものの、アンサンブルとしてのパワーが上手く発揮されていたんだと思います。
今は組カラーがないと言われている宝塚ですが、やはり同じ演目を別な組で見ると、
贔屓だとか好き嫌いだとかとは別に、あたりまえだけどかなり色が違うとわかり面白かったです。

あとこれだけは書いておきたいのが、トップオーラ。
今回はトップの龍さんが2番手格のティボルトを演じられたわけですが、
やっぱりトップオーラって別格なのだと思いました。
彼女が出てくるたびに、ティボルトなのに「主役みたい」と思ったんですよ。
トップとしての自覚や自負が、あの不思議なオーラを作りだすんでしょうね。
主役じゃないからこそ余計に際立ってしまうオーラに、素直にすごいなあと圧倒されました。
あ、サクッとのはずがまた長く書いちゃった。
この作品も、いつかナマで拝見してみたいです。
[ 2014/10/20 02:04 ] 宝塚歌劇団 | TB(0) | CM(0)

宝塚星組公演「国境のない地図」 

宝塚を見て、久しぶりに鳥肌立ってしまいました。
去年からNHKのBSプレミアムで、宝塚100周年を記念して、
「メモリーズ・オブ・宝塚」というシリーズが放映されています。
月に2公演ほど、過去の舞台中継が取り上げられているのですが、
今年1月に放映された星組の「国境のない地図」(1995年上演)をつい先日視聴。
そして「この作品のフィナーレはいいなあ……!」と改めて思いました。
バッハの「トッカータとフーガ」に乗せた男役の群舞のかっこよさと、それに続く娘役群舞の優雅さ。
これは今でも語り継がれているほどの名場面ですよね。
当時はまだ4組体制で一組の人数も多く、舞台いっぱいに人がいる迫力もありました。
振付も素敵で群舞のクォリティも高く、本当に何度見ても飽きないしため息が出ます。
本当に本当に、いつ見ても何度見ても飽きないの。
それなのに。

あああ、なんでこれを最高画質で録画しなかったんだろう!!!
自分のばかばかーーーーっ。


そう思ってしまうほど、このフィナーレは本当に素敵なんですよ。
宝塚を見たことのない方でも、このシーンはきっと「かっこいい!」と思うはず!

星組公演『国境のない地図』

そしてデュエットダンス!!!
マリコさん(麻路さき)の包容力がね、もうあったかくてあったかくて。
当時、雑誌の「歌劇」だったか「グラフ」だったかで、
「デュエットダンスをしてみたい男役は?」というジェンヌさん対象のアンケートがあったんですが、
そこでぶっちぎり&堂々の1位を飾っていたのもうなずけます。
相手を包み込む優しさと懐の広さが魅力で、最大の弱点であるお歌を補ってあまりある、
ある意味理想の男性を体現していて私も大好きな男役さんでした。
お相手のあやちゃん(白城あやか)がまた、可憐にも妖艶にも化けられる人でしたから、
決してダンサーではない2人なのに、デュエットダンスはいつも素敵だったなあ……。
この「国境のない地図」でのデュエットダンスも、
2人の間に流れる初々しさと信頼関係が、見るほうをも本当に幸せな気分にしてくれました。
できるならこれをもう一度舞台で見たい!
消される前にぜひ一度こちらで。

この作品は阪神大震災後の復興第一作目にあたり、トップお披露目公演でもありました。
トップになったマリコさんが、
「自身がトップになることよりも、公演することそのものが大変だった」と話していた記憶があります。
そして、震災後の作品だったからこそ、ジェンヌさんたちの団結力も半端なかったと聞いていました。
それが如実に現れたのがこのフィナーレだったと思います。
物語はベルリンの壁を題材にして、東西に引き裂かれた親子を描くものでした。
当時まさしくそのベルリンに住んでいて、壁の話も色々聞いていた私にとっては、
あまりにも綺麗すぎる物語ではあったけれど、でも宝塚だからこそこれでいいのだと思いました。
あやちゃんが演じてたザビーネの性格が健気すぎて、
「ドイツ人こんなじゃな(ry」とか思ってしまったのが最大の要因かしら。(笑)
私は東京で公演を拝見しましたが、放映されたものと若干演出が違ったような気がします。
壁のあちらとこちらであやちゃん演じる姉妹(ヴェロニカ&ザビーネ)が会話を交わすシーンがあって、
そこの演出がすごくいいなあと思った覚えがあるんですが、今回テレビで見たらそんな演出はなくて。
記憶違いかしら……楽しみにしていたんだけどな。
1990年代、私が宝塚を一番よく観ていた時代。
ちょうど自分自身が子どもから大人への過渡期にもがいていたときでもあるので、
こうして作品に触れるとまた、あの頃の複雑な気持ちが蘇って、
何とも言いようのない気分になります。
「あんなときもあったなー」なんて、ああ、ちょっと年を感じちゃった。(苦笑)
[ 2014/06/14 02:27 ] 宝塚歌劇団 | TB(0) | CM(6)

ヅカメイク! 

時間というのは本当にあっという間に過ぎてしまうものですね。
4月6日の「城の日」も終わり、8日の「忠犬ハチ公の日」も終わり、
9日の「大仏の日」も終わり。
何を今さら……ではあるのですが、気づいたらブログも放って早1週間。
左下のグリムスちゃんが見事にしおれておりました。
この間、世間はオボカタさんの話題で持ちきりだったわけですが、
私は4月4日~6日にかけて行われた「宝塚100周年記念行事」の記事を、
うーん、記事というよりも、OGさんのブログをひたすら渡り歩いてました。
というのも、記念式典に出席された皆さんが沢山写真をUPされているので、
それを見るのがとても楽しくって。
華やかなドレス姿だったり、懐かしい顔だったり、
知らないジェンヌさんのものでも、やっぱり見ているとワクワクしてきます。
ジェンヌさんにとっての最大規模の同窓会であると同時に、
ファンにとっても同窓会みたいなところがあるからでしょうか。
今はよほど観たいものがあればというスタンスですが、
一度どっぷりハマったことがあるだけに、私にとっても「100周年」は感慨深いものがあります。
それは「宝塚が100年、すごいことだな」というのではなくて、
 「100周年」という大きな節目を「そう実感できること」に対して感慨深いものがある。
そう言ったほうが正しいかな。
だって、宝塚に興味を持っていなければ、「へえ~」で終わってしまうニュースですよね。

記事やブログはこちらにまとめられてます。

さて、タイトルのヅカメイク。
宝塚を見たことがある人は、おそらくまず最初にあのメイクに絶句すると思うんですよね。
バレエのメイクを見慣れている人でも、「おおっ」と思われることもあるようですし。
そして「あれはどうやって描いてるんだろう?」「真似してみたい」と思う人も、
きっときっと少なくないはず。
かく言う私も、あのメイクをしたら自分の顔がどうなるのかものすごく興味あります。
私は顔が薄いので、ヅカメイクをしたらかなり変わると思うんですよね。(笑)
ただし、その出来はテーマではありません。(爆)
今はやろうと思えば、宝塚のSalon de Takarazukaでメイクを体験できますし、
東京日比谷のフォトスタジオオプシスでもやってもらえます。
でもでも、そんなことをせずに、どうなってるかちょっと見てみたいの!
……ずっとそう思っていました。
そうしたらあった! 式典関係あさってたら偶然行き当たりました!
2008年に退団されたという彩羽真矢さんが、ゼロから完成まで動画にしてくださってます。
そうですそうです、こういうのを待ってたんです!!
これはもう見る! 今すぐ見る!



…………。
…………。
…………。
動画4本1時間強、見入ってしまいました……。
すごいです!!!
全部わかります。
もうドーラン塗った時点で、「あ、男役になった!」と思ってしまう自分は、
やっぱりヅカメイクに慣れているということでしょうか?(笑)
ジェンヌさんは、こんな感じでおしゃべりしながら毎日お化粧してるんだろうなあと思うと、
舞台裏を覗いた感じがして、ちょっと親近感湧いちゃいますね。







舞台用の化粧品が三善というメーカーのものだとか、
下地にワセリンを使うとか、そういえば昔「歌劇」とか「グラフ」で読んだなーと思い出しました。
今度は娘役さんのメイクも見てみたいな~。
[ 2014/04/10 23:32 ] 宝塚歌劇団 | TB(0) | CM(2)

銀河英雄伝説@TAKARAZUKA(後編) 

宝塚の『銀河英雄伝説』を見てきた話の続きです。

とにかく見終わったときの私の感想は、

みんな、とりあえず原作読もうぜ!

でした。

私は原作ファンであり、宝塚も大きなブランクはあれどそこそこ見ています。
そういう視点による個人的な感想ですが、
この作品は演出やジェンヌさんたちの素晴らしさに対して、脚本がいささか残念でした。
最大の難点は、幕が下りた段階で提起された問題が何一つ解決していないことと、
作品のテーマが見えなかったことじゃないでしょうか。
原作2巻までを、原作ファンに気を遣いつつ宝塚仕様に仕上げることに力を入れすぎていて、
肝心の『柱』となるべきものがないと感じました。
巷の感想でも、「話が心に残らない」というような内容を多数見かけましたが、
原作は決してそうではなく、重くずしりと心にのしかかる話です。
ラインハルトと門閥貴族の争いも、同盟内のクーデターも、
そして最後のキルヒアイスの死も、どれもが関係者に大きな傷を残す大事件です。
そこで織りなされる人間模様の複雑さが読み手を惹きつけてやまないわけですが、
それがあの舞台では伝わらなかったと感じます。
あのペースできちんと伝わるように描こうとしたら、ワーグナーのオペラ並みの長さが必要かな。
原作2巻までをベースとして帝国を中心に描くのであれば、
どうあってもラインハルトとキルヒアイスに重点を置かないわけにはいきません。
2人の友情と別れを描くのが正攻法だと思うし、
これは宝塚のトップさんと二番手さんの関係にもってこいな設定のはずなんです。
実際「友よ」と重要な歌をラインハルトとキルヒアイスはデュエットしてますから、
これを軸にすれば胸に迫る作品が作り上げられたと思うんです。
だってもう、もともとそういう流れなんですからね。
そうすればあの怪しすぎるオーベルシュタインの存在意義ももっと出たでしょうし。
ところが調べてみると、どうやら今の宙組さんにはちゃんとした二番手さんがいない様子。
そうするとスターの序列に厳しい宝塚において、
ラインハルトとキルヒアイスをあまりクローズアップすることはできないのでしょう。
それにしても「卿は嘘をついている」がカットされたのはなーぜーーー。(叫)
さらにトップ娘役さんの存在。
トップ娘役さんに、本来であれば物語の鍵であるアンネローゼではなくヒルダ役が振られたのは、
今作が、ひとえにトップコンビのお披露目だったせいでしょう。
ゆえにラストは「2人が共に未来に向かって一歩踏み出す」という展開になるのは想定内でした。
私はヒルダの改変についてはちょっと乙女すぎたとはいえ許容範囲ですが、
もっとヒルダの賢さや自立性が見えるシーンを作ることはできなかったのでしょうか。
ラインハルトと絡まなくても、トップ娘役として存在感を示すシーンが作れたはず。
2巻まででヒルダの見せ場といえば、父親をラインハルト陣営へ引き込むところですし、
門閥貴族に勝った後、ラインハルトの秘書官になるところでラストでもよかったのでは?
改変しても、(ありがたくも)ラインハルトとヒルダを恋愛関係にしなかったのであれば、
「ヒルダはあくまでラインハルトの同志であって、キルヒアイスに代わることは絶対にできない」
というところだけは押さえてほしかったんですよね……。

銀英伝@東京宝塚劇場


結論としては、ここまで中途半端になるなら同盟側はばっさり削ってもよかったと思います。
同盟のエピソードなんて端折られ過ぎていて、初見さんに理解できたかどうか?
話を知ってる自分でさえ、それこそ「なにがどうしてこうなった」みたいな展開でしたから。
ラインハルトの元帥府の面々だって、完全にモブ化していてもったいなかった!
あれでは最初に自己紹介ソングを歌った意味がありません。
噂のオフレッサーはものすごいイケメンになっていて(笑)かっこよかったですが、
あのシーンも不要だと思うし、なぜ採用されたのか謎。
あと気になったのは、ラインハルトが宇宙の平和を望んでいるような描写だったことでしょうか。
原作関係なく考えても、ラインハルトが平和を望んで戦う動機は示されてなかったと思います。
つまり、友情の話でもなく、かといってなぜ平和を望んでいるのかもよくわからず、
同盟との決着もつかず、崩御した皇帝の跡継ぎ問題もどうなったのかわからず、
最終的にヒルダとの関係もよくわからず、芝居に必要なカタルシスがどこにもなかったんですよね。
プログラムで小池先生が、
「あの役、この事件を泣く泣くカットして落ち込んでいる自分がいた」
と書いておられました。
そうだろうと思います。
心中お察しします。
銀英伝はひとつ話を崩すとその後の展開がどんどん壊れていきますから、
事件や場面の取捨選択が難しいこともわかります。
そこを補うために、事件を合体させたり戦争を一つにまとめたり苦心されてました。
それは私は全く気にならなかったし、正直どうでもいいと思いました。
宝塚版では戦争ではなく人間関係を描こうとしたわけですから、原作者の許可もあったことですし、
オリジナルエピソードをつけたしてでも、人をこそもっと深く掘り下げてほしかった。
でも足りなかった。
手を広げ過ぎたと思います。
そして宝塚のスターシステムによるキャスティングの弊害。

長々つづってしまいましたが、最後に一言だけ。
銀橋でラインハルトがキルヒアイスの頭をくしゃってやるシーン。
あそこだけは、あそこだけは不覚にも一瞬うるっとしました。
ラストを知っていたらやっぱりね……。
[ 2012/11/14 23:22 ] 宝塚歌劇団 | TB(0) | CM(6)

銀河英雄伝説@TAKARAZUKA(前編) 

4月の発表から7か月。
ようやく、ようやく『銀河英雄伝説@TAKARAZUKA』を観てきました。
今回はとにかく「チケ確実ゲット&良席で見たい!」と思い、
初めて阪急交通社の貸切を利用してしまいました。
そうして生まれて初めて、舞台というものをこんなにも前方で観ました、ワタクシ。
表情が見える、衣装がよく見える、髪型まで見える。
何よりも舞台の端から奥から上まで全部見える……!
素晴らしい! ハラショーーーー!(感涙)
そんなわけで遠足前の小学生よろしくワクワクドキドキしつつ、舞台を拝見。
あ、今回は事前に「プログラムを読んだ方がいいですよ」というアドヴァイスをいただいていたため、
かれこれ20年ぶりくらいにプログラムを購入しました。

銀英伝@TAKARAZUKA

台本が掲載されなくなったらしいことは小耳にはさんでいましたが、
まさかここまでヴィジュアルフォトブック化していたとは!
中は丸々一冊、まさに写真集です。
昔はもうちょっと読むところがいっぱいあった気がするんですが。
スターさんの座談会とかインタビューとか。
そういうのもなくなっちゃったんでしょうか、残念だな。
撮影や編集の技術も20年前とは雲泥の差ですから、とにかく写真一枚一枚が美しい。
お化粧も、ポスターやプログラムは基本ベージュ系でまとめられているので、
濃くも(笑)自然な感じに仕上がってるのがいいですね。

さて、前置きがものすごーく長くなりましたが、本題へ戻って。
舞台はとにかくそのヴィジュアルが素晴らしかったです。
どのシーンを切り取っても絵になる!
背景は使わず、階段と盆とセリと照明を駆使して場面を回していく展開はまさに小池マジック!
さすが演出家として名の通った小池先生だと思いました。
ジェンヌさんたちみなさんが、その舞台でとてもよく映えていて、
「宝塚きってのヴィジュアル軍団宙組」であることも実感しました。
そして配役も見事なほどにハマっていましたね!
セリフがなくてもキャラに基づいた小芝居をしているのをいくつか確認しましたし、
みなさん熱狂的ファンがいる原作を、本当に深く研究されたんだろうなと思います。
音楽はいつもより現代風だったけど、ちょっと垢抜けないところが宝塚?(笑)
でも耳に残る素敵なメロディーもありましたよー。
だからこそ、それだけに脚本が……脚本が残念すぎる!

長くなりそうなので後半に続く。
[ 2012/11/13 23:14 ] 宝塚歌劇団 | TB(0) | CM(0)


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