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「限界集落株式会社」  黒野伸一 著 

限界集落株式会社限界集落株式会社
(2011/11/25)
黒野 伸一

商品詳細を見る



ものすごく久しぶりに現代モノの小説を読んだ気がします。
本屋で平積みされているのをチラ読みして、面白そうだったので図書館で借りてみました。
話題作なんでしょうか、随分予約待ちしましたよ~。

人口の半数が65歳以上という限界集落。
主たる産業は農業で、取り立てて特徴のない村。
郵便局が消え、診療所が消え、路線バスが消え、行政から見放されようとしている村。
そんな村の立て直しに、エリート銀行マンだった主人公が立ち上がります。
都会の若者と村の老人の対決というありきたりな話ではなく、
むしろ村を黒字経営するためにはどうすればいいかというような、
いわゆる起業ノウハウが中心です。
かといって硬い話ではなく、かなりシンプルでライトに書いてあるので読みやすい。
「ハゲタカ」のような経済小説を求めると肩透かしを食らうと思いますが、
ライトでありながらそこそこ専門的でもあるという点が、一般読者には受け入れやすいのではないかと。
そんなわけで村の起業という点では話がとんとん拍子に進みすぎるきらいがありますが、
じゃあこの作品でディープな衝突やら障害やらが起こってほしいかというと、
それもまた似合わないなーという雰囲気なんですよね。
とにかく村のお年寄りたちが生き生きしていて、とてもリアルなところがいい。
こういうばあちゃんいるなーと、この村を自然と応援したくなります。
最後はすべて落ちるところに落ちたなという感じで大団円になりますが、
これはこれでいいのかなと感じました。
限界集落と農業にちょっと興味がある人には、面白く読めるかと思います。
個性的な登場人物ばかりでキャラ勝ちみたいなところもありますし、
テーマも悪くないのでいつかドラマになるんじゃないかな?
[ 2012/04/27 23:38 ] 読書/その他小説 | TB(0) | CM(0)

「オケピ!」 三谷幸喜 著 

三谷さんは台本が活字になって残ることを好まれません。
今現在公けに目にできる三谷さんの台本というと、
戯曲傑作選のようなものに掲載されている2作品、つまり、
「12人の優しい日本人」とテレビドラマ「振り返ればやつがいる」の数話分。
そして岸田國士戯曲賞受賞で書籍化された「オケピ!」の3つではないかと思います。


オケピ!オケピ!
(2001/04)
三谷 幸喜

商品詳細を見る


「オケピ!」に関しては、岸田國士賞受賞作は書籍化して、
授賞式で来賓者に渡す慣わしになっていたため、仕方なく書籍化したと、
三谷さんが本のあとがきではっきり記しておられます。
たとえ高校生の演劇であっても自作の上演を認めない信念の強さは、
人によっては頑固ととらえるかもしれないけれど、
私は作品に対する敬意を思い出させてくれる、必要なものだと思うんですよね。
戯曲出版拒否は「端から見ると単なるエゴかもしれない」なんてことも書いておられますが、
そういう職人気質といいますか、譲れない何かを持っている人というのも、
1人くらいいていいんじゃないのかなあ。
そんな絶版本ではありますが、割と簡単に図書館で借りられます。(笑
「オケピ!」の舞台版は、チケット争奪戦に悉く破れまして、結局未見。
ふと思い立って、今回台本を読んでみることにしました。

内容は、ミュージカルの舞台が上演されているときに、
舞台下のオーケストラピットで繰り広げられる人間模様。
それがミュージカル仕立てで描かれていきます。
仕事にやる気のない人。仕事に不安を抱えてサイドビジネスやっている人。
初めての仕事に不安を抱えている人。恋愛問題でごたごたしている人たち。
それぞれの担当の楽器の特徴を加味しながら、
相変わらず個性豊かな登場人物が、物語を紡いで生きます。
しかし、岸田國士賞の審査員の方々の指摘にもあるように、
正直この話の舞台がオーケストラピットである必要が感じられません。
あ、いきなり言っちゃった!(苦笑
オケピの話なので、当然私は、オケピで働く音楽家たちの、
仕事現場での裏話みたいなものを期待していたんですよねえ。
その点で「あれっ」って感じではあったんですが、更にあのー、
すみません、この作品がミュージカルである必要性もあまり伺えません……。
ごめんなさい、ごめんなさい!
読む限り、ドラマとしては素直に面白いんです。
伏線があってそれらが繋がって、最後にはハートウォーミングな結末を迎えて、
三谷さんらしい楽しい作品だということは、台本からもわかるんです。
役者さんたちが動いたら、おかしくてたまらないだろうということも。
だけど、ミュージカルについている生バンドにしちゃ演奏時間が極端に少ないし、
いくらなんでも本番中のオケピにこれはありえないと思い始めてしまうと、
もはや舞台が成立しなくなってしまうんですわ、私の中で。(苦笑
ついでに、楽器のソロパートで担当キャストにソロナンバーを歌わせるという手法も、
アイディアとしてはとてもよくわかるんですが、
それが果たしてミュージカルとしての魅力に繋がるのかは甚だギモン。
結局これ、ストレートプレイでよかったんじゃないのかなあ。
なんてことを書いたら、元も子もないですね。(苦笑
舞台を見ずに判断するのはアレですが、同じように脚本を読んでみると、
「12人の優しい日本人」のほうに、私は1票を投じたいですね。
[ 2008/09/14 22:45 ] 読書/その他小説 | TB(0) | CM(6)

100冊 

時間がないわけでもないのに、なぜかはかどらない読書。
今年は毎日本を開くと決意したはずのなのに、そんなのはとうの昔に忘れ去り……。
……というか、どうしても読み終われないあの本が諸悪の根源かもしれない。
とにかく読み終われば感想書きますけれども。

にもかかわらず、本屋に足が向いてしまうのはもう癖みたいなもので、
こればかりはどうしようもありません。
さすがに積読の山を思って最近は1冊も買っていませんが、
おかげで読みたいなあという気持ちの「旬」を、随分逃している気がします。
で、本屋に入ると目に付くのが様々な広告ですが、
夏休みを前にするとやたらあちこちにぶら下がってる「100冊」の文字。
特に黄色いバックにモサモサした感じのパンダが本を読んでいる新潮の広告は、
文庫コーナーに足を踏み入れた瞬間、嫌でも目を引きます。
新潮文庫の100冊。
私は、これが1976年から32年も続いているキャンペーンとは全く知りませんでした。
ついさっきHPを初めて見て、初めて知りましたよ!
因みに今年選ばれている100冊の中では、私が読んだ本はたったの23冊しかありません。
わ、少なっ……と、何となくショックでしたが、
古いものは出版社がまたがってることも多いので除外するとしても、
別に新潮のものばかり読んでるわけでもないし、読むジャンルも結構偏ってるし、
ま、こんなもんかなーという思いも無きにしも非ず。
それより今年の夏のプレゼント。すごく欲しいんですけど!
ずっとストラップだと思ってたんですが、ちゃんと変わってるんですねー。
すいません、流行に乗れてなくて。(苦笑
アロハ柄のブックカバー、ポケットもついていて、なかなか素敵です。
これ、新潮文庫のカバーの裏の三角の部分を送ればいいんだと思ってたんですよ。
それなら山のようにあるから、何口でも応募できちゃうもんねーと余裕かましてたのに、
よく読んだら、100冊キャンペーンの帯についてる応募シールじゃないとだめなのねっ!
くっ、やられたよ。(泣
積読が山とある以上、新しい本を買ってはならない。
だけどアロハ柄のブックカバーは欲しい。それも是非ブルーを。
……うーん、これは積読を減らすしかないってことか。
それにはまず、あれを読み終わらなければ。
[ 2007/07/03 21:44 ] 読書/その他小説 | TB(0) | CM(5)

「しゃべれども しゃべれども」 佐藤多佳子 著 

今年は毎日本を読むと決めたのもつかの間、いろんなことに振り回されているうちに、
結局1ヶ月近くページをめくらない日々が続いてしまいました。
 ずっと持ち歩いていたので、
すっかり角がひしゃげてしまいましたが、ようやく読了。
佐藤多佳子さんの「しゃべれどもしゃべれども」です。
miyukichiさんのブログで紹介されていたのに興味を持ち、早速買いに走りました。

しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫)しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫)
(2000/05)
佐藤 多佳子

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落語家の今昔亭三つ葉は、二つ目になって5年。
弟子の稽古嫌いで面倒くさがりの師匠と、
自宅で茶の湯を教えている気の強いおばあさんに振り回されつつ、
自身の仕事場を開拓すべく日々精進している。
そんな彼が、ちょっとしたことから、落語には何の縁もない4人の弟子を持つことになる。
それぞれにコンプレックスを抱え、一筋縄にはいかない者ばかり。
そんな彼らに自信を持たせようとする三つ葉だが、自分がスランプに陥ってしまう……。

生きていく上でぶつかる人生の壁、何かをやり遂げようとする中でぶつかる実力の壁。
それを乗り越えようとする彼らは、実際とても不器用で要領が悪いんです。
でもだからこそ、自分にどこか似た部分があるからこそ、どんどん共感していくのでしょう。
さらにどんどん応援したくなるのは、彼らが決してその壁の前から逃げないから。
落語のようにテンポの良い文章と、魅力的な人物たちに心が暖まります。
こんなに後味が爽やかで、何となく微笑んでしまうような作品は、久しぶりかもしれません。
5月には映画も公開。
動く三つ葉たちに、会ってみたくなりました。

最後に、佐藤多佳子さん、吉川英治文学新人賞を受賞されましたね。
私的にはタイムリー。(笑
受賞作「一瞬の風になれ」も楽しみです。(早く文庫になってねー)
[ 2007/03/19 22:21 ] 読書/その他小説 | TB(1) | CM(4)

「手紙」 東野圭吾 著 

東野 圭吾東野圭吾の作品を読むのは初めてです。
「いい!」という噂はよく耳にしていましたし、
ドラマ化された作品がいくつかあるのも知っていましたが(でもどれも未見です)、
私はずっとミステリー作家だと思っていました。
最初にお名前を知ったのが「江戸川乱歩賞」のときだったので、
勝手にそう思い込んでいたんですよね。
無知ですみません。
ミステリーではないものも、お書きなんですね。

手紙 (文春文庫)手紙 (文春文庫)
(2006/10)
東野 圭吾

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今回この本を選んだのは、本屋で平積みされていた文庫本の帯にあった、

差別はね、当然なんだよ。
自分が罪を犯せば家族をも苦しめることになる――――
すべての犯罪者にそう思い知らせるためにもね。


という文に衝撃を受けたからです。
物語は弟の学費を稼ぐために衝動的に殺人を犯してしまった兄と、
そんな兄を身内に持ったがゆえに、社会から扉を閉ざされてしまった弟の、
生きていくうえでの「けじめ」を描いています。
もしも私たちが、犯罪者、それも強盗殺人という凶悪犯が身内にいる人間に出会ったら、
果たして何の不安も抱かずに「普通に」接することができるでしょうか。
その人が罪を犯したわけではないことはわかっています。
頭でわかってはいても、私は簡単にYesと言うことはできないでしょう。
作中で主人公が「犯罪者の弟」という差別を突きつけられるたびに、
そのことを繰り返し考えさせられました。

愚直で弟思いの兄は、獄中から毎月必ず手紙を送ってきます。
しかしこの「手紙」こそが、彼の愛する弟が生きていくうえでの「カセ」になっていきます。
そのカセをどう乗り越えるのか、弟の判断にも読者の意見は分かれるでしょう。
帯には「涙の大ベストセラー」とありますが、そういう類の小説ではないと思います。
自殺や凶悪な殺人が魑魅魍魎のごとく跋扈する現代、
人々は「想像力」を失っているともいわれています。
こうすればどうなるのか、それを考えることがなくなっているといいます。
実際に自殺にしろ殺人にしろそこに至ってしまう人は、
それによってどうなるか、あるいは家族や友達がどうなるかなんて、
考えられないほどに追いつめられているとも聞きますが、
少なくともそれに達するよりもずっと前の段階で、「想像」することは必要だと感じました。
この作品は、その手がかりとなるものかもしれません。
[ 2007/01/27 22:59 ] 読書/その他小説 | TB(2) | CM(2)

鉄道員(ぽっぽや)  浅田次郎 著 

8つの話が収められた短編集。
◇妻娘を亡くした鉄道員の駅長最後の1日を描いた「鉄道員(ぽっぽや)」
◇戸籍を貸しただけで、顔も知らない妻から届けられた愛の手紙を描く「ラブ・レター」
◇一人の家庭教師によって崩壊していく家庭を描いたホラータッチの「悪魔」
◇父親に捨てられた男が、左遷で日本を離れるに当たって初めて知る真実を描く「角筈にて」
◇美人オーナーが経営するブティックで営業マンが体験する不思議を描いた「伽羅」
◇浮気中の夫と共に夫方の新盆に出席した妻の心を描いた「うらぼんえ」
◇クリスマス・イブに釈放されたチンピラが、不意にサンタになる「ろくでなしのサンタ」
◇別居中の夫婦が閉館する映画館を訪れ、昔を取り戻す「オリヲン座からの招待状」

鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)
(2000/03)
浅田 次郎

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どの作品にも、人と人の関わりがしみじみと綴られている。
そしてそのどれもが繊細な心の襞を描いており、深く沁み入った。
あとがきによると、この短編集において「一番良かった」とされる作品は、
概ね4つに分かれるのだという。
「鉄道員」、「ラブ・レター」、「角筈にて」、そして「うらぼんえ」である。
8つの作品のどれもが心に何がしかの感情を呼び起こすので、
自分がどんな状況にいて、どんな気持ちで読むかによって、
支持する作品は変わってくるんじゃないかと思う。
今回私が不覚にも涙を流してしまったのは「ラブ・レター」だったが、
「どの作品がお気に入りか」と問われれば、即座に「うらぼんえ」と答えるだろう。
あまりネタバレになってしまっては、
これから読もうという方に申し訳ないので詳しくは書かないが、
自分は先祖に見守られていて、自分が死んだら今度は子孫を見守るもんだと、
どこか漠然と思っている私にとっては、胸を詰まらせずには読めない作品だった。

人間の暖かさに触れたくなったときにお勧めの1冊。
[ 2007/01/16 23:37 ] 読書/その他小説 | TB(2) | CM(0)

血液型で性格判断はできるか 

友人に、血液型マニアがいます。
彼女の血液型によるマンウォッチングはもはやライフワークではないかと思うくらいで、
話題がそっちに流れると、飽きることなくしゃべり続けます。
「石橋を叩いて渡る」ということわざがありますが、それも彼女によると、

 A型…石橋を叩いて渡る
 B型…石橋を叩きすぎて壊す/途中で橋から落ちる
 O型…石橋を叩こうともせずに走って渡る
 AB型…他人が渡るのを観察してから、渡るか渡らないか決める


ということになるんだそうですが、わかるようなわからないような。(苦笑
そんな話を思い出したのは、今日本屋で「血液型」の世界地図なる本を見つけたからです。

「血液型」の世界地図 (青春新書INTELLIGENCE)「血液型」の世界地図 (青春新書INTELLIGENCE)
(2006/05/02)
能見 俊賢

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帯の「なぜアメリカは戦争好きなのか」というコピーは、まさしくこの友人を思い出させる言葉で、
(彼女も同テーマを同じく血液型で語ったことがあるからです)
ちょっと興味をひかれて手にしてみたんですが、パラッとめくったら、
「土方歳三はA型であっただろう」というような一文が目に入り、
戦争とアメリカなんてどこへやら(苦笑)、そのページを食い入るように読んでしまいました。

大らかで包み込むような近藤勇はO型、秩序を作り、新選組をまとめ上げ、
自分を犠牲にしてまでこれと思った人に尽くした土方歳三はA型と、
この本では分析されていました。
A型は表では自分を律し、時に犠牲になってまで何かを守ろうと苦労する分、
裏には、実は寂しがりやで甘えんぼな面を持っているともありました。
なるほどなあと思いましたが、実際の血液型はわかっていないんですよね。
今まで歴史上の人物の血液型なんて想像したこともなかったけど、
にわかに気になってきました。(苦笑
そういえば、「新選組!」で近藤勇を演じた香取くんはA型。
土方歳三を演じた山本くんはB型。
AとOは混ざる部分もある気がしますが、AとBは真逆とも言えますよね。
もし土方歳三がA型だったとしたら、「本物の土方さんが降りてきた!」感のあった山本くん、
B型として何か違和感はなかったのかなあ、なんてふと思ったり。
ちらっとネット検索したら、土方さんの血液型も、AB以外の諸説を発見!
これじゃあ、血液型性格判断はあてにならないって事の証明みたい。(苦笑

ちなみにこの本、このページだけ立ち読みしてきちゃいました。
なのでうろ覚えなところはごめんなさい。
[ 2006/05/15 23:16 ] 読書/その他小説 | TB(0) | CM(3)

零のかなたへ 今井雅之著 

先日のドラマをきっかけに、ノベライズ本を読んでみた。
正直、ドラマほど何かを感じることはできなかった。
そのドラマにしても、私には心に響くものがあったけれど、
その反面、物足りなさを感じていたことも事実だ。
だからこそ本でそれを補いたかったのだが…。

THE WINDS OF GOD―零のかなたへ (角川文庫)THE WINDS OF GOD―零のかなたへ (角川文庫)
(2001/04)
今井 雅之

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どんな作品でも、原作が一番いいことはよくわかっている。
となるとこの作品は、おそらく舞台版が一番良いのだろう。
ノベライズ本は小説というよりは戯曲に近い雰囲気を持っていて、
極論としてこれをシナリオと捉えるとすれば、
映画や舞台のワンシーンとして素晴らしいものが期待できる場面はいくつもある。
役者の演技によって、言葉以上のものを伝えることもできるだろう。
映像で言葉は悪いがごまかせる部分もある。
しかしそれらを小説の文字として追っていくと、
つまりすべてが文字による読者の想像に委ねられてしまうと、
どうしても突っ込み不足を感じてしまうのだ。
戦争を知らない人間が戦争の真っ只中に落とされ、
戸惑いながらも次第にその時代に生きる人間になっていく過程が、
どうも表面をなぞっているようにしか受け取れないのは、
私の感覚のせいなのかもしれないが…。
とても大切なメッセージを感じ取っていただけに、残念に思わずにいられない。
それと同時に言葉で表現することの難しさを、改めて実感するきっかけともなった。
[ 2005/10/31 23:41 ] 読書/その他小説 | TB(1) | CM(4)

とり残されて 宮部みゆき著 

とり残されて<br />(文春文庫)とり残されて (文春文庫)
(1995/12)
宮部 みゆき

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前にコメントを下さったかろひさんお勧めの宮部作品。
「表紙が怖い…」とコメントをお返ししたら、「だから自分では買わないだろうと思って」と、
なんと先日、誕生日のプレゼントにしてくださいました!
素敵な本をありがとうございました!

さて、超常現象を題材とした短編7編を納めたこの本は、本当に絶品ぞろいでした。
ここで描かれている超常現象は、全て人間の心につながっています。
それは殺意であったり、はたまた無念であったり、後悔であったり、不安であったり…。
どれも身近な感情なだけに、それによって起こる超常現象を、
「在りえない」とは言い切れないのです。
普通のミステリーと同じようにドキドキしながら読み進めていても、
最後には何か大切なものが心に沁み込んできてしまう。
一番強く感じられたのは、生きることへの強烈なエネルギーでしょうか。
お気に入りは、生前の心残りを解消するために、
女の子の霊が男の子の中に入ってしまうという「いつも二人で」。
「取り憑く」という本来ならば恐ろしい状況を、実にコミカルに前向きに描いています。
[ 2005/09/21 23:40 ] 読書/その他小説 | TB(1) | CM(2)

世界の中心で、愛をさけぶ 

今話題の「世界の中心で、愛をさけぶ」を読む。

全く興味はなかったのだが、仕事上読まなくてはならなくなり…。

う~ん。
何でこれがベストセラーなのか、よくわからない。
文体も単純だし、ページ数も多くないし、すぐ読めると思っていた。
帯にも「一気に読みました」とあったし。
ところがどっこい、もう本当に進まなくて進まなくて…(-_-)
著者を初め感動した人には申し訳ないけれど、正直に言ってかったるかった。
読むと言うよりは、義務的に活字を追っている状態。
内容的には高校生のピュアな恋愛物語。
彼女のほうが白血病で死んでしまい、その事実と向き合うことで、
2人とも「(生死はもちろん)存在」について考えていく…ということなのだけれど、
本当にこれ以上あらずじも書きようがないし、その奥にあるものも印象がぶれる。
確かに、鋭い表現はいくつかあり、頷けるものもあった。
だが、くどくどと述べている割に、掘り下げ方が浅い。物足りない。
せっかく「愛と死」といういかにもというテーマを出しているのに、
内容が陳腐などころか表面的になってしまっている。
描写などは美しいものもあるが、それが効果的になっているとは言いがたい。
場面を特定し、もっといっぱい削ってショートストーリーにしたら、
あるいは良い作品になったかもしれないなどと考えるが…。

さーて、どんなレビューを書けばいいんでしょうね(^_^;)
[ 2004/07/07 16:45 ] 読書/その他小説 | TB(0) | CM(0)