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「くノ一紅騎兵」 山田風太郎 著 

まるひげさんがコチラで「くノ一紅騎兵がマンガになってます」とお知らせくださっていて、
「はっ! くノ一紅騎兵、すっかり忘れてた!」と慌てて図書館で借りてきました。
そういえば昔読もうとしたらすでに絶版で、「いつか図書館で借りよー」と思ったまま放置……。

ということでまずは原作を読んでみたんですけど。
あのー、あのー、あのー。
これってあまりにも。

景勝くんがアホすぎる…………!!!

アマゾンの商品説明にはたった一言
衆道の法で男が孕む「くノ一紅騎兵」としかありません。
ええ、まあそういう話です。
景勝くんは女嫌いで美少年ばっかり侍らせていて、しかもその数は謙信以上だとか。
「どんなんだろー(笑)」とか思わず想像したくなります、想像できないだけに。(爆
で、千坂民部が京から連れ帰った美少年が景勝くんの側に上がることになり、
この少年が景勝くんをめくるめく快楽の海に引きずりこんで、記憶を失うくらいにしてしまい、
気づいたら子どもが生まれてたーということになるのですが。
一応関ヶ原の前の、何かと一触即発な時期なんですよね。
そういう大事なときに美少年に骨抜きにされてしまう主君でいいのでしょうか。
それでもお家のすべてが回るのが上杉家ということなのか?
しかもこのとき生まれた子の為に、家康と戦うことを決意しちゃう景勝くん。
もう「オイオイ」と苦笑が漏れるばかりでございます。
兼続に「上杉家のご嫡男ですぞ」と赤子を見せられて、
「俺は生んでないぞ」って、アナタ。
それはいくらなんでもありませんがなー。
「俺の子のわけがないぞ」って意味だったんでしょうけど、
そのまま聞いたら吹いてしまいそうです。
まあうろたえっぷりがよーくわかりましたけれどね。(苦笑

くだらない話といえばくだらない話ではあるんですが、
史実とありえない話をうまく組み立てて、
「ありそうでなさそうでありそうでなさそうな話」を作るところが、
やはり山田風太郎の天才の所以だなあと思います。
力技ってわけじゃないけど、「山風だし」でOKにできちゃう世界を創りますよね。
最終的に読者が気になるのは、
この子を孕んだ美少年が本当は男か女かってところだと思いますが、
そこは忍法ですからねえ。
ラストは山田風太郎らしくきちんと落としていて、
景勝くんがアホすぎるという感想を幾分ぬぐってはくれました。(笑
ちなみに山田風太郎お得意のお色気シーンはほとんどないですね。
描写もかなりアッサリで、
「そこまでクッキリ描かれると逆にエロくないんですけど」
みたいなシーンは1つもありませんでした。
何となく、景勝くんではそういうシーンは描きにくかったのかなー、と思いました。(苦笑

マンガは絵がとてもきれいな感じです。
評判もそう悪くないみたいですし、もしかしたらマンガで読んだほうが引き込まれやすいのかも。
読もうかなー、どうしようかなー。

山風短(1) くノ一紅騎兵 (KCデラックス)山風短(1) くノ一紅騎兵 (KCデラックス)
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[ 2010/09/21 20:06 ] 上杉氏(小説) | TB(0) | CM(4)

知らない間に…… 

気がついたら9月2日になっていました。(汗
8月後半何やってたんだろう……ってくらい、記憶がありません。
忙しかったのは忙しかったんです。
4時とかに寝た日も何日かありました。
正直、この間の外界の動きは全く把握しておりません!
選挙投票には行きましたけど、その後どのような展開になっているのか???

ここも、1週間以上放置したままで、コメントレスもせずに失礼いたしました。
本日すべてのコメントにお返事しましたので、
レスもらってなかったよーという皆様、お手数ですが遡ってご確認くださいませ。

そして、堺屋太一氏の「三人の二代目」の新聞連載が始まっておりました!

 主人公は、激動の戦国時代を生きた毛利輝元、上杉景勝、宇喜多秀家の二代目武将3人。
 いずれも先代から大領を引き継いで大老にまで昇りつめるが、
 慶長5(1600)年の関ケ原の戦いでは負け組になってしまう。それはなぜか?



各種ニュースではこのように紹介されています。
毛利輝元が二代目というのはどうなのかとのご指摘も多数目にしておりますが、
その辺はいずれ小説内でなんらかの処理(?)がなされるとして、
とにかく二代目特集というのはなかなか面白い趣向です。
スタートは上杉景勝からで、その設定が「長身痩躯」なところが新鮮です。
そして2回目にしてすでに凛々しい!
ちゃんと主人公の1人としてアピールしてます。
ないがしろじゃありません!(←ここ重要

しかし新聞連載ってまどろっこしい。
1回が原稿用紙3枚弱くらいの分量ですよね。
これじゃ、面白かったら待てないなあ。
実家に帰らないと読めないのが辛いです。

因みに兼続が美貌なのはもはやデフォのようです。(笑
[ 2009/09/02 23:00 ] 上杉氏(小説) | TB(0) | CM(8)

花の君参る「上杉景勝室・菊姫」 河村恵利 著 

「殿といっしょ」以外で初めて触れる上杉モノのコミックです。
景勝公の正室・菊姫さまを描いた作品。

花の君参る上杉景勝室・菊姫 (プリンセスコミックス)花の君参る上杉景勝室・菊姫 (プリンセスコミックス)
(2009/02/16)
河村 恵利

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3つの短編からなっているのですが、うち1つが三郎くんを主役にした御館の乱を描く「望楼」
もう1つが菊姫の輿入れから亡くなるまでを描いた「花の君参る」
(もう1編はこれらとは関係のない超短編です)
ここでは「花の君参る」についてさらっと触れておこうと思います。
まず一言。
殿と菊姫さまが、

超らぶらぶ

でございます。
他では垣間見ることのできない、景勝公のらぶっぷりが拝見できます。
輿入れしてきた菊姫さまに「もっと寄れ、寒いから」なんて言ってみたり、
合戦で城を留守にするときに「しばらく我慢いたせ。俺も我慢するんだから」と言ってみたり、
菊姫さまの実家・武田家が滅んでしまったときにも「どこへも行かせぬぞ」と姫を抱きしめてみたり。
殿は不器用で愛情表現も苦手なんだろうなあという思い込みがあるもんですから、
こういうわりかし積極的(と言えるのか?)な景勝公を見ていますと、
なんだか恋愛ベタながらも一生懸命頑張っている息子を見守っているような気がしてきて、
どこかこそばゆいといいますか、落ち着かない気持ちになりました。(笑
それはともかく、ポイントは景勝公の側室・四辻氏の扱いと、菊姫の死だと思いますが、
こちらは作者らしく無難に綺麗にまとめてあったと思います。
ただ、前にこの方の作品を読んだときにも感じたのですが、盛り上がりに欠けるんですよね~。
1ページ単位でどんどこどんどこ話が展開していくという、
ジェットコースター並みのスピードのせいか、深みが足りないというかパンチが足りないというか。
例えて言えば、美味しい生パスタとオリーヴオイルを使ってはいるんだけれど、
にんにくと唐辛子の入っていないペペロンチーノ……みたいな。
例えて言えば、丹念に育てられたお野菜と高級な牛肉、さらに地域の名水まで使っているのに、
肝心のカレー粉が入っていないカレー……みたいな。
例えて言えば、フカフカのスポンジケーキと質のよい生クリームを使っているのに、
いちごもフルーツも入っていないショートケーキ……みたいな。
ちょっと、毒舌だったかしら。(苦笑
素材はいいのに大事なものが何か足りない、そんな惜しい感じなんですよ。
話の骨格は悪くないですし、作者さんは愛情を持って描いておられることはわかります。
おそらく人を見る目も非常に優しいのだと思います。
ゆえに、負の感情でさえも美しすぎることがあります。
つまり「毒」がなさすぎるのかもしれません。
でも今は、そんな欲求不満な状態を解消してくれるネタがありました。
これを大河の北村景勝&比嘉菊姫で見たら、どんなにか美しいお話になることでしょう!
ただ今脳内で絶賛妄想中でございます。(笑
[ 2009/02/21 01:32 ] 上杉氏(小説) | TB(0) | CM(6)

上杉謙信・景勝・直江兼続 軍神の系譜  坂上天陽 著 

ここのところほぼ毎日、上杉・直江本の新刊お知らせが届きます。
この乱発ぶりは雨後の筍どころじゃないです。
こんなになると、むしろどうでもよくなるものなんですねー。
私、全然チェック入れてません。(苦笑
大河放映開始まであと28日ということで、書店の直江コーナーも拡大中。

ってことで、思ったより時間がかかってしまいましたが、読み終えました。

上杉謙信・景勝・直江兼続 軍神の系譜 (学研M文庫)上杉謙信・景勝・直江兼続 軍神の系譜 (学研M文庫)
(2008/08/12)
坂上 天陽

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その半生を戦いに費やし「聖将」を演じ続けた孤高の武将、上杉謙信。
宿敵である北条家から養子となり、家中での自分の存在意義に悩む上杉景虎。
養父の偉大なる力を認めつつも、「義将」の姿を偽善とし否定する上杉景勝。  (裏表紙より)



上杉謙信、景勝、景虎。
それぞれの心の葛藤を、手取川の戦いと御館の乱を通して描いています。
といっても、メインは御館の乱であって、手取川はその伏線。
その御館の乱は、さすがシミュレーションを得意とする作家さんの作品で、
史実をうまく組み合わせた非常に読み応えある展開となっていました。
もしかしたら本当にこんな風に戦局は動いていたのかもしれない、と思わされるほどで、
これはこれで1つの説として非常に面白いと思いました。
にもかかわらず、なかなか読み終わらなかったのは、
ずっと、「主人公……誰?」な状態だったせいだと思われます。
手取川から始まるので、まずは謙信中心なのかと思いきや、
謙信の養子であり、でも越後の人質的扱いな景虎の苦悩が浮き彫りになり、
じゃあ景虎が主人公なのかなと思いきや、なにやら景勝にも比重がかかっており、
じゃあ景虎・景勝のW主人公なのかなと思えば、
山本寺定長とか直江信綱とか毛利秀広とか、一筋縄ではいかない家臣たちが出張ってくるし、
ここと視点が定まらなくて、いまひとつ乗り切れないものがありました。
文庫本1冊の分量でしかないのに、みんなを大事に描きすぎていたからかもしれないです。
でもあとがきに「本作の主役をひとり挙げよと言われれば、私は景勝を挙げます」とあったので、
作家さんとしても、主役を絞ら(or絞りきれ)なかったということなのでしょうか。

この作品のポイントは景虎と景勝の義兄弟の関係、これ一言に尽きます。
なんちゅうか、もう両想いみたいな感じ?(爆
二人がなぜ泥沼の家督争いを繰り広げることになったのか、
多分ここで描かれたことが一番理想の形だろうと思われます。
その点では、景虎スキーさんも景勝スキーさんも満足の一冊かと。
カゲカツィストとしては、「景勝公変装するの図」がめちゃめちゃ萌えました。(え
あんなことしそうになかったから、不意を突かれて沈没。(苦笑

タイトルが「上杉謙信・景勝・直江兼続 軍神の系譜」となっておりますけれども、
兼続は……何かしたっけ?くらいな扱いでした。
「大河に便乗しちゃったのかな?」と思わせる必要もない作品だったと思うんですけどね~。
[ 2008/12/07 23:51 ] 上杉氏(小説) | TB(0) | CM(10)

「女流戦國」 寺内大吉 著 

はあああ。
なんかすごいものを読んじまった感じです。

「女流戦國」 寺内大吉
寺内大吉 「女流戦國」
(1964年 桃源社)

この本は古書として購入してまして、その際のふれこみが、
『上杉謙信・上杉景勝・上杉景虎』
となっておりました。
このメンツなら、「きっと御館の乱の話なんだろうな~」と漠然と思っておりましたが、
確かに謙信の跡目争いを扱ってはいるんですが、全くもって別なお話にございました!
もうツッコミどころが多すぎて、感想が書けません。(爆
例えば謙信が攻めた七尾城主が長時連だったり、三郎景虎の名前が長尾景虎だったり、
塙団右衛門(時雨左之助)がちょろちょろしていたり、
要するにそういうテイストの小説でございます。
ただ、ここだけは声を大にして言いたいところでありますが、
景勝君が何気に超カッコイイです!!!

注:あまりにフィクションがすぎるので、この作品に限っては「景勝君」と呼ばせていただきます。(笑

景勝公が見直されたのは最近のことで、以前は悪役なことがほとんどだったと聞いていました。
ですので、むしろこの作品にはそうした役割を期待していたのですが、
ところがどっこい、私的には青天の霹靂たるすごい展開が!!!

軽くネタバレしますんで、それでもOKの方はこの先もお付き合いくださいまし。
[ 2008/08/16 23:27 ] 上杉氏(小説) | TB(0) | CM(6)

「われ、謙信なりせば」 風野真知雄 著 

すでにだいぶ記憶が薄れているのですが、後になるともっと薄れるので今のうちに。
米沢への道中で読みきりました。

われ、謙信なりせば―上杉景勝と直江兼続 (ノン・ポシェット)われ、謙信なりせば―上杉景勝と直江兼続 (ノン・ポシェット)
(1998/06)
風野 真知雄

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これは本当に面白かった!
米沢への道中で読みきるほどに面白かったのです。
何しろ景勝公がカッコいい。
こんなにカッコよくていいんですか、っていうくらいカッコいい。
本当に、ちょっとカッコよすぎ。(苦笑
この作品を勧めてくださった皆さんが口をそろえてそう仰っていたので、
かなーり期待して読んだんですけど、その期待を本当に裏切りませんでした!

豊臣秀吉亡き後、天下の行く末は―――。
この作品も、上杉家の関ヶ原を描いています。
太閤の死をきっかけに、それまで耐えに耐えてきた徳川家康が、
「ようやくわしの番じゃ」とばかりに天下取りに動き出します。
誰を取り込んで誰と戦えばいいのか。
思案する家康公の頭に浮かんだのが、
あまりにも無口なためについ忘れてしまう存在の、上杉景勝。
「あの男はいい」
自分の側についてくれるなら、会津に越後を足してやろうが、
それどころか国を二つに割ったっていいと思うほどに、家康公は上杉家を欲します。
ここで描かれる家康公は愛嬌があって、憎めない。
天下を取るために何でもやっちゃうところは変わらないのですが、
かなり必死な感じなのがとても新鮮。(笑
ただそれが、景勝公をよりいっそう引き立たせてもいるのですけれどね。(笑
その家康公に望まれる景勝公は、澄んだ瞳の奥から、すべてをじっと見つめています。
物事を常に大局的に眺め、それを的確に判断し、下した決意は揺らがず、余計なことは言わない。
これはまさに、見事な理想の姿にございます!!!
しかしその清廉さは、実の父親を殺した叔父・謙信を憎むあまり、
逆に自分自身が謙信になりきることで納得しようという、非常に痛ましい決意の結果。
「謙信ならどうするか」を常に考え、謙信を追及していくことで、
景勝公は上杉謙信の「美徳」とされる部分ばかりを受け継いでしまい、
ある意味「義」という枷をはめられたまま、身動きが取れない状態にあります。
対して家臣の直江兼続は、同じく謙信公の元で育った身とはいえ第三者。
謙信という軍神を冷静に見極め、その裏に隠された「暗いもの」を嗅ぎ取っている。
水魚の交わりと言われたこの上杉主従の間にあった見えない溝が、関ヶ原で浮き上がります。
上杉が天下を取るべく、家康の追撃を勧める兼続公に対し、
「それほど天下が欲しければ、わしを越えてゆけ。その覚悟があるなら全軍を預ける」
そう、景勝公は言い切ります。
この場面の上杉主従のやり取りは、互いの想いがわかるだけにグッと来ます。
「義」という枷をはめられたままの景勝公が、
鉄面皮ぶりもはなはだしい家康公を受け入れるわけがなく、
またそうならなければ収めることのできない天下など望むわけもない。
「利」は常に悪ではないのだけれど、「義」のない世の中は悪であるかもしれません。
そのことを思い出すことが、今の時代には必要なのかな……なんて思いました。
晩年になって関ヶ原を振り返る上杉主従の姿を描く幕切れは、
穏やかな暖かさに満ちていて、爽やかな読後感を与えてくれました。
[ 2008/06/18 01:16 ] 上杉氏(小説) | TB(0) | CM(18)

疾風怒濤! 上杉戦記 

大河ドラマの配役のほうは、まだ発表されていないんですが……。

上杉謙信…………JJサニー千葉
上杉景勝…………草刈正雄
直江兼続…………山本圭



どうですか、このキャスティング?
なかなかいい感じ? それとも何か間違ってる?(笑
私は見てみたいなあという気持ちもあるんですけれど、どうでしょうか?

あ、何かのドラマや映画の情報をキャッチしたわけじゃないです。
正体はこれ。↓


疾風怒濤! 上杉戦記 (PHP文庫 や 39-1)疾風怒濤! 上杉戦記 (PHP文庫 や 39-1)
(2008/03/03)
海音寺 潮五郎  山本 周五郎

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この本を手に取ったとき、表紙絵にしばし考え込んでしまいました。
どうやってもこの3人、JJサニー千葉と草刈正雄、そして山本圭に見えます。
かなり斬新なキャスティングじゃありませんか?(笑
謙信にサニー千葉というだけでも、かなりパンチが効いていると思うのですが……。


さて……。
この本、タイトルからして明らかに「IF小説」っぽいんですが、
謙信から景勝へと受け継がれていく上杉家の逸話を8篇収めた、普通の時代小説短編集です。

東郷隆  「竹俣」
山本周五郎  「城を守る者」
海音寺潮五郎  「芙蓉湖物語」
永井路子  「流転の若鷹」
火坂雅志  「羊羹合戦」
神坂次郎  「ばてれん兜」
童門冬二  「美鷹の爪」
大佛次郎  「丹前屏風」


全くカラーの違う作家さんたちですが、結構上杉モノって取り上げられてたんですね。
どこにも入っていなかった永井路子さんの「流転の若鷹」が収録されているのが、
実はこの短編集を知ったきっかけです。
「御館の乱」を扱った作品ですが、カゲカツィストとしてはちょっと悲しい展開。
景勝公が見直されだしたのは近年のことらしいので、仕方ないんですけどね……。
山本周五郎の「城を守る者」は相変わらず人情味を存分に感じさせてくれ、
海音寺潮五郎の「芙蓉湖物語」では、喜平次くんの凛々しさに不意打ちをくらい、
童門冬二の「美鷹の爪」には、「北の王国」は何だったんだ……と頭を抱えました。
別にいいんだけどさ、ここまで人って転換できるのね……と思って。(苦笑
しかし兼続と景勝公の年の差が13歳という設定が納得いかん。
火坂雅志の「羊羹合戦」は、「天地人」と違って結構良かったと思います。
出来上がった羊羹にはちょっと言いたいこともありますが(笑)、
歴史から離れた本当にサイドストーリーで、短編の良さが光っていたと思いました。
どれも読んで損はない、素敵な作品ばかりなのですが、
この8篇中で、私のイチオシは大佛次郎の「丹前屏風」です。
晩年の前田慶次を軽妙洒脱に描いています。
戦国を生き抜き、今は上杉家に殉ずるがごとく、米沢藩でひっそりと暮らす身……。
そんな己の人生を、月の世界に見立てて話すさまは秀逸。
「丸腰でおって武士に見えぬような奴があったら、そりゃまだ武士ができておらぬのだ」
飄々としていながら、すべてを悟ったがゆえの重い言葉の数々。
さらりと語られる物語には、実に多くの含蓄と味わい深さが織り込まれていました。
短編なので、感想を書くと完璧ネタバレになるので今回はここまで。

短くて読みやすいけれど、どちらかというと、ある程度上杉家の歴史を知った人向けかも。
[ 2008/05/23 21:42 ] 上杉氏(小説) | TB(0) | CM(6)

「上杉景勝」 近衛龍春 著 

近衛龍春さんの新刊「上杉景勝」をやっと読み終えたのですが。

景勝さまは、

「こなくそ!」

などと言ったりはしませんっっ!


私が「こなくそ」という言葉から連想するのは山本太郎くんです。
山本太郎くんといえば原田左之助。
そう、「こなくそ」が伊予松山の(あるいは四国の)方言であるということを学んだのは、
2004年の大河「新選組!」を見ていたときです。
坂本龍馬が暗殺されたとき、一緒にいた中岡慎太郎が、
「犯人がこなくそと叫んだ!」と証言したことにより、
松山出身の新選組隊士・原田左之助が疑われることになったわけですが、
簡単にググってみたところ、「こなくそ」とは四国以外では言わない模様。
それなのに、長尾顕景(あきかげ)時代の景勝さまが、「こなくそ!」と言っているのです。
もしかしたら当時の越後では「こなくそ」って使ってたのかもしれないけど、
でも、おかげでしばらく景勝さまが左之助ヴァージョンの山本太郎くんでイメージされてしまい、
「うおー、全然違う><」と、何度も頭を振ることになってしまいました……。

上杉景勝 (学研M文庫 こ 9-4)上杉景勝 (学研M文庫 こ 9-4)
(2008/04/08)
近衛 龍春

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それにしても本作、遅々として読み進みませんでした……。
正直なところ、それは「こなくそ」のせいだけではないんです。
すでにびびんばさんが「己鏡」の中で、「凹んだ」と書いておられたので、
ある程度覚悟はしていたのですけれど、「愛」が足りないんです。作者の愛が。
あ、直江兼続の兜の前立てにかけてるわけじゃないです。

近衛さんは過去に景勝さまのライバルだった三郎くんを主役にした長編力作を書いておられ、
そのときは作中の人物にちゃんと愛情が感じられました。
主役の三郎くんへはもちろんのこと、敵対する景勝さまにさえ気持ちが入っていました。
ところが本作は、どうしても「棘」を感じてしまう。
景勝さまだけでなく、直江くんにも、三郎くんにも、
そして景勝さまと三郎くんの間を取り持った武田勝頼や当然徳川家康にも。
私としては、 「上杉三郎景虎」の対になる作品として、
今回は景勝さま視点でリンクするように描かれるのでは……と思っていたのですが、
その期待は見事に裏切られてしまいました。
それで面白ければ、別な作品として楽しめるんですけれど、うーん……。

だいたい、作中の景勝さまは、ずーーーーーーーーーーーーっと怒りっぱなしなんですよね。
短気とか癇癪持ちとか、そういうんじゃなくって、とにかく最初から最後までお怒りモード。
無口で無表情で、兵たちが敵将よりも主人を恐れたという逸話があるくらいですから、
親しみやすい人ではなかったとは思いますけれども、これはちょっとなーって。
なんというか、感情の振れ幅がないので、読んでて飽きちゃう。(苦笑
多分これって近衛さんの特徴なのじゃないかと思うのですけど、
ここでの景勝さまも、やっぱり受動的なんですよね。
考えがないわけじゃないんだけれど、直江くんに言われてから動く……みたいな。
私、「上杉三郎景虎」を読んだときと同じことをこの作品にも感じました。
主役がね、「したたかさ」に欠けるんですよ。
だからこう、何かイマイチ作中に入りきれないというか……。
いや今回の場合、近衛さんは三郎くんのほうに思い入れが強すぎるんだな。
謙信は跡継ぎを三郎くんと定めていたはず、と思うがゆえに、
景勝さまを「義」と「不義」でがんじがらめにしてしまったんでしょう。
実際はこんな感じだったのかもしれないけれど、
それならそれでもうちょっと書きようもあったのでは……と思っちゃうんですよね。

それから、史料を駆使してドキュメンタリータッチで描くというのも近衛さんの特徴のようで、
今作も日付から人から詳細に記されてはいるんですけれど、
描く期間は長いけど枚数は少ないという今回は、それがかえって災いしてしまったのでしょうか。
人を描くことよりも、史実を描くことが優先されてしまっているようにも感じたのですが。
そのわり、謙信跡目相続争いにページの半分以上を割き、
それ以降が超早足だったっていうのはバランス悪すぎませんかねえ。

この辺りが、私にとっては読みにくい要因だったように思います。
大坂冬の陣に向かう前の景勝さまと直江くんの「義問答」は面白かったですけれども……。
無駄に長いレビューですみません。
景勝さまスキーとして、「棘」を感じまくったゆえの感想かもしれません。あしからず。
[ 2008/04/22 23:59 ] 上杉氏(小説) | TB(0) | CM(4)

「叛旗兵」 山田風太郎 著 

これはすごい! 
こんな奇想天外な物語は、山田風太郎にしか書けないだろうとさえ思いました。

叛旗兵―山田風太郎傑作大全〈7〉 (広済堂文庫)叛旗兵
山田風太郎傑作大全〈7〉 (広済堂文庫)

(1996/10)
山田 風太郎

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あらすじ(裏表紙より)
直江山城守兼続の養女伽羅に本多佐渡守正信の次男正重との縁談が持ち込まれた。
これを嫌った兼続は、大谷刑部の忘れ形見左兵衛を婿として迎えた。
が、腑抜けで覇気のない左兵衛に怒った伽羅は、直江四天王に彼を鍛えよと命ずる。
ユニークな個性の持ち主で一筋縄ではいかない強者4人、伽羅の婿になりそこねた正重、
その左右を守る宮本武蔵、佐々木小次郎までもが加わり、奇想天外な騒動が繰り広げられる。


ということで、とりあえず上杉関係に分類はしましたが、
肝心の(?)景勝さまは、友情出演程度にしかご登場なさいません……仮病で。(爆

以下、ネタバレありです。






とにかくどこを開いても笑えます。(笑
歴史を扱っていながら、これぞまさにエンターテイメント!といったところ。
一応史実ベースではあるものの、読んでいくうちにどこまでが史実で、
どこまでがお遊びなのか、それすらどうでもよくなってくる面白さ。
宮本武蔵と佐々木小次郎が一緒に用心棒みたいなことをしていたり、
この2人が賭け麻雀をやって何十両という借金を作ったり、
直江四天王が今で言うソープランドに行っておかしなことになったり、
二条城の松の廊下で刃傷沙汰があったり、
史実を踏まえたうえでのありえないバカバカしさこそ、この小説の醍醐味です。
例えば、北政所に「燃えよ大坂城! ホ、ホ、ホ」とか言わせるあたりに、
この作品の傾向が読み取れるのではないでしょうか。
「大坂城など燃えてしまえばよいのじゃ」ではないのです。
「燃えよ大坂城!」で、さらに笑い声がつく。
これはもう、作中名台詞ナンバー1を進呈したいくらいです。

しかし、最後の20ページになると、そんな笑いは嘘のように消え果ます。
そしてタイトル「叛旗兵」がなんなのかを知ったとき、
関ヶ原の合戦の重みを、痛みと共に胸に感じることになります。
戦国末期のオールスター登場に、数々のエピソード満載と豪華絢爛な展開でありながら、
実はその裏に悲痛な思いが隠されているのです。
ただ、ただその一点のためだけに費やされた660ページ。
本を閉じたときの私は、文字通り「冷水を浴びせられた」が如く……となりました。
文句無しに、オススメできる1冊だったと思います。
[ 2008/03/12 20:11 ] 上杉氏(小説) | TB(1) | CM(2)

「天地人」 火坂雅志 著 

読み終わりました。
2009年NHK大河ドラマ原作本。

上巻の腰巻に、

上杉謙信、直江兼続、真田幸村、
義をつらぬいた男たちの美しき生き様


とあるんですが、「なぜ景勝さまはスルーなのですか!?」
という疑問をしょっぱなから抱きつつ、読み進めたのですが。
私、歴史小説の在り方がわかんなくなってしまいました……。(苦
以下、辛口にならざるを得ないのと、ちょっとネタバレもあるので、
読んでもいいよという方のみ、ずいずいっと下のほうへお進みください。

天地人〈上〉
天地人〈上〉

(2006/09)
火坂 雅志
天地人〈下〉
天地人〈下〉
(2006/09)
火坂 雅志















[ 2007/12/25 23:53 ] 上杉氏(小説) | TB(0) | CM(2)