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『帝冠の恋 』 須賀しのぶ 著 

先日の直木賞候補だった須賀しのぶさんの一作品、「帝冠の恋」を読みました。
来週の月曜日(30日)からNHK FM青春アドベンチャーでラジオドラマ化されるという情報を得て、
放送前に原作を読んでおきたいと思い手に取りました。



本作は、ミュージカルとしても有名なオーストリア皇后エリザベートのお姑さん、
ゾフィー大公妃の若かりし頃の恋物語です。
その恋のお相手は、なんとナポレオンの息子!
私、全然知りませんでした。
あの厳格でハプスブルグの権化みたいなゾフィーが、
ナポレオン2世と不倫関係にあったなんて噂があるなんて。
ゾフィーの次男、つまりエリザベートの義弟マクシミリアンはメキシコ皇帝となってのちに銃殺されます。
そのことは史実として把握していましたが、まさかそのマクシミリアンがあのナポレオンの孫……?
私には「ええええ」な展開の物語でした。

ミュージカルでのゾフィーは意固地で意地悪な面がディフォルメされているので、
どうしてもこわいお姑さんというイメージが強いですが、
そもそもゾフィーの実像はあれほどにまで厳しいものだったのでしょうか。
エリザベートの伝記や考察本などは多数出ていますが、
ゾフィー大公妃のそれとなると日本語ではちょっと目にしたことがなく、
これまで触れる機会はありませんでした。
ただこちらも超有名な映画、ロミー・シュナイダー主演の「プリンセス・シシィ」の中でも、
ゾフィーはやはり厳しく、エリザベートに辛くあたる人として描かれています。
映画が作られたのは1950年代、ゾフィーの死から約80年後。



ヨーロッパではゾフィーは生きている頃からそういう人物として見られていたのか、
あるいは娯楽歴史映画として、主人公のシシィに対する人物としてそう描かれたのか……。
ドイツ語版のWikiを読むと、
「映画では意地悪な姑として描かれていたが、そうではない。
他の家族に対して、若い皇后(嫁)の悪口を言ったこともない」
という、ウィーンの著名な作家の説が載っています。

この「帝冠の恋」のゾフィーは常に前向きで、行動力があって、力強い女性。
それは読んでいて爽快で、恋に政治にひとり奮闘する姿を見ると応援したくなります。
そして彼女はナポレオン2世との恋を経て、
「オーストリア、ハプスブルク帝国のために」生きることを決意します。
それゆえに、オーストリアのためなら悪く言われてもかまわない、と、
厳しすぎる態度を取るようになってしまったとしても、それはそれで納得できると思いました。
そのあたりからも、恋物語とはいえ甘すぎることもなく、
かといって政治向きの話に寄って固くなりすぎることもなく、
非常にやさしい、サクサク読める作品になっています。
本来であれば、装丁版で2冊くらいにできそうな内容ですが、結構あっさり。
というのも、これ、もともとコバルト文庫の作品だったんですね。
あーーー、なるほど!

さてラジオドラマの方はどうでしょうか。
小説はわりと会話が多めでしたから、ラジオドラマ向きかもしれません。
基本的に王宮の中のお話ですし、登場人物もそれほど複雑じゃないですしね。
主人公のゾフィーは元宝塚トップ娘役だった野々すみ花さん。
NHK時代劇では常連さんになりつつありますね。
真田丸で信尹叔父上を演じられた栗原英雄さんも出演されますが、どの役だろう?
ラジオドラマが始まったら、またレビューしたいと思っています。
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[ 2017/01/26 01:41 ] 時代・歴史物 | TB(0) | CM(0)

『軍師 黒田官兵衛』 高橋直樹 著 

来年の大河に備え、何かひとつ読んでおきたいなあと思っていたところへ、
新刊の情報をいただきました。
いつもながらにありがとうございます、まるひげさん!

というわけで、高橋直樹さんの官兵衛モノ。


軍師 黒田官兵衛軍師 黒田官兵衛
(2013/11/05)
髙橋直樹

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高橋直樹さんはなかなか切り口の面白い作家さんだと思うのですが、
今回の作品も興味深い構成となっていて、
いくつかの合戦を通して官兵衛の人となり、もしくは半生を描く形となっています。
そこには妻はおろか、竹中半兵衛さえ出てきません。
扱われる合戦は、姉川の戦い、太田城の水攻め、秀吉による中国攻略戦、
山崎の戦い、そして関ヶ原です。
とはいえ、よくある合戦風景、戦術戦略が語られるというよりは、
官兵衛の軍師らしさといいますか、いわゆる後方での動きをメインに追っているので、
戦国モノでありながら、ちょっとしたビジネス戦略本のような印象があります。

ちょうど信長が天下を取ろうとしていたころ、播州は国人衆が割拠する混乱状態でした。
織田や武田のように大名家とその家来衆という関係が成り立たない地域で、
寺社を中心に人や物、情報がいかに流通し、またそのネットワークを国人衆はいかに利用したか。
そしてそれを使いこなせなければ、生き残ることができなかったという事情は、
大名家のあり方と違い、民の生き様を鮮やかに浮かび上がらせます。
さらに、信長による天下統一への動きは、
今まで自由に動きまわってきた彼らに決定的な打撃を与えます。
これまで大名の戦いの機微を読み、その狭間で上手く立ちまわることで生き残ってきた人々、
寺社を背景に力を持ったり、その技術で一衆徒を築いていたものたちなどは、
天下の動乱が収まってしまっては、活動の場を失ってしまうことになります。
そういう戦国末の過渡期とも言える時期を、官兵衛がどのように生きたか、
それを主に秀吉との関係で見せていくのがこの作品です。
本書の帯には、
「人生でたった一度の甘美な夜が稀代の軍師の人生を狂わせた」
とあります。
この作品では、官兵衛をいつも今一歩のところで己の目的を達せなかった人物としているのですが、
その原因がこの「甘美な夜」にあったというのには、
なんといいますか、人生の哀しさを感じますね。

全体は全6章から成っており、それぞれの章は長さにばらつきがあるものの、
いずれも読み応えがあります。
特に秀吉との別離を描いた章など、哀しさの中にしみじみとした味わいがあります。
ただ全体として見たときに、作品を束ねる「芯」に欠けるかなと思いました。
官兵衛は「信長のような人殺しは嫌いだ」と言い、これが秀吉に賭ける理由なのですが、
重要な発言の割にたいしてつっこんだ描写もないまま終わってしまいます。
また、永遠のライバル的存在として雑賀孫一が登場しますが、
こちらももうちょっと「ライバル」としての存在感が欲しかったところ。
もしかしたら高橋さんは、短編でその魅力を発揮される方なのかもしれません。

印象的だったのは次のシーン。
織田信長プロデュース秀吉の中国攻略において、
播州は官兵衛の根回しの結果「織田につく」という決議を行いますが、
このときの官兵衛の独白、
「――文句があるやつ、いるだろ」
これは作中で、もっとも黒田官兵衛の本質を突いた一言だったように思いました。
[ 2013/12/12 22:45 ] 時代・歴史物 | TB(0) | CM(4)

KIYOSU→清須会議 

隠遁生活に入っております。
コメレスの遅れ、そしてみなさまのブログに全く顔を出せずに心苦しいばかりです。
7月に入ったらちょっとは余裕ができるか……も。

というわけで走り書き。
三谷さんの次の映画は時代劇。
清州会議がテーマです。
考えたら三谷さんにピッタリですね。
生誕50周年祭の締めくくり(笑)として執筆した小説が原作。
こちらは本日発売なので近いうちに読むとして、
映画は来年秋公開予定だそうなのでちょっと楽しみにしたいと思います。

★全員が主役といえるので隅々まで、(中略)豪華キャストを総動員
★小説では勝家がショーン・コネリー、
 秀吉が大河ドラマ「黄金の日々」(1978)の緒形拳をイメージ
★いつも同じ人とやっていると言われるのはしゃくなので、半分は初めての方
★勝家は50代後半から60代前半、秀吉はそれより若くて40代に見える30代
               Yahoo!ニュースより引用



勝家がショーン・コネリーって、斬新なかっこよさだな!
小説はモノローグと議事録で進んでいくスタイルだそうで、
今さら自分が文語体で書いても……と現代語だそうです。
スポーツ報知のニュースがちょっと詳しいです。

去年小説執筆を発表したときのタイトルが確か『KIYOSU』だったと思うんですけど、
結局わかりやすく手に取りやすい『清須会議』にしたのでしょうね。
KIYOSUもロックな感じで良かったんですけど。

次回はこの本の感想を書きます。
……というのは希望的観測です。(笑

清須会議清須会議
(2012/06/27)
三谷 幸喜

商品詳細を見る
[ 2012/06/27 11:23 ] 時代・歴史物 | TB(0) | CM(8)

もしも平安時代にツイッターがあったら。 

大河「清盛」も次回いよいよ悪左府登場ということで、結構盛り上がってるみたいですね。
ざっと見てみましても、副長(@新選組!)ネタの多いこと!
もう第8回ということで、「待たせたな!」的な言葉で期待を寄せる文章を、
あちらこちらで拝見いたしました。(笑
中でも秀逸だなと思ったのが、ツイッターにあったこちら。

mona_mona2様のつぶやきより

ツイートをそのまま埋め込みたかったんですが、どうもこのブログだと上手く表示されず。
一応発信元のURLはこちらでございます。

見つけた瞬間爆笑してしまいましたが、予告見てませんけどそんな感じなんでしょうか。(笑
何、ガサ入れなの???(爆
公式HPの画像になぜか戦々恐々しているワタクシですが、
実はようやく3話まで消化した次第でございます。
うーん、日曜日までにあと4話、消化できるんかいな。(汗

さて、そんなふうにツイッターもブログも賑わっておりますけれども。
つい先日「戦国武将がもしブログを持っていたら」という朗読劇がありました。
拙ブログでも昨年告知の段階で記事にしていたのですが、
このたび、とうとうこういうものが発売されましたよ!

つぶやき平家物語
つぶやき平家物語―140字でわかる平清盛と源平合戦

最近ここのブログ、Amazonの商品検索ができなくなっていて不便です。
それはさておき、この「つぶやき平家物語」ですが、ページを開くとモロ、ツイッター画面です。
平氏の台頭から建礼門院の死までが書かれていますが、
一応左側には簡単な解説、そして右側にツイッターのTLという形式。
ディープな平安スキーなみなさんには当然物足りないと思いますが、
私のようなザーックリした流れしかわかっていない人間には、入門+αって感じで手に取りやすい。
ただこれ、やはりザーックリした流れを知っていることと、
ツイッターに慣れていることが楽しめる条件なところが、一般書としてはマイナス点かなー。
この両方を満たしていないと、オアソビ部分のTLがあんまり楽しめないと思います。
全部読んでませんが、頼朝のキャラが結構D●Nなのはいいのか?(苦笑
例えば箱根山中に潜伏しているときも、梶原景時に見つかりそうになって、

yoritomo 源頼朝
もうだめだもうだめだもうだめだ政子と大姫ごめん俺はもうしんでいる



とかつぶやいてるんですよ。
しかもこのときのトレンドが多分 #踊る頼朝捜査線 になってる。(爆
さらには、平氏を追い詰めた頼朝、思わず書いちゃったつぶやきを、
政子からたしなめられて謝ってるし。(笑

yoritomo 源頼朝
は、はい、すみません RT @masako あなた、もういい加減源氏の棟梁らしく、
こういうみっともないつぶやきはやめてください。
恥を知ってください RT @yoritomo 【糸冬】平氏終了のお知らせ (∩´∀`)∩ ワーイ



しかも頼朝、腰越状のとき、義経のツイッターブロックしてるしなー。(爆
まあ義経のキャラもアレなんですけどね。
だけど誰も鍵付きツイッターではないので、
どこで何をしてるか全部バレバレなのはいいんでしょうかね。
とツッコミつつも、私はくすりと笑いながら、楽しんでおります。
[ 2012/02/22 21:35 ] 時代・歴史物 | TB(0) | CM(10)

『ひらひら 国芳一門浮世譚』 岡田屋鉄蔵 著 

ちょっと前にうちの母が、「昔の人がスカイツリーを予見して描いてたらしい」という話をしていまして、
いったいいつの時代のどういう人のどういう絵なのかツッコンだのですが、一向に要領を得ず、
ググってみたら歌川国芳(1798年~1861年)の『東都三ツ又の図』のことでした。
しかしすごいですね、きっとテレビでやってたんでしょうね。
Google先生にお尋ねすると、一番上に「歌川国芳 スカイツリー」がセットで出てきます。(笑

実はこの話題、すーっかり忘れていたんですけど、
今になって思い出したのは実はこちらを読んだからなんです。

『ひらひら 国芳一門浮世譚』

ひらひら 国芳一門浮世譚ひらひら 国芳一門浮世譚
(2011/11/29)
岡田屋 鉄蔵

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とーってもお世話になっているまるひげさんが、

時代モノ…特に江戸好きならば問答無用で読むべし。

と書いておられたので、「そりゃ買わにゃあなるめえ」と早速ポチった次第でございます。

いやあ、良かったです。
まるひげさんが「問答無用」とおっしゃったのもわかります。
もうさ、このたった1冊のコミックに、江戸っ子の魅力が丸ごと詰まってるんですよ。
人生ってある意味理屈じゃないんだよな……というか、
喜びも悲しみも全部そのまま受け止めて、今を生きるたくましさというんでしょうか。
そんな「生のエネルギー」が、読み手にビシバシ伝わってきます。
物語の要点を1行でまとめると、
「人生のすべてを失い命を捨てた侍が、歌川国芳一門に入ることで生まれ変わる話」
とでもなりましょうか。
しかしこの侍は作品の主人公でありながら、実は外野で観察者なんですよね。
彼には人に言えない過去があり、せっかく迎え入れてくれた歌川一門に対しても、
どこか距離を取った付き合い方しかできないでいます。
それが兄弟子たちの人情や気風の良さに触れることで、少しずつ心がほぐれていく。
読み手もこの侍と同じように、国芳親方はもちろん、この一門にどんどん惚れていってしまうんです。

漫画家さんが絵師を描くとなると、やはり特別な思い入れがあるのかもしれません。
どこもおざなりにできないという強い気持ちが、作品から立ち上っている気がしました。
ペンネームがアレだなあ(笑)と思って調べたら、
この作者さんのホームグラウンドはBL系だったんですね。
でもこの作品はそういうジャンルのものではないので、そういう方面が苦手な方でも大丈夫です。

さて、歌川国芳ですが、没後150年だそうで。
2月12日まで森アーツセンターギャラリーで特別展が催されています。
先に書いた『東都三ツ又の図』は後期展示のようなので、
次回上京したときにちょっと奇抜な浮世絵の数々を見てこようかなと思ってます。
[ 2012/01/13 01:42 ] 時代・歴史物 | TB(0) | CM(4)

「裏閻魔」 中村ふみ 著 

IE9でWeb書籍を楽しもうというキャンペーンで、小説まるっと1冊無料公開されてました。
通常Firefox使いの私ですが、このためにわざわざIE9を入れちゃいました。


裏閻魔裏閻魔
(2011/03/04)
中村 ふみ

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「裏閻魔」というタイトルのこの作品、伝奇小説ですね。
時は幕末、長州萩生まれの一ノ瀬周(あまね)。
新選組に追われているところを彫師に助けられ、掌に刺青を入れられてしまいます。
その刺青は「鬼込め」と言われ、不老不死の呪いをかける禁忌の業。
それにより一ノ瀬周は二十歳で時を止めてしまいます。
彼は助けてくれた彫師の弟子となり、自身もまた彫師として生活していくわけですが、
この「不老不死」こそが、彼の人生の枷となっていきます。

幕末から第二次世界大戦終戦直後まで、ざっと90年弱の物語。
「不老不死」で生きることの大変さは、想像に難くありません。
怪我がすぐ治る、年を取らないというこの2点だけでも、誰かと親しくなることはおろか、
同じ場所に長く住むことすらできません。
誰とも親しくなれないということは、常に孤独を強いられるわけです。
例え愛しい人ができたとしても、その想いを告げることすらできないのです。
気持ちを抑え、本当の自分を隠した生活はどれほど苦しいでしょう。
「死ねない」からこそ、逆に「死ぬこと」が身近になっていくというのもよくわかります。
90年という時代の流れを伝えつつ、「生きること」と「死ぬこと」を問うた作品ですが、
もっと人間の苦悩が見えても良かったと思いました。
同じく不死身の兄弟子とは敵対しているんですけど、ここもちょっと関係が弱い。
設定からいって人間関係が希薄にならざるを得ないのはわかるんですが、
それゆえの人間の闇の深さみたいなものが欲しかったかなあ。
それと幕末維新に枚数を割きすぎ、肝心のクライマックスからラストへの描写が駆け足だったのも残念。
イギリスの切り裂きジャックを絡めたりして面白く読ませてはくれるのですが、
クライマックスで微妙にテンション昇りきらない感じです。
落としどころは希望を残してとてもよいだけに、「もうひと越え!」という感じでした。

ゴールデン・エレファント賞という新しい賞の大賞を受賞した作品ですが、
ポイントは1にも2にも、舞台を幕末にしたところだろうなと思いました。
msnの期間限定全編無料公開はもう終わってると思いますが、
公式サイトで部分的に無料閲覧できるようです。(コチラ)
[ 2011/06/01 01:34 ] 時代・歴史物 | TB(0) | CM(4)

「幕末銃姫伝」 藤本ひとみ 著 

藤本ひとみさんといえば欧州モノというか、フランス史関連の小説の人ですが、
本屋に行ったら「天狗の剣―幕末京都守護職始末」という新作が積まれていて、
「藤本さんまでもが幕末モノを……それも会津……!」と思うと同時に、
「なんでー?」という疑問もフツフツと。

図書館にあった昨年発刊の別作品を読んでみて謎が解けました!
ナポレオンを調べておられて幕末に入られたんですね、きっと。


幕末銃姫伝―京の風 会津の花幕末銃姫伝―京の風 会津の花
(2010/05)
藤本 ひとみ

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ということで、山本覚馬、・八重子兄妹の物語なのですが、覚馬が江戸から会津に戻り、
松平容保公が京都守護職に任命されて鶴ヶ城落城までの約12年ほどを語っています。
私は幕末モノはもともとあまり読んでいないんですが、
思い返したら会津藩を描いた作品はこれが初めてだったことに気づきました。
その点、会津から幕末を見るというのは私にとっては結構新鮮ではありました。
……でもなあ。
うーん。
「でもなあ」って感じなんですよね。
何というか、全体に浅い。
いろんな幕末の人物が登場しますが、かなりの確率で尻切れトンボになってますし、
「幕末銃姫伝」というタイトルのわりには山本八重子が銃姫じゃない。
もちろん女の身で銃砲の術を身につけ、籠城して戦う傑女には描かれてますが、
例えば「のぼうの城」の甲斐姫ほど爽快な活躍をするわけでもないです。
どちらかといえば兄の覚馬の方に重点が置かれている感じもあり、
私としてはむしろそちらの方が興味惹かれる内容でしたが、
こちらは薩摩に捕らわれてしまって途中から登場しなくなってしまいます。
流れ的には、兄の遺志を継いで妹が戦う図なんですけど、
結局のところ、全体的にアンバランスな構成になってしまったように思いました。
八重子と山川大蔵の淡い恋も、八重子の傑女ぶりとのギャップを見せてはいるものの、
今回ばかりはイライラの要素だったりして、入り込めないままに終わってしまいました。
あと、結局ナポレオンが全く生かされていなかったことに私はガッカリ!
いかに史実が前提とはいえ、ナポレオンを研究した藤本さんならではの展開が読みたかったよ。
あー、私の不満はこれが原因かもしれません。

最終的に印象に残ったのは、勝海舟が将軍徳川慶喜を評して言った、
「あいつは狸の家系だから」という一言でした。
家系という風にとらえたことがなかったので、座布団一枚!
えっと……これでいいのかしらん。(汗
[ 2011/04/28 22:58 ] 時代・歴史物 | TB(0) | CM(0)

「敵討」 吉村昭 著 

先月放送していた「遺恨あり~明治十三年最後の仇討」がとても良いドラマだったので、
吉村昭の原作を読んでみることにしました。

本には2編収録されていて、最初が本書タイトルにもなっている「敵討」
こちらは天保の改革(天保年間1830-43年)を背景に、
伊予松山藩士熊倉伝十郎が、殺された父と伯父の仇を討つ話です。
熊倉伝十郎は苦節8年、仇を討つことに成功します。
当時仇討ちは武士にとって称賛に値する行為でした。
それと同時に、武士であれば仇討ちするのが忠孝であるという思想もありました。
仇討ちをするために藩から永の暇をもらい、どこにいるかもわからない仇を探し歩く。
運よく仇を討てる確率は非常に低く、たとえ討てたとしてもどれほどの年月がかかるかわからない。
仇が討てなければ帰藩はかなわず、そのまま世に紛れて暮らさざるを得なくなります。
残された家族が肩身の狭い思いをすることにもなります。
初めは憤りや憎しみという感情に押されて仇討ちの旅に出たとしても、
1年、また1年と仇を求めてさまよううちに、次第にそうした日々に倦み、
初めの感情が薄れてきてしまうのは当然のことと思われます。
仇への怒りとその仇が見つからないための諦めという2つの相反する感情の間で、
この松山藩士熊倉伝十郎も思い悩みます。
そんな彼を支えていたのは、仇が討てなければ帰藩できないという現実的な問題と、
もう1つ、武士としての矜持であったように思います。

敵討 (新潮文庫)敵討 (新潮文庫)
(2003/11)
吉村 昭

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一方、ドラマになった2編目「最後の仇討」は、明治維新を背景に描かれています。
秋月藩士臼井亘理は幕末期における藩内の対立から妻とともに暗殺され、
息子の六郎が両親の死から13年後にその仇を討つ話です。
ドラマとは違い、六郎は生活を切り詰めて切り詰めて、独り孤独にひたすら仇討の機会を待ちます。
ドラマを見たときは、明治維新によって武士という存在が消滅した時だからこそ、
仇討ちという行為がより武士の矜持を表しているものと思ったのですが、
原作では、六郎の仇討の意志を支えていたものが敵への強烈な憤怒であったことが意外でした。
父と母を惨殺されたのは六郎が11歳のとき。
それを思えば彼の仇討が文字通り復讐であり、
「武士にとって仇討ちは美徳である」という江戸時代の風習は単なる建前、
あるいは免罪符にしか過ぎなかったとしても不思議ではないのかもしれません。

この2作は一緒に収録されていることに意味があると感じました。
江戸末期における仇討と明治の仇討では、
本質的なものが変わっているというのは実に興味深いものです。
そして2人の主人公に共通しているのが、どちらも仇討を目的に生きてきたがために、
それを達成した後の人生が空虚であること。
このことは、現代の私たちにも何かを考えさせるのではないでしょうか。
[ 2011/03/29 22:31 ] 時代・歴史物 | TB(0) | CM(2)

イバハチにきゅん。 

伊庭八郎を愛してやまないAkiさんが出版された「小説 伊庭八郎 征西日記」。
読み終わって何ヶ月経ったんだっていうくらい亀な話題ですが、
ご紹介させてください♪

イバハチラーの皆様のバイブルである「征西日記」」の解説本を出されたのが昨年のこと。(既に完売)
こちらは原文に加えて、読みやすくて楽しい解説、さらに写真やイラストまで入って、
非常にディープかつ面白い1冊に仕上がっていました。
しかし候文ばかりではとっつきにくいのではと、
イバハチをもっと多くの人に知ってもらいたいというAkiさんの思いから、
今回出版された小説版が誕生しました。

小説 伊庭八郎<br />征西日記

巻頭には、普通の小説にもついていて欲しいスバラシイ年表がつけられています!
私が歴史ものを読むときは、結構日本史の年表や図録を引っ張ってくることが多いんですが、
こうやって1冊の中に納まっているととっても便利!
作品は、短編5編とおまけの1編で構成されています。
それぞれの作品には史実考察のページも設けられてます。
一応同人という枠の中で出されたものなので、詳しい中身には触れませんが、
「伊庭八郎」を敬愛し、彼に対して誠実に向き合うAkiさんの姿勢が良く表れた、
ストレート勝負の作品集になっていると感じました。
きちんと史実を踏まえたうえで作られた作品の中に息づく伊庭八郎には、
まさにこんな人だったのではないかという魅力があります。
ヒーローでもなく、歴史の大舞台で立ち回っているわけでもない。
けれども作品から匂い立つその魅力は、
実際に伊庭八郎が多くの人に慕われたことを彷彿とさせます。
「隣の家のお兄ちゃんが実はとってもすごかった」的な発見が、
おそらく幕末スキーになる要素の1つだと私は思っているのですが、
この短編集を読んで、ますますその思いを強くしました。
本当にこの伊庭八郎にはきゅんとしますね。(笑
ちょっとイバハチに転びそうになる1冊でした。

興味を持たれた方は、コチラへぜひ。
[ 2010/10/18 22:39 ] 時代・歴史物 | TB(0) | CM(0)

「ハプスブルクの宝剣」 藤本ひとみ 著 

久しぶりに世界史モノを読んだのですが、なんというか、
自分はやっぱり世界史な人間なのかなあ……とちょっと考えてしまいました。
歴史スキーには、世界史も日本史もないのかもしれませんが、
今回ちょっと驚きな感覚を味わったものでして。


ハプスブルクの宝剣〈上〉 (文春文庫)ハプスブルクの宝剣〈上〉 (文春文庫)
(1998/06)
藤本 ひとみ

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こちら、1995年の初版を1度読んでます。
当時藤本ひとみさんの歴史ものにハマっていたので、私にしては珍しく装丁版での購入でした。
そう、文庫になるまで待てなかったんです。(笑
ということで、今回15年ぶりになるわけですが、
舞台化されたということで懐かしくなって、引っ張り出してきて再読してみました。
因みに装丁版の表紙は(↓)かなり聖書っぽい雰囲気です。

ハプスブルクの宝剣

話は、一言で言えばアイデンティティの確立ということになるんでしょうか。
ユダヤ人という迫害される立場の人間が、
いかに己の人生を確かなものとして受け止めようとしていくかが、
オーストリア、フランス、イギリス、プロイセン、スペインなどが覇権を争った、
いわゆるヨーロッパの戦国時代(18世紀)を舞台に描かれていきます。
大手を振ってはどこも歩けないユダヤ人が主人公で、なおかつこの男が黒髪で隻眼の超美形。
己の出自を隠して必死に生きる姿と、その情熱的な性格は、世の女性を魅了してやまないでしょう。
このあたりのキャラの造形が、さすがコバルト出身の作者ならではの巧さなのかな?
彼を取り巻く人々も全員魅力的です。
後の肖像画を髣髴とさせる頑固なお姫様マリア・テレジア、彼女の夫で温厚かつ行動力あるフランツ、
負けず嫌いの戦略家フリードリヒ(フリードリヒ大王)……。
実在の人物と史実に、フィクションを巧く絡めてあります。
数々の戦闘シーンも手抜きなくスペクタクル。
愛憎、友情取り混ぜた人間関係の複雑さも、緊張感を作り出しています。
作品における甘辛のバランスが絶妙です!
ただこの作品、ユダヤを知ると、ほんの少し感じ方が変わる気がします。
なぜ彼らは迫害されるのか。
なぜあそこまで同族意識が強いのか。
これは作品の根源でもありますし、日本人には遠い存在とはいえ、
ユダヤという存在をどこまで意識できるかによって、作品の深さ、重みが変わってくるように思います。

以下余談になりますが。
実は読んでいて、目の前に映像が次々と浮かび、音や声、匂いが現実のように感じられたことに、
我ながら驚いてしまいました。
私の読書は音声変換型ですから、こんな経験ほとんどありません。
それだけの筆力で書かれているというのも当然ありますが、
もしかしたら自分の感覚が世界史寄りなのかもしれないとふと思いました。
学生時代はずっと世界史をやってたわけですからね……。
あるいは、ヨーロッパには当時の建物が数多く残っているため、
想像しやすいというのもあるかもしれません。
ただ、これだけ日本史にどっぷりの自分が、いとも簡単に世界史に方向転換できるということに、
複雑な思いを抱いてしまったのでした。
10代20代で吸収したモノの影響って大きいのでしょうね。
[ 2010/02/25 01:36 ] 時代・歴史物 | TB(0) | CM(2)


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